現地時間2月11日、北京冬季オリンピック第8日目、スノーボード男子ハーフパイプ決勝が行われ、2大会連続銀メダルの平野歩夢が逆転優勝を遂げて、同競技日本勢初となる悲願の金メダルを手にした。ライバルで今大会での引退を宣言していたショーン・ホワイトは4位だった。
2014年のソチ五輪、2018年の平昌五輪と銀メダルが続いていた平野は、スケートボード・パークで昨夏の東京五輪に挑戦し、日本人で史上5人目となる夏冬出場を経験した。すぐにスノーボードの競技環境に戻り、北京五輪代表の座もつかんだ。
今大会でのハーフパイプコースは、Xゲームズで使われるような、高さ7.1メートルの"スーパーパイプ"が初採用されており、ハイリスクながら高難度のエア(トリック=技)に挑みやすい構造になっている。平野は9日の予選では余力を残しながらも堂々の1位通過で決勝に進出すると、五輪では成功例がない史上最高難度といわれる、縦斜め軸3回転・横4回転の大技"トリプルコーク1440"を投入した。
1本目でいきなり五輪史上初成功を果たすが、ルーティン(技構成)後半のエアで転倒し33.75点に。2本目では「トリプルコーク1440」をしっかり決めノーミスで終えたが、オーストラリアのスコット・ジェームズの92.50点に劣る91.75点の評価に。会場からもブーイングが漏れるほどだった。
これで火がついた平野は、3本目は構成は変えずに技の高さ、完成度をあげた内容で96.00点をたたき出し、劇的な逆転優勝。同種目で日本人初の五輪金メダルとなった。
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スケートボードとの"二刀流"挑戦を経て、3度目の正直となった冬のオリンピックで、ついに悲願の金メダルを獲得した平野。過去2大会でその夢を阻止してきたのが、今大会での引退を宣言しているショーン・ホワイトだった。ホワイト自身は4位となったが、優勝を果たした平野の頭を誇らしげになで、祝福の言葉をかけていた。
スノーボードをアクティビティから競技に押し上げたレジェンドは、「ここに来られたことに感謝している。メダリストたちのことを誇りに思う。とにかくアユムはすごいやつだよ」と労った。
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競技直後は涙ぐんだように見えた平野だが、インタビューを受ける頃には強心臓を伺わせる、いつもの飄々とした表情で「小さい頃の夢がひとつかなった」と語り、9位だった弟・海祝とともに五輪の舞台に立てたことは「お互いにとって良かった」と笑った。2本目の得点に納得がいかない怒りがあったことも明かし、それを経て「やりたかったことを最後の最後で出し切れた。何か刺激になって貰えれば、それ以上はない」と語った。
ほか日本勢では、戸塚優斗は10位、平野流佳は12位だった。
【#平野海祝 選手 インタビュー】
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「次は兄ちゃんと2人でメダルを」#スノーボード
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