日本時間8月11日(日)、米ニューメキシコ州アルバカーキのティングリー・コロシアムにおいて、メキシコのスター、ルイス・アルベルト・ロペスがアンジェロ・レオ(アメリカ)を挑戦者に迎え、IBF世界フェザー級タイトルの防衛戦に挑む。
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この試合は日本でのライブ中継・配信は予定されていないが、BS放送WOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ〜世界プロボクシング」で、9月2日(月)夜にオンエアが予定されている。
この週末の試合に勝利し、4度目の防衛に成功すれば、ロペスには一生に一度ともいえる大一番のチャンスが舞い込むかもしれない。というのも、『リング誌』のランキングでフェザー級1位の『ベナード』(雄鹿)と、同誌パウンド・フォー・パウンド(PFP)2位にランクするスーパースター、井上尚弥とロペスの体重差はわずかに4ポンド(約1.8kg)ということもあり、両者の対戦の期待が膨らむからだ。
『モンスター』はWBC/WBO王者のスティーブン・フルトンを8ラウンドで、IBF/WBA王者のマーロン・タパレスを10ラウンドで打ち倒し、わずか2試合にしてスーパーバンタム級でアンディスピューテッド・チャンピオンまで上り詰めた。因縁深い『悪童』ルイス・ネリも仕留めた井上の次戦は、9月3日(火)のTJ・ドヘニー戦が予定されているが、大局的には、すでにスーパーバンタム級で井上の前に立ちはだかる選手は底をついているのが実情だ。
そこでここでは、名門『The Ring』誌の元編集人で本誌格闘技部門副編集長のトム・グレイが、にわかに期待されるロペスvs井上戦の可能性について考察する。
ルイス・アルベルト・ロペスは井上尚弥と相まみえるのか?
ジョシュ・ワーリントン(イングランド)からタイトルを奪い、マイケル・コンラン(アイルランド)、ジョエト・ゴンザレス(アメリカ)、阿部麗也を相手に迎えた防衛戦で勝利を積み重ねてきたロペスは、現在のフェザー級で世界屈指のファイターと言っていいだろう。
タフなプレッシャーファイターであるIBF王者のロペスは、今まさに全盛期を迎えている。プロデビュー以来32戦を戦って喫した2敗はいずれも判定負けのみで、対戦相手にとっては非常にタフで手強い選手。井上がロペスを相手に致命的なダメージを与えられるかは見ものとなりそうだ。
両者ともにプロモーターはトップランク社で、ESPNが放映権を持っていることを考えれば(井上尚弥の場合、日本でのプロモート権は所属する大橋ジムが持つ)、マッチアップはしやすいはずで、実現すれば年間最高試合の候補にも上がるだろう期待大のビッグマッチだ。
一方、井上はといえば、すでにPFPランキングでトップ3につけ、オレクサンドル・ウシクとテレンス・クロフォードとの間で王位を争っているが、まだ先を見据えており、フェザー級転向の可能性は充分にある。3階級でのアンディスピューテッド・チャンピオンという称号は井上にとっても魅力的なはずだ。
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ルイス・アルベルト・ロペスは井上尚弥を倒せるか?
ロペスは、パンチのタイミング、バリエーションに優れた素晴らしいボクサーだ。KO率は57%と高くはないが、パンチ力も見劣りするものではない。コンラン戦でのKO劇は力強かったし、阿部には初のTKO負けという屈辱を味あわせた。そのパワーと強さは井上にとっても厄介となるに違いない。
しかしながら、ボクシングというスポーツにはレベルがある。井上のレベルは明らかにロペスを上回っている。ロペスの体格は井上とほぼ同様で、身長185cmのWBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサのようなフィジカルアドバンテージもない。
日本が誇る『モンスター』には、ロペスの攻撃をさえぎるテクニックも、カウンターで仕留めるパワーも備わっている。仮にロペスが井上相手に攻め込んだとしても、ルイス・ネリ戦を見れば、井上にはそのダメージを跳ね返し、反撃するだけの力があることも我々は重々承知している。
このカードが実現したとして、ロペスが井上の快進撃を止める選手となることを想像するのは難しい。予想されるシナリオは、メキシコの英雄が井上相手に果敢な試合を挑むも、最後には力尽きて敗れ去るというもの。それくらい『モンスター』は強すぎるのだ。
ルイス・アルベルト・ロペスのプロフィールと戦績
- 国籍:メキシコ
- ニックネーム:ベナード(Venado=雄鹿)
- 生年月日:1993年8月21日(31歳)
- 身長:163cm
- リーチ:169cm
- 総試合数:32試合
- 戦績:30勝2敗(17KO)
※本記事は国際版記事を翻訳し、日本向けに編集した記事となる。翻訳・編集:石山修二
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