フィギュア団体は初の銅、高木美帆は悔しい銀、高梨沙羅は不運再び:北京五輪第4日目

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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フィギュアスケート団体日本代表チームが初の銅メダル

現地時間2月7日、北京冬季オリンピックの第4日目の各種目が行われ、フィギュアスケート団体は初の銅メダルを獲得。スピードスケートの女子1500メートルでは高木美帆が2大会連続銀メダルとなった。また、今大会からの新種目スキージャンプ混合団体では高梨沙羅がスーツ規定違反で1回目のジャンプを失格。最終的に日本は4位で終えたが、個人戦に続く不運に見舞われた。

日本フィギュアスケート、初の団体戦銅メダル

この日の最初のハイライトはフィギュアスケート団体戦の銅メダルだった。4日の男子ショートプログラム(SP)は宇野昌磨が105.46点で、111.71点で1位のネーサン・チェン(米国)に次ぐ2位。アイスダンス・リズムダンスは小松原美里/小松原尊組が7位、ペアSPは"りくりゅう"三浦璃来/木原龍一組が4位となり、6日午前の女子SPは樋口新葉が74.73点で1位(90.18点)のカミラ・ワリエワ(ROC)に次ぐ2位という結果に。日本は全体3位で後半戦に進んだ。

6日午後から始まった後半戦、男子フリーの鍵山優真が自己ベストの今季世界最高となる208.94点を叩き出し、1位に。鍵山がもたらした勢いに乗る形で三浦/木原組がペアフリーで2位に入ると、アイスダンス・フリーダンスでは小松原組が5位と伸びなかったが、女子フリーで坂本花織が2位で終え、全体3位を守りきった。日本勢として初となるフィギュアスケート団体戦での銅メダルを獲得した。

優勝はROC(ロシアオリンピック委員会)となったが、2位の米国とは勝ち点2の僅差だった。近年、4種目の総合力が上がった中、特にペアの三浦/木原組の躍進は目を見張るものがあり、初メダルに大きく貢献した。男子シングル3連覇を目指す羽生結弦もこの日、公式練習に初めて参加したが、団体戦銅メダルは日本勢の各個人戦に向けて大きな弾みをつけた。

スピードスケート高木美帆が銀メダルも悔しさ露に

スピードスケートの女子1500メートルでは、高木美帆が1分53秒72で同種目2大会連続の銀メダルを獲得。女王イレイン・ブスト(オランダ)にわずか0秒44及ばず、悲願の金を逃した。また、同種目に出場した姉の菜那は接触転倒で8位に終わり、「妹に金メダルを獲ってほしかった」と姉妹で悔しがった。女子団体パシュートでチームを組む佐藤綾乃は4位だった。

また、ショートトラック女子500メートル準々決勝でも菊池純礼が他選手に巻き込まれての転倒で敗退している。

ジャンプ混合団体は高梨の1本目失格から意地の4位

今大会からの採用となったスキージャンプ混合団体では、高梨沙羅が1回目のジャンプで103メートル。124.5点の好成績をマークしたものの、太もも回りが2cm分大きいというスーツ規定違反がとられ、まさかの失格。年々規定が厳しくなっていることからスーツ規定違反自体は珍しいものではないものの、ドイツ、オーストリア、ノルウェーからもスーツ規定違反者が続出し、計5人が失格となったことから会場環境の影響もあったのではないかという。

NHKは日本女子代表の鷲澤徹コーチの見解として、「会場は乾燥しているので体内の水分が微妙に影響したのかもしれない」と伝えた。その上で、「オリンピックなのでスーツもギリギリを攻めている。(高梨が)1回目で着ていたスーツは、個人戦と同じスーツ」であり、本人のせいではなくスタッフの計測ミスだとした。高梨は個人戦で4位という結果に精神的なダメージがあったと見る向きもあり、なおさら体重が減る傾向にあったとみられるが、極寒の中で筋肉が萎縮したことで、規定よりスーツサイズが余ってしまった可能性があるようだ。

しかし、ドイツとオーストリアに失格者が複数出たことで、2番手で佐藤幸揶が99メートル50、3番手の伊藤有希が93メートル、4番手は男子ノーマルヒル金メダルの小林陵侑が102.5メートルを飛んだ日本はぎりぎり2回目に進出。

2回目、K点越えの98.5メートルを飛んだ高梨は規定違反なしだったが、これで北京五輪の出場競技が終わったこともあり、再び泣き崩れるなどショックの色は拭えず。そんな高梨の健闘を無駄にするなとばかり、チームメイトは一丸となった。佐藤が100.5メートル、伊藤が88メートル、アンカーの小林陵侑が106メートルの大台を記録し、計点836.3点を獲得。3位カナダに8.3点届かなかったが、意地の4位でフィニッシュとなった。

小林は「2本目、沙羅もすごくいいジャンプをしていましたし、本当に強いなと。(高梨に)たくさんハグしてあげました」と語り、「ラージでもビッグジャンプを見せたいと思う」と力強く宣言した。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。