2013年、ジョエル・エンビードはカンザス大学の赤・白・青のジャージーを纏っていた。2014年以降は、フィラデルフィア・76ersで同じ色のジャージーを着ている。
2024年、エンビードはやはり赤・白・青のジャージーを纏う。アメリカ代表の一員として、パリオリンピック2024に臨むのだ。
エンビードがFIBAの大会に出場するのは初めてのことだ。注目なのは、アメリカ代表として出場すると選んだことである。
ここでは、エンビードが5大会連続の金メダルを目指すアメリカ代表を選んだ決断についてまとめる。
なぜジョエル・エンビードはアメリカ代表なのか?
エンビードはフランスや母国カメルーンではなく、アメリカの代表として出場することを選んだ。
10月にエンビードはX(旧ツイッター)で決断を説明している。
I’m really proud and excited about this decision. It was not easy. I am blessed to call Cameroon, France, and the USA home. After talking to my family, I knew it had to be Team USA. I want to play with my brothers in the league. I want to play for my fans because they’ve been incredible since the day I came here. But most of all, I want to honor my son who was born in the US. I want my boy to know I played my first Olympics for him.
2022年9月にアメリカ市民となったエンビードは、「僕は長くここにいる」と話した。
「息子はアメリカ人だ。自分はここに住んでいて、アメリカ人であることはありがたいと感じた。だから思ったんだ。どうしてダメなんだ、とね」
フランス代表のボリス・ディアウGMは、『The Athletic』に対し、以前エンビードからフランス代表でのプレイを望んでいると伝えられたと話している。エンビードがフランスではなくアメリカの代表を選んだことは、多くの人々を怒らせた。そのひとり、元フランス代表のフレデリック・ワイスは、エンビードのフランス国籍をはく奪し、フランス入国を禁じたいとまで話している。
また、カメルーンバスケットボール連盟の関係者も、『BBC Sport Africa』に対し、多くのカメルーン人がエンビードの決断に立腹していると述べた。
エンビードはNBAで平均27.9得点、11.2リバウンドを記録しており、MVPを受賞した選手だ。フランスもカメルーンもエンビードがチームに加わることを願っていたのも不思議ではない。
ジョエル・エンビードはどこの出身か?
エンビードは1994年3月16日にカメルーンのヤウンデで生まれた。16歳の時にアメリカに移住し、フロリダ州の2つの高校に通い、同州ゲインズビルのロックスクールを卒業。その後カンザス大でプレイした。
現在エンビードは30歳で、人生の半分近くをアメリカで過ごしている。
エンビードのスポークスマンは、選手がフランスのパスポートを求めたのではなく、フランス当局が独自に進めたことだと述べている。
ディアウは「政府から『この男がいるのは良いことか? フランスに何かをもたらせるか? 国のために何かをもたらせるのか? 国のためになるか?』と聞かれた時に、我々はイエスと答えた」と話している。
「そうやって彼は(国籍を)得たんだ」
原文:Why is Joel Embiid on Team USA? Explaining 76ers star's eligibility for U.S. men's team roster in Paris Olympics(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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