ラグビーのポジションと役割を初心者でもわかりやすく解説!

Sporting News Japan Staff

及川卓磨 Takuma Oikawa

小座野容斉 Yosei Kozano

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4年前の2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップを機にラグビー観戦にハマってしまった方も多いのではないだろうか。この記事では、ラグビーのポジションの役割について解説する。記事を読み終える頃には、以下のような状態になっているはずだ。

  • ラグビーのポジション名をすべて覚えられる。
  • ポジションごとの役割が理解できる。
  • 試合中に誰が何をしているのかわかる。

ラグビー観戦をもっと楽しみたい人はぜひ読んでおこう。

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【目次】

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🏉ラグビーのポジションと役割の概要

ラグビーのポジション

ラグビーチームを構成する15人は、それぞれポジションが決まっている。ポジションは「フォワード」(FW)と「バックス」(BK)の2つに大別され、ポジションに応じて背番号も決まっている。

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フォワード(FW)とは?

フォワードとは前面に構える8人のこと。ハーフウェイラインから22メートルラインまでにそれぞれのポジションがあり、スクラムはこの8人が組む。主な仕事はボールを奪うこと。相手のフォワードとスクラムを組んで、あるいはラインアウトで、ボール争奪戦を繰り広げるだけでなく、モール、ラックでもボール確保に尽力する。なお、力でボールを確保するため、大型の選手が多い。

フォワード(FW)の特徴

  • 中央線(ハーフウェイライン)寄りに陣取る
  • 8人で構成
  • スクラムを組む
  • 大型の選手が多い

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バックス(BK)とは?

バックスとは後面に構える7人のこと。22メートルラインからゴールラインまでにそれぞれのポジションがある。力でボールを奪うフォワードとは異なり、バックスは俊敏さを武器にしてボールを確保する。ボールを確保したら、走る・蹴る・つなぐを繰り返し、得点へと結びつける。なお、機動力を武器にする選手が多く、フォワードと比べると細身であることが多い。

バックス(BK)の特徴

  • ゴールライン寄りに陣取る
  • 7人で構成
  • 機動力に優れ、得点に結びつける
  • 細身の選手が多い

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🏉フォワードのポジション別解説

ラグビー日本代表のフォワード

では、フォワードのそれぞれのポジションを詳しく見ていこう。フォワードはハーフウェイラインから近い順に「フロントロー」と「セカンドロー」、「バックロー」の3つに分けられる。フロントローはプロップ(PR)の2人とフッカー(HO)の1人、セカンドローはロック(LO)の2人、バックローはフランカー(FL)の2人とナンバーエイト(NO8)の1人からなる。

ポジションのくくり ポジション位置 ポジション名
フロントロー 最もハーフウェイライン寄り プロップ(左プロップ:背番号1/右プロップ:背番号3)
フッカー(背番号2)
セカンドロー フォワードの中で中央部分 ロック(左ロック:背番号4/右ロック:背番号5)
バックロー 最も22メートルライン寄り フランカー(左フランカー:背番号6/右フランカー:背番号7)
ナンバーエイト(背番号8)

フロントロー

ラグビーのフォワード

フロントローは、プロップの2人とフッカーの1人で構成される。フッカーをセンターとして、プロップの2人が両脇やや後ろを固めるように陣取るのが基本形となる。スクラムを組むときはフッカーが両脇にプロップを抱えるように位置するため、いずれもがっしりとした骨太の体型であることが望ましい。

フッカーとはもともと『足でひっかける人』という意味。スクラムを組んだときも単に力で相手を押すのではなく、ボールを足でひっかけて後ろに送る器用さも必要とされる。

ラグビーワールドカップ2023日本代表のフロントロー

  • プロップ(PR):稲垣啓太、クレイグ・ミラー、シオネ・ハラシリ、具智元、垣永真之介、ヴァル アサエリ愛
  • フッカー(HO):堀江翔太、坂手淳史、堀越康介

セカンドロー

Warner Dearns Rugby Japan
(EPA/Jiji Press)

フォワードの中央部分に位置するのがロックだ。左ロックはスクラムを組むときには左プロップとフッカーの間を後ろから固め、右ロックはフッカーと右プロップの間を後ろから固める。ラインアウトではジャンパーとしても活躍するため、長身かつがっしりとした選手であることが多い。

ラグビーワールドカップ2023日本代表のセカンドロー

  • ロック(LO):サウマキ アマナキ、ワーナー・ディアンズ、ジャック・コーネルセン(兼FL)、アマト・ファカタヴァ(兼FL)

バックロー

ラグビー日本代表の姫野和樹

フランカーはスクラムを組むときは片方の肩だけを組んでいるため、ボールの動きに合わせていつでもスクラムから離れて走ることができる。そのため、足の速い選手がフランカーになることが多い。また、攻撃時も守備時もボールに絡むポジションのため、移動量と運動量が多いことも特徴だ。

ナンバーエイトは、海外では『エイトマン』と呼ばれることが一般的。フォワードの最後尾に構え、フォワード全体に指示を送る。ラインアウトではジャンパーとして活躍したり、攻撃時には中心的な役割を果たしたりすることも多いため、走攻守に優れたバランスの取れた選手がなる。なお、指示を与えるポジション的役割から、チームリーダーに任命されることも多い。

ラグビーワールドカップ2023日本代表選手バックロー

  • フランカー(FL)・NO8:姫野和樹、ベン・ガンター、下川甲嗣、福井翔大、ピーター・ラブスカフニ、リーチ マイケル

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🏉バックスのポジション別解説

Rikiya Matsuda Rugby Japan
(AFP/Jiji Press)

バックスは、22メートルラインから近い順に「ハーフバックス」と「スリークォーターバックス」、「フルバック」の3つに分けられる。ハーフバックスはスクラムハーフ(SH)の1人とスタンドオフ(SO)の1人、スリークォーターバックスはウイング(WTB)の2人とセンター(CTB)の2人、フルバック(FB)は1人からなる。

ポジションのくくり ポジション位置 ポジション名
ハーフバックス 最も22メートルライン寄り スクラムハーフ(背番号9)
スタンドオフ(背番号10)
スリークォーターバックス バックスの中で中央部分 ウイング(左ウイング:背番号11/右ウイング:背番号14)
センター(左センター:背番号12/右センター:背番号13)
フルバック 最もゴールライン寄り フルバック(背番号15)

ハーフバックス

ラグビー日本代表の流大

スクラムハーフは、スクラムを組んだときにボールを投げ込む役割。投げ込んだボールの動きに注目してナンバーエイトのところから出し、パスやキックを繰り返してボールとともに動く。とりわけ俊敏さと的確なパス能力が求められるポジションでもある。

一方、『フライハーフ』とも呼ばれるスタンドオフは、スクラムハーフからボールを受け取り、攻撃の流れを作っていく。スタンドオフの動きによって試合の流れが変わるため、パスとキックの精度はもちろん、試合を俯瞰的に見て把握する能力も必要だ。

ラグビーワールドカップ2023日本代表のハーフバックス

  • スクラムハーフ(SH):齋藤直人、流大、福田健太
  • スタンドオフ(SO):小倉順平(兼FB)、李承信、松田力也

スリークォーターバックス

Dylan Riley Rugby Japan
(Jiji Press)

ウイングは最もスピードが求められるポジションで、走る距離が長く、スタミナも求められる。また、味方がつないだボールを持ってトライを決めることも、ウイングには求められている。

一方、同じスリークォーターバックスでも、センターは相手方とのぶつかり合いが多いポジション。タックルで攻撃を止め、ウイングがトライを決められるようにボールをつなぐ。

ラグビーワールドカップ2023日本代表のスリークォーターバックス

  • ウイング(WTB):ジョネ・ナイカブラ、シオサイア・フィフィタ、レメキ ロマノ ラヴァ
  • センター(CTB):ディラン・ライリー、長田智希、中村亮土 

フルバック

ラグビー日本代表の松島幸太朗

フルバックはその名の通り、チーム全体の背後を守るポジション。相手にゴールを決めさせないための最後の砦としての活躍が期待される。ボールが来たときは陣地奪回のためにキックをおこなうため、正確なキックコントロールが求められる。

ラグビーワールドカップ2023日本代表のフルバック

  • フルバック(FB):松島幸太朗(兼WTB)、山中亮平(兼SO)

💡ポジションの役割がわかるとラグビー観戦がもっと楽しくなる

背番号とポジションが分かると、それぞれの選手が果たす役割が見えてくる。また、役割が分かると、試合の流れがつかみやすくなる。日本代表選手の名前とともに、ぜひポジションと役割を覚えておきたい。


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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。

及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。

小座野容斉 Yosei Kozano

小座野容斉 Yosei Kozano Photo

東京都出身 早稲田大学政治経済学部卒。1989年毎日新聞に入社、写真部のカメラマンとして、春・夏の高校野球、プロ野球、ラグビーなどを撮影。デジタルメディア局に異動後は、ニュースサイト編集の傍ら、「K-1」などの格闘技、フィギュアスケート、モータースポーツも撮影してきた。アメリカンフットボールは、個人のライフワークとして、トップリーグの「Xリーグ」を中心に年間約70試合を撮影・取材。2020年2月毎日新聞を退社後は、ウェブ「アメリカンフットボール・マガジン」で約700本の記事を配信した。また、「NFLドラフト候補名鑑」出版にも携わった。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。