アメリカ最大の脅威は? 日本は何位? 米国以外の出場国ランキング

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

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パリオリンピック2024で男子バスケットボールのアメリカ代表は5大会連続の金メダルを目指す。だが、容易な道のりにはならないだろう。

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大会前の強化試合で5戦全勝だったアメリカだが、何度も試される場面があった。カナダ、オーストラリア、セルビアにはより納得の勝利を収めたが、南スーダン戦やドイツ戦では39歳レブロン・ジェームズの終盤の英雄的な活躍が必要だった。

オリンピックでアメリカが何度か試されるのは確かだろう。ギリシャのヤニス・アデトクンボ、カナダのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー、セルビアのニコラ・ヨキッチと、オールNBAファーストチーム選出のタレントたちを含め、その他の出場国11チームにNBA選手がいるからだ。

そして個のタレントだけではない。オリンピックの舞台には、長年ともに過ごして慣れ親しんできたチームたちもいる。一方、アメリカは7月6日(日本時間7日)からトレーニングキャンプだった。

そういった様子も考慮した上で、パリオリンピック2024においてアメリカの最大の脅威となるのはどのチームか。ここでは、その他のチームをランキング化する。

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パリオリンピックでアメリカ最大の脅威となるのは?

Shai Gilgeous-Alexander Canada 07192024
(NBA Getty Images)

1. カナダ

FIBA世界ランク:7

現NBA選手:10

ロスターにNBA選手が10名。カナダはNBA級のタレントの多さでアメリカに次ぐ2番手だ。そしてそれ以上に、カナダは才能ある選手たちでまとまりのあるロスターを築いた。

昨年のワールドカップでは、ディロン・ブルックスがカナダのアメリカ撃破に貢献した。ギルジャス・アレクサンダーを筆頭に、カナダのロスターには大舞台で活躍できる選手たちがそろっている。

カナダの弱点はインサイドだ。しかし、ペリメーターのスコアラーやディフェンダーは少なくない。アメリカに食らいついていく重要な鍵だ。NBA選手が10名という層の厚さを誇るカナダだけに、アメリカを追う上でまたとない好機となる。

2. ドイツ

FIBA世界ランク:3

現NBA選手:4

2023年のワールドカップやオリンピック前の強化試合で示したように、ドイツはアメリカを倒せるチームとなる条件を満たしている。

胸に「Deutschland」の文字がある時のデニス・シュルーダーは、違うタイプの選手に変貌する。アメリカのガード陣にとっても手ごわい相手となるのだ。また、フランツ・バグナーという新星がおり、ダニエル・タイスはアメリカのビッグマンたちとのインサイド勝負に慣れている。

彼ら3人に加え、モリッツ・バグナーは絶えずハッスルプレイを見せ、アンドレアス・オブストはオープンなショットを外さない。ドイツはとても団結したユニットで、よく整備された機械のように、アメリカに試合をさせないようにすることができる。

Victor Wembanyama
(NBAE via Getty Images)

3. フランス

FIBA世界ランク:9

現NBA選手:4

NBA年間最優秀守備選手賞を受賞したルディ・ゴベアと、新人王に輝いたビクター・ウェンバンヤマを擁するフランスは、大きな注目を集めている。だが、彼らにすべてを賭けるのは難しい。

フロントコートの存在感だけでも、ピックアップしないわけにはいかない。だが、ペリメーターではいくつかの疑問があるのだ。フランク・ニリキナは2019年のワールドカップで見せたころのように戻れるのだろうか。ビラル・クリバリーは国際舞台で活躍できるのか。ニコラ・バトゥームとエバン・フォーニエにはまだ力が残っているのだろうか。

それらの答えが「イエス」であれば、東京オリンピックでアメリカを倒したフランスは、アメリカの王朝継続を阻む存在となるかもしれない。

4. オーストラリア

FIBA世界ランク:5

現NBA選手:9

オーストラリアもペリメーターが素晴らしいチームだ。パティ・ミルズからバトンを受け取ると見られるのが、ジョシュ・ギディー。ダイソン・ダニエルズ、ダンテ・エクサム、ジョシュ・グリーンといったNBAレベルのガード陣をけん引する。

また、これが最後というジョー・イングルズも、コートに立てばチームのために十分にやれる選手だ。オーストラリアがどこまでいけるかは、ジョック・ランデール、ウィル・マグネイ、ドゥオップ・リースといったビッグマンたちがどれほどやれるか次第だろう。

5. スペイン

FIBA世界ランク:2

現NBA選手:2

スペインは世界予選を勝ち抜いての大会出場となった。だがそれでも、彼らを軽んじることはできない。

ビッグネームは、メンフィス・グリズリーズのサンティ・アルダマだ。だが、スペインはコートに立つたびに、その全体的な強さを見せる。元GリーグMVPのロレンゾ・ブラウンからエルナンゴメス兄弟、そしてベテランのルディ・フェルナンデスと、高いレベルでまとまりがある。

6. セルビア

FIBA世界ランク:4

現NBA選手:4

スターはNBAでMVP受賞3回のヨキッチだ。だが、セルビアのロスターにはアトランタ・ホークスのボグダン・ボグダノビッチやシャーロット・ホーネッツのバシリイェ・ミチッチもいる。足首のケガのため、マイアミ・ヒートのニコラ・ヨビッチが出場できるかは不透明。これがセルビアの上限に影響するかもしれない。

セルビアは堅実なチームだ。ただ、ボグダノビッチとヨビッチ不在だったものの、アメリカとの強化試合での負け方から、大きな脅威ではないと見られる。

Giannis Antetokounmpo Greece
(Getty Images)

7. ギリシャ

FIBA世界ランク:14

現NBA選手:1

NBA選手はアデトクンボしかいない。だが、ギリシャはMVP受賞2回の彼だけではないチームだ。

けん引するのはアデトクンボだが、ギリシャはニック・カレイテス、トーマス・ウォーカップ、コンスタンティノス・ミトグルウ、コスタス・パパニコラウがフロントコートの層に厚みをもたせる。それでも、強化試合でいくつか欠点も見せており、アメリカを脅かすとは考えにくい。

8. ブラジル

FIBA世界ランク:12

現NBA選手:1

ブラジルも強い代表チームだ。サイズ、タレント、層の厚さがある。だが、アメリカに食らいついていけるほどの特徴ではない。それ以外のチームのいくつかと渡り合うが、ここまでのチームのトップ選手たちほどのスターはいない。

9. 南スーダン

FIBA世界ランク:33

現NBA選手:0

ロンドンでの強化試合が示したように、南スーダンはアメリカを恐れていない。うまくいく日なら、渡り合える。それでも、彼らによる目覚ましコールで、アメリカは違うバージョンになると考えられる。

Yuta Watanabe, Rui Hachimura
(FIBA)

10. 日本

FIBA世界ランク:26

現NBA選手:2(渡邊雄太含む)

八村塁と渡邊雄太がNBAレベルで大きく貢献し、さらに日本には富永啓生のようにほかにもしびれるような選手たちがいる。しかし、アメリカを倒せるだけの力を持つチームではない。

11. プエルトリコ

FIBA世界ランク:16

現NBA選手:1

ホセ・アルバラードとトレモント・ウォーターズはエキサイティングだ。しかし、アメリカを倒すチャンスがサイズで下回るガード次第というのは厳しい。ドリュー・ホリデーとデリック・ホワイトの守備は、乗り越えられない壁として立ちはだかる。

原文:USA's biggest Olympic threats, ranked: How Canada, France, Greece can prevent U.S. men's basketball gold medal(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Gilbert McGregor

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Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。