全日本フィギュア男子SPは8ヶ月ぶり圧巻演技の羽生結弦が首位発進

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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フィギュアスケートの全日本選手権は、12月24日夜、男子ショートプログラム(SP)が行われ、約8か月ぶりの実戦となった羽生結弦が堂々の首位を飾った。2位は平昌五輪銀メダルの宇野昌磨、3位は鍵山優真だった。同大会は北京五輪最終選考会を兼ねており、優勝で日本代表権を獲得する。

4月16日の世界国別対抗戦以来、252日ぶりの実戦の舞台となった全日本選手権。羽生は昨年度、5年ぶり5度目の優勝を遂げているが、今季は北京五輪代表権がかかっており、また選考条件として同大会出場が必須となったことで是が非でも出場しなくてはならなかった。

11月上旬、グランプリ(GP)シリーズのNHK杯前の練習中に右足関節靱帯(じんたい)損傷が発覚。ロシア杯(ソチ)も欠場し、全日本1本に絞って療養と練習にあてた。
23番手の宇野昌磨が冒頭の4回転フリップを含むジャンプを全て着氷させて101.88点をマークし、100点の大台に乗せたあと、24番手の羽生は上半身を青、下半身が黒の新衣装をまとい、今季新プログラムの「序奏とロンド・カプリチオーソ」ピアノバージョンの楽曲で舞った。

冒頭に4回転サルコーをしなやかに決めると、4回転―3回転の連続トーループもよどみなく仕上げた。トリプルアクセル(3回転半)は高さも出すことに成功。右の拳を突き上げたフィニッシュは情念も感じさせた。

その得点は、国際スケート連盟(ISU)非公認になるものの、スケートカナダにおけるネーサン・チェン(米国)の106.72点の今季世界最高得点を超える、111.31点だった。宇野を10点近く引き離し、この時点でSP1位発進を不動のものとした。

羽生は26日のフリーで予定する「天と地と」のプログラムにクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を組み込むことを予告している。23日の公式練習では残り10分でクワッドアクセルを3度試し、最後に片足で着氷してみせた。SP2位の宇野や3位(95.15点)鍵山優真ら成長著しい男子シングルだが、北京への切符を掴むため、まだ世界でも実戦での成功例がないクワッドアクセルで文句なしの優勝を狙う。

男子フリーは26日17時からスタート予定。全日本フィギュアのTV中継は女子シングル、男子シングルいずれもフジテレビ系列で生中継される。有料ネット配信のFODプレミアムではスタートから最後まで通しの中継となるが、BSとCSは前半のみ、地上波は後半のみ(19時〜)のリレー中継となる。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。