カンファレンス・ファイナルでの活躍が重要となるロールプレイヤーは誰?|NBAプレイオフ2024

大西玲央 Reo Onishi

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プレイオフはカンファレンス・ファイナルに入り、16チームから4チームまで絞り込まれた。もちろんそれぞれのスター選手による活躍は重要だが、勝ち上がるためにはロールプレイヤーの活躍も不可欠だ。

今回はカンファレンス・ファイナルを戦う各チームから、特に活躍することがチームの勝敗に大きく関わるロールプレイヤーを紹介する。

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デリック・ホワイト(ボストン・セルティックス)

ホームでの連勝で2勝0敗とシリーズをリードしたセルティックスは、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの2枚看板がいる。さらにドリュー・ホリデー、負傷で離脱中だがクリスタプス・ポルジンギスと、オールスター選手が名を連ねる。その中で、5人目の先発メンバーの座を担っているのがデリック・ホワイトだ。

今季のオールディフェンシブ・セカンドチームにホリデーと共に選出されるなど、そのディフェンス力の高さが魅力だ。このプレイオフ中も、マッチアップした時間帯にダリアス・ガーランドをフィールドゴール成功率46.7%、タイラー・ヒーローを同33.3%、マックス・ストゥルースを同26.7%に抑え、苦しめてきた。東決勝ではタイリース・ハリバートンを抑える重要な役割だ。

さらにプレイオフ中は3ポイント成功率45.3%を記録しており、これがセルティックスのオフェンスの強力さを高めている。テイタムとブラウンのドライブにディフェンスが寄ることでホワイトが空き、そこで3Pをきっちりと決める。ペイサーズがホワイトの3Pを警戒する結果、ゴール下やドライブレーンがより空き始め、テイタムとブラウンがさらにドライブを仕掛けやすくなるという循環がここまで多く見られている。

TJ・マコーネル(インディアナ・ペイサーズ)

タイリース・ハリバートンの控えとしてプレイするマコーネルは、このプレイオフで良い活躍を見せ続けている。ミルウォーキー・バックスとの1回戦ではシリーズ突破を決めた第6戦に20得点、9アシストと大活躍した。

そしてニューヨーク・ニックスとのカンファレンス・セミファイナルでは得点とアシストでのダブルダブルを2度記録するなど、平均11.9得点、6.0アシスト、1.1スティールとベンチの時間帯になってもペイサーズオフェンスの勢いを止めない原動力となっていた。

セルティックスとのシリーズでは、ハリバートンが第2戦で左脚を痛めて途中退場していることもあり、そのケガの度合いによってはよりマコーネルのエナジーの高い活躍がより求められることとなりそうだ。

デレック・ライブリー二世(ダラス・マーベリックス)

ルカ・ドンチッチとカイリー・アービングという2大スター選手を擁するマーベリックスだが、どのロールプレイヤーを今回ピックアップすべき最も悩んだのがこのチームだ。活躍を期待する選手が少ないのではなく、とても多いのだ。

トレード期限で獲得後にチームを一気に好転させたダニエル・ギャフォードとPJ・ワシントン、長い腕を使ったしつこいディフェンスと重要な場面で3Pを決めるデリック・ジョーンズJr.など、候補がとにかく多い。

そんな中からピックアップしたのはルーキーながらも目覚ましい活躍を見せ続けるライブリー二世だ。オフェンスでは常にロブスレット(アリウープを叩き込む脅威)としてドンチッチとアービングを助け、リバウンダーとしてもリムプロテクターとしても素晴らしい活躍を見せる。

ショートロールからのパス能力も高く、カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んでいるマーベリックスオフェンスの重要なピースとなっている。

ジェイデン・マクダニエルズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

アンソニー・エドワーズの活躍は今季のプレイオフで大きな話題となっている。それだけに、日に日に彼へのディフェンスも厳しくなっており、西準決勝でデンバー・ナゲッツが彼を激しくダブルチームしていたのも記憶に新しい。

マーベリックスはナゲッツほど露骨なダブルチームはしていないものの、常にエドワーズのドライブレーンを潰す連携の取れた動きをチーム全体で取っており、ウルブズの攻め辛さを生み出している。そこで重要となってくるのがジェイデン・マクダニエルズだ。

マクダニエルズのウィングとしての守備力の高さは折り紙付きだが、オフェンスでも活躍できるかが「我々のバロメーター」とクリス・フィンチ・ヘッドコーチも語るほどだ。第1戦では前半に5本もの3Pを決める19得点の活躍を見せリードを奪ったが、後半はフィールドゴール6本中わずか2本成功の5得点と沈黙し、試合にも敗れた。

ティンバーウルブズとしては、周りの選手たちがマーベリックスのディフェンをひきつけることで、空いたスペースにエドワーズがアタックを仕掛けるという図式を作りたい。そのためにはマクダニエルズがディフェンスだけでなく、オフェンスでもその存在感を示すことがとても重要となる。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。