ラグビーのルールは実は簡単! 4つの原則と基礎知識だけで楽しめる!

Author Photo
ラグビーのルール

ラグビー史上初となる日本でのワールドカップ開催。日本代表選手の活躍もさることながら、ラグビー自体の面白さと熱さに興味をひかれた方も多いのではないだろうか。基本ルールを知っておくと、さらにラグビー観戦が楽しくなる。初心者でも分かりやすく原則とルールをまとめたので、ぜひ参考にしてもらいたい。

【目次】

  1. ラグビールールの4つの原則・5つの基礎知識
  2. ①ラグビーの試合形式
  3. ②ポジション
  4. ③セットプレー
  5. ④モールとラック|スクラムとの違い
  6. ⑤ラグビーの反則
  7. ラグビーのルールは4つの原則から覚えよう!

▶スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

ラグビールールの4つの原則

ラグビーの原則

ラグビーのルールを説明する前に、大前提となる4つの原則を紹介する。以下の原則が守られていないときは「反則」と判断され、レフリーによって試合が中断されることがある。

ラグビールールの4つの原則

  1. 危険なプレーはしないこと
  2. 常に、ボールを奪い合う状況を作っていること
  3. 常に、立った状態でプレーをすること
  4. ボール(ボールを持っている人)が先頭にあるようにすること

1.危険なプレーはしないこと

陣地があるとはいえ、ラグビーは相手方と味方が接触してプレーをするため危険がつきまとう。ジャンプをしているときや無防備な状態のときにタックルを受けたり、首や腕などの細い部分を狙って攻撃したりすることは危険なプレーとみなされ、反則のジャッジが下りる。

2.常にボールを奪い合う状況を作っていること

ラグビーはフェア精神に則っておこなうスポーツのため、常に両チームがボールを奪える状態にしておかなくてはいけない。ボールを隠したり抱え込んだりすることは、相手側にボールを奪わせないアンフェアな行為とみなされる。

3.常に立った状態でプレーをすること

ラグビーは接近戦のため、タックルを受けて地面に倒れることもある。しかし、原則として、寝転がった状態ではプレーをしてはいけない。つまり、寝転がったままボールを奪ったりボールを投げたりすることは、反則行為となる。

4.ボールが先頭にあるようにすること

ラグビーは、ボールを持っている選手が、自チームの15人の先頭にいなければならない。たとえば、ボールを持った人が自分の体よりも前にボールを投げたり落としたりすることは禁じられている。

ラグビールールの5つの基礎知識

ラグビーのルールは、これら4つの原則の上になりたっている。そして、そのルールを構成している基礎知識は以下の5つだ。

ラグビーのルールを構成する5つのポイント

  • 試合形式
  • ポジション
  • セットプレー
  • モールとラック
  • 反則

次の項から、5つのポイントを深堀りして紹介する。

①ラグビーの試合形式ルール

ラグビーの試合形式

まずは、ラグビーの試合形式について見ていこう。基本中の基本として、試合の人数と試合時間、得点の入り方、フィールドの広さを紹介する。

1チームの人数

ラグビーは日本で最も知られている15人制(ユニオン)だけでなく、さまざまな人数でプレーができる競技である。1チーム7人制(セブンス、オリンピックで競技化)や13人制(リーグ、プロが中心)などの形式もある。今回開催されるワールドカップを始め、多くの国際大会が行われているのは15人制である。

15人制では、8人まで交代要員として登録できる。つまり、1つの試合において、最大23人の選手を登録することができるのだ。なお、通常は一度交代した選手は再度同じ試合に出場することができないが、すべての交代要員を使い切った後にフィールド上の選手が流血したときは、止血できるまで一度交代した選手を出場させることができる。

試合時間

ラグビーは前半40分、10分のハーフタイムをはさんで後半40分で試合がおこなわれる。ただし、前半・後半それぞれに5分以内のロスタイムが加算されるため、試合の時間はほぼ90分になる。

得点の入り方

ラグビーでは、得点は「トライ」と「キック」の2つの得点方法がある。トライとは相手チームのインゴール(ゴールラインからデッドラインの間のエリア)にボールを着地させるプレーで、キックとは蹴ったボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを越えることを意味する。なお、トライは常に5点としてカウントされるが、キックは状況によって2~3点と得点にばらつきがある。

得点の種類は4つ

①トライ :5点。相手チームのインゴールにボールを着地させることで成立する。

②コンバージョンゴール :2点。トライ成立後のコンバージョンキックによって、ボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを越えると得点が成立する。蹴る地点はトライした地点によって決まる。

③ペナルティゴール :3点。反則行為を受けた際にその地点からキックをおこない、ボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを越えると得点が成立する。

④ドロップゴール :3点。試合中に地面にワンバウンドしたボールを蹴り、ボールが相手チームのゴールポスト(クロスバー)を超えると得点が成立する。

なお、レフリーが「攻め込まれたチームの反則がなければトライが成立していた」と判断したときには、攻め込んだチームにトライが認められる。これを「認定トライ」と呼び、通常のトライ成立時とは異なりコンバージョンキックは行われずに、自動的に2点が追加される。通常のトライは、キックが失敗して5点のケースもあるが、認定トライは7点が入る。

フィールドの広さ

ラグビーのフィールドの広さは、厳密には決まっていない。15人制ラグビーでは、自陣のゴールラインから相手チームのゴールラインまでの距離が94~100メートル、ゴールラインからデッドラインまでの距離(インゴールの奥行)は6~22メートル、フィールドの幅は68~70メートルである。

一方、ゴールポストについては、左右のポストの間は5.6メートル、地面からクロスバーまでの高さは3メートルと正確に定められている。ただし、ゴールポスト自体の高さは3.4メートル以上であれば問題はない。

②ポジションのルール

ラグビーのポジション

15人制ラグビーは、ポジションは8人のフォワード(FW)と7人のバックス(BK)に分かれている。フォワードは最前列から順にフロントロー・セカンドロー・バックローの3列に分かれ、バックスはハーフバックス・スリークォーターバックス・フルバックの3列に分かれている。スクラムを組むのがフォワードである。

フォワードのポジション

フロントロー

・プロップ

⇛敵陣に面した最前線に陣取る。左プロップは背番号1、右プロップは背番号3

・フッカー

⇛スクラムで最前列の中央に位置する。背番号は2

セカンドロー

・ロック

⇛スクラムでフロントローを後ろから固める役割。通常、長身の選手が務める。ラインアウトなどではジャンパーとしても活躍。左ロックは背番号4、右ロックは背番号5

バックロー

・フランカー

⇛片肩だけでスクラムを組み、常に走れる状態でボールを追う。左フランカーは背番号6、右フランカーは背番号7

・ナンバーエイト

⇛フォワード全体に指示を出すため、リーダーとしての役割を果たす。海外ではエイトマンと呼ばれることが一般的。背番号は8

バックスのポジション

ハーフバックス

・スクラムハーフ

⇛スクラムを組んだときはボールを投げ入れる役割。常にボールと共に移動するため、俊敏さが求められる。背番号は9

・スタンドオフ

⇛攻撃の流れを作る司令塔的役割。フライハーフとも呼ばれる。背番号は10

スリークォーターバックス

・ウイング

⇛もっとも走行距離が多くなりがちなポジション。左ウイングの背番号は11、右ウイングは14

・センター

⇛相手側とぶつかり合いが多いポジション。左センターの背番号は12、右センターは13

フルバック

⇛チーム全体を背後から支える。ボールが来たときには飛距離の長い正確なキックが求められる。背番号は15

③セットプレーのルール

ラグビーのセットプレー

ラグビーの試合を再開させる方法をセットプレーと言い、スクラムとラインアウトの2つの方法がある。スクラムは、フォワードの8人が相手側のフォワード8人と組んでボールの流れを決めること。ラインアウトは各チーム1列に並んでボールを取り合うこと。なお、ラインアウトの最大構成人数は、ボールを保有しているチームが決めることができる。

④モールとラックのルール|スクラムとの違い

ラグビーのモール・ラック

モールとは、地面についていないボールを両チームで取り合う行為のこと。すでに形成されたモールに参加するときは、かならず最後尾からバインドしなくてはいけない。また、頭と肩を腰よりも高い位置に保ち、モールを故意に崩さないように注意する必要がある。

ラックとは、地面にあるボールを両チームで取り合う行為のこと。選手は立ったままの状態でボールに覆いかぶさり、頭と肩を腰よりも低くしない姿勢を維持する。ラックが形成されたときは、いずれの選手もボールを手で扱ってはいけない。

一方、スクラムは反則などによりプレーが中断した際、試合を再開するために組まれる陣形・再開方法のことを言う。 モール・ラックが継続中のプレーでのルーズボール(どちらのボールでもない状態)を奪い合うためのプレー であるのに対し、 スクラムは中断されている試合を再開するための方法 だという違いがある。

⑤ラグビーの反則

ラグビーの反則

主な反則行為とペナルティは以下の通りである。なお、ペナルティはいずれも相手ボールでおこなわれる。

反則行為の名前 詳細 ペナルティ
アーリーエンゲージ レフリーの合図の前にスクラムを組んだ フリーキック
オーバータイム ボールを投入できるときに投入しなかった フリーキック
オーバーザトップ 故意に相手側に倒れこんだ ペナルティキック
オフサイド 1)ボールを持った味方より前方にいる選手が、その位置からプレーに参加した(いったん、後方に下がらなければならない)。
2)スクラム、ラック、モール、ラインアウトなど、そのプレーごとに決められたオフサイドラインより前方にいる選手が、後方に下がることなくプレーに参加した。 
ペナルティキック
オフザゲート タックル地点に横から参加した ペナルティキック
ハイタックル 相手の肩より上にタックルをした ペナルティキック
スローフォワード  ボールを前方に投げた スクラム
ノックオン ボールを前に落とした スクラム

ノットストレート

(ラインアウト)

ボールを真っ直ぐに投げ入れなかった スクラムかラインアウトの選択

ノットストレート

(スクラム)

ボールをまっすぐ投入しなかった ペナルティキック
ノーボールタックル ボールを持っていない選手へタックルした ペナルティキック
コラプシング 密集を故意に潰した ペナルティキック
ノットリリースザボール タックルされて倒れた選手がボールを放さない フリーキック
ノットロールアウェイ タックルした選手がその場に倒れたままだった フリーキック
オーバーザトップ 密集で故意に相手側に倒れこんでボールが出るのを妨げた ペナルティキック
     

ラグビーのルールは4つの原則と5つの基礎知識を覚えよう!

ラグビーは4つの原則と5つの基礎知識さえ覚えておけば、ゲームのほとんどを理解できる。原則に反したときにはペナルティが課せられ、相手ボールでフリーキックやペナルティキックなどがおこなわれる。基本を押さえて、次の試合観戦に活かしてほしい。

関連記事

▶スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

著者
Sporting News Japan Staff Photo

日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。