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北京五輪外交的ボイコットに英国、カナダも加わる

米国、オーストラリアに続き、英国とカナダが相次ぎ北京オリンピックの外交的ボイコットを発表した。開催まで2か月を前にして、各国が対応を迫られている。 12月8日、米国の同盟主要国であるオーストラリアが先駆けて外交的ボイコットを表明すると、同日、英国のボリス・ジョンソン首相が「北京五輪は事実上の外交的ボイコットになる」と宣言し、閣僚も政府関係者も派遣しないと表明した。 さらに早くから米国の姿勢を支持していたカナダも、ジャスティン・トルドー首相が外交的ボイコットを発表。各国同様に中国政府によるウイグル自治区、チベット自治区での人権侵害やジェノサイド疑惑への大きな懸念を理由とし、いかなる外交団も派遣しないとした。 4カ国ともに選手団(選手・関係者)の派遣に支障はないとしており、IOC(国際オリンピック委員会)も政治的な中立を強調し、静観の姿勢をみせている。 主要国以外でもニュージーランドが新型コロナウイルスを主な理由したものの、人権問題への懸念も含めて閣僚級の政府関係者を派遣しないことを表明。ドイツでは、まもなく発足するとされる新政権が外交的ボイコットの方針を示したとされる。 EU(欧州連合)も政府関係者の五輪式典への招待を断る決議が採択されたが、親中派の国も多く、フランスは2024年パリ五輪、イタリアは2026年ミラノ・コルティナ五輪への影響を避けたいためか、米国に追随する気配はない。ロシアはボイコットに批判的な立場をとるが、国家ぐるみのドーピング問題により国として北京五輪に出場できないことから関心が低い。 アジアでは、韓国は大統領府が「(外交的ボイコットを)検討していない」と声明を発表したが、日本政府は岸田文雄総理が自身で決断すると7日に会見で表明した以降、閣僚の派遣見送り検討の報道があったものの、具体的な動きはない。

神宮泰暁 Yasuaki Shingu