イースタン・カンファレンス・ファイナルの舞台が整った。
ボストン・セルティックスはカンファレンス・セミファイナルでクリーブランド・キャバリアーズを第5戦で沈めた。一方、インディアナ・ペイサーズはマディソン・スクエア・ガーデンでの第7戦でニューヨーク・ニックスに敵地で勝利している。
セルティックスは休養期間が数日長かった恩恵を受けるだろう。ふくらはぎのケガで離脱中のクリスタプス・ポルジンギスが回復する時間になったからだ。ポルジンギスはマイアミ・ヒートとのファーストラウンド第4戦から離脱している。ペイサーズとの第1戦、第2戦も欠場見込みだ。しかし、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、「復帰に向けて楽観がある」という。
中1日で東地区決勝に臨むペイサーズは、直接ボストンに向かう予定だ。
ペイサーズがアップセットを演じるのか。それとも、セルティックスが東地区で引き続き順調に勝ち進むのか。『スポーティングニュース』がカンファレンス・ファイナルを展望する。
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セルティックス対ペイサーズの予想
セルティックスは気が抜けたように見える時がある。だがそれでも、プレイオフ最高成績の8勝2敗を収めてきた。ネットレーティング(12.8)も、勝利時の平均点差(11.4)も、 得失点差(+114)もトップの数字だ。
これまで、セルティックスは1試合で30点差、2試合で20点差、2試合で10点差以上をつけて勝利してきた。しかし、地区決勝では最も厳しい試練に臨む。
ジミー・バトラーがいなかったヒートや、ドノバン・ミッチェル不在のキャバリアーズと対戦するのと、万全の戦力でペースが速いペイサーズと対戦するのはまったく異なる。
このシリーズの焦点となるのは、タイリース・ハリバートンだ。プレイオフでは平均18.3得点、8.3アシストと、レギュラーシーズンの時のような攻撃力ではない。セルティックスとのシリーズでは、ドリュー・ホリデーとデリック・ホワイトに追い回されるだろう。それでも、ペイサーズがチャンスを手にするには、ハリバートンがアグレッシブさを保たなければならない。
ただそれでも、セルティックスはNBAファイナルに向かって一直線のように見える。
ジェイソン・テイタムは前シリーズでチーム最多の得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックを記録した。ここ40年でこれを達成した選手は、ほかにレブロン・ジェームズしかいない。テイタムは今ポストシーズンでエンジンがかかり始めたばかり。さらにホワイト、ジェイレン・ブラウンの爆発的な得点ですでに多くの助けを得てきた。
ポルジンギスがどれだけ起用できるようになるかも、このシリーズがどれだけ続くかを決める大きな要因となる。第3戦から復帰できるなら、セルティックスは第5戦でシリーズを制覇するかもしれない。ただ、彼の健康を巡る不透明さから、第6戦で勝利と予想するほうが無難だろう。
予想:第6戦でセルティックス勝利
セルティックス対ペイサーズ、2023-2024シーズンのレギュラーシーズン成績
セルティックスとペイサーズはレギュラーシーズン中に5回対戦しており、互いを非常によく知っている。2試合目はインシーズン・トーナメント1回戦での対戦だった。
シリーズはセルティックスが3勝2敗とペイサーズを上回っている。
- 2023年11月1日:セルティックス 155-104 ペイサーズ
- 2023年12月4日:ペイサーズ 122-112 セルティックス(インシーズン・トーナメント)
- 2024年1月6日:セルティックス 118-101 ペイサーズ
- 2024年1月8日:ペイサーズ 133-131 セルティックス
- 2024年1月30日:セルティックス 129-124 ペイサーズ
初顔合わせではセルティックスが155得点をあげて勝利。1試合の得点としては、球団史上2位の数字だった。
インシーズン・トーナメントの1回戦ではペイサーズが雪辱に成功。ターンオーバーなしだったハリバートンが26得点、13アシストを記録し、セルティックスを下している。
3試合目は、テイタム(38得点)とブラウン(31得点)で合計69得点をあげたセルティックスが制した。その2日後の試合でセルティックスは2点差で敗れたが、テイタムが欠場している。
そしてシーズン最後の対戦で、セルティックスはテイタムが30得点をあげて勝利を収めた。
セルティックス対ペイサーズ注目ポイント:ペイサーズの守備はセルティックスに耐えられるか?
ペイサーズがリーグのどのチームを相手にしても得点を量産できるのは周知のとおりだ。オフェンシブレーティング(120.1)はNBAプレイオフ2024トップの数字。ハリバートンがトランジションでペースを速め、相手チームのミスを狙う。自分たちのスピードに合わせようとする相手を焦らせ、良いショットを打たせない。
セルティックスは速いプレイを好まないが、それをすることはできる。常にコート上の頼れるボールハンドラーが4人いるセルティックスは、トランジションでミスマッチを生かせるのだ。同じ理由から、ハーフコートで彼らとマッチアップするのは悪夢となる。セルティックスはコート上の5人ともスペースを広げられるシューターということが少なくない。1試合平均の3ポイントショット成功14.5本はプレイオフ最多、成功率37.7%は勝ち残っているチームで最高の数字だ。
オフェンシブレーティング(118.9)がプレイオフで2位のセルティックスは、ペイサーズの最大の強みに対抗できる。では、ペイサーズは攻撃でアドバンテージを生かせない場合、守備でセルティックスの強力なスコアラーたちに耐えられるだろうか。
ペイサーズはシーズンを通じて守備が課題だった。そしてレギュラーシーズンの5試合では、セルティックスに平均129得点をあげられている。11月の対戦では155得点を許した。
ペイサーズのリック・カーライル・ヘッドコーチは、ニックスとのシリーズとは大きく異なる課題に取り組むこととなる。攻撃におけるひとりのエースを抑えるのではなく、テイタムにブラウンという得点力のある2人のウィングを抑えなければならないのだ。
その任務を負うのは、アーロン・ニスミスとパスカル・シアカムだろう。サイズもあるチーム最高のペリメーターディフェンダーたちだ。しかし、それ以外の選手たちは、セルティックスのほかのスコアラーたちを止めるのに手一杯となるだろう。
また、センターにショット力がなかったニックスとの対戦とは違い、マイルズ・ターナーもペイント内にとどまってリムを守ることができないはずだ。アル・ホーフォード、そして健康ならポルジンギスは、ターナーの守備での存在をバスケットから遠ざけるだろう。
ペイサーズが攻撃でセルティックスについていくことができるのは間違いない。だが、彼らの守備はセルティックスに4回勝てるほどだろうか。
原文:Celtics vs. Pacers prediction, odds, schedule for 2024 NBA Playoffs Eastern Conference Finals(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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