夏季五輪4大会に出場した女子長距離の福士加代子が、来年1月の全国都道府県対抗女子駅伝(16日、京都)と、大阪ハーフマラソン(30日、大阪)を区切りに第一線から退くことを所属するワコールがチーム公式サイトを通じて発表した。
現在39歳の福士は、青森県の五所川原工業高等学校で陸上競技に出会い、長距離種目で才能を開花。2000年のワコール入社を機に駅伝種目で頭角をあらわすと、5000メートル、10000メートルでも好成績を収め、2002年の日本選手権で両種目を制覇し、日本代表級選手に急成長した。2004年のアテネ五輪には10000メートルで出場すると、その後も2008年北京大会、2012年ロンドン大会では5000メートルと10000メートルに出場。「トラックの女王」として注目を集めるなか、フルマラソンにも挑戦し、2016年リオ大会ではマラソンに出場した。
2021年開催に延期された東京五輪の女子マラソン出場を目指し続けたが、代表選考大会のMGCでは7位となり及ばず。得意とするトラック競技での代表権獲得を模索するも、2021年5月の日本選手権10000メートルで19位に終わり、5大会連続五輪出場を断念した。
6月の時点では現役続行の意向を示していたが、来年1月16日の全国都道府県対抗女子駅伝と、同30日の大阪ハーフマラソンをもって第一線から退く。
【#福士加代子 よりお知らせ】
— ワコール女子陸上競技部 (@wacoalsparkang1) December 22, 2021
2022年1月16日(日)皇后盃 第40回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会と1月30日(日)2022大阪ハーフマラソンの2レースを最後に第一線を退く事をここにご報告いたします。#福士加代子 のコメントはこちら https://t.co/HMVhzd07Vy#スパークエンジェルス pic.twitter.com/1FTOr1oP9T
所属するワコール女子陸上部のチームブログに、直筆のメッセージで「ワコール陸上部員として22年間、私は、走ることに夢中でしたっ!たくさんの人との出会いのおかげで毎日刺激をもらい、いっぱい泣いて、いっぱい笑って、いっぱい叫んで…。毎日いろいろありすぎておもしろい競技生活でした!」とつづった。
レース内外でのエキセントリックな言動でも知られた福士だが、ワコールの永山忠幸監督はそんな個性を殺さずに育て上げた。2000年にワコール監督に就任した永山氏がその年、自らスカウトしたのが福士だった。
支えてくれた人々への感謝を述べると、「あと2つのレースを今までと変わらず全力で楽しんで走りたいと思いますので、福士加代子をまた応援してください」と意気込みを添えた。全国女子駅伝は2001年の初出場以来、計9度出場。2014年大会以来、8年ぶりの出場となる。
事実上の引退となるが、ワコール女子陸上部は退部せず、同部での活動を続けるという。