全日本フィギュア女子は坂本花織が優勝、2度目の五輪出場が内定

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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フィギュアスケートの全日本選手権(埼玉県・さいたまスーパーアリーナ)は、12月25日夜、女子シングルのフリースケーティング(フリー)が行われ、最終盤までもつれる混戦を坂本花織が制し、北京五輪代表に内定した。残り2枠の選考に優位となる2位は樋口新葉、3位は河辺愛菜だった。

24日のショートプログラム(SP)では、1位の坂本が79.23点でトップを走るなか、74.66点で2位の樋口以下は、6位の松生理乃までわずか2.35点差となり、北京への切符をめぐって大混戦模様となっていた。

加点の大きいフリーでどこまで差を出せるかだったが、冒頭の4回転トーループを転倒した住吉りをんはフリー121.77点、合計は189.16点。渡辺倫果はトリプルアクセルを決めて134.08点で合計199.15点でスコアを伸ばしたように、やはりジャンプの完成度がものをいう面は大きい。SP6位の松生は冒頭の3回転ルッツ、3回転フリップでの転倒が響き126.46点、合計198.77点で大きく伸ばすことができなかった。

ほかのSP上位陣が宮原知子が132.75点で合計206.51点、三原舞依が133.20点で合計206.86点、河辺愛菜が135.38点で合計209.65点で競り合うなか、残り2人目、SP2位の樋口が3回転ルッツからの3回転トーループを決めて147.12点を挙げ、シーズンベストとなる合計221.78点で表彰台を確定させた。

そしてSP1位の坂本は3回転ルッツを始めとする各ジャンプをきれいに着氷させ、リスクの高いダブルアクセル〜3回転トーループ〜2回転トーループの3連続ジャンプにも成功。最後の3回転ループまで完成度の高さで圧倒。ジャンプだけでなく演技構成点で差をつけての154.83点で合計234.06点となり、見事な安定感で3年ぶり2度目の優勝を果たした。

新たな"日本女子フィギュアの顔"となった21歳の坂本は、これで平昌五輪に続く2度目の五輪出場が内定。17歳での初五輪は6位。「4年後はSPもフリーもパーフェクトにしたい」とリベンジを誓っていた。そんな4年間の成長を見せつける全日本制覇だった。

残る2枠は今大会の2位と3位、国際連盟今季ベストスコア上位者、世界ランク上位3人などの条件をもとに選出する。今季実績など踏まえると樋口が第2枠を掴む可能性が高いが、第3枠に関しては今大会3位の河辺だけでなく、平昌五輪4位の宮原や、今季世界ランク上位の三原なども可能性を残す。

また、同日にはアイスダンスのフリーダンス(FD)も行われ、23日のリズムダンス(RD)で1位だった小松原美里、小松原尊ペアが4連覇に成功。"かなだい"こと村元哉中、高橋大輔ペアがFD1位となったものの、RDのスコア差で、小松原ペアが1.86点差で逃げ切った。

北京五輪アイスダンスの日本代表枠は1つのみ。両ペアは実績的にも僅差となっており、選考は難航することが予想される。26日の全競技終了後に発表される見込み。
明日26日は、ペアのフリーが15時半から、男子フリーが17時からスタート予定だ。

全日本フィギュアのTV中継はフジテレビ系列で生中継される。男子シングルは有料ネット配信のFODプレミアムではスタートから最後まで通しの中継となるが、BSとCSは前半のみ、地上波は後半のみ(19時〜)のリレー中継となる。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。