なぜクレイ・トンプソンはレイカーズよりマーベリックスを選んだのか?

Jacob Camenker

坂東実藍 Miran Bando

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NBAで13年のキャリアを持つクレイ・トンプソンは、初めてフリーエージェントになった。そしてすぐに新しい居場所を見つけた。

トンプソンはサイン&トレードでダラス・マーベリックスに加わる。3年5000万ドル(約81億円/1ドル=162円換算)の契約だ。

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マーベリックスがトンプソンを手に入れたことは大きな驚きではない。だが、彼がロサンゼルス・レイカーズよりもマーベリックスを選んだことは注目だ。レイカーズはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの主軸にトンプソンを加えることに関心を寄せていたと見られる。だが、マーベリックス以上のオファーが報じられていたにもかかわらず、レイカーズは取引をまとめられなかった。

なぜ、トンプソンはレイカーズではなくマーベリックスに移籍するのか。その決断についてまとめる。

なぜクレイ・トンプソンはレイカーズよりもマーベリックスを選んだのか?

ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、トンプソンがレイカーズよりもマーベリックスを選んだ主な理由は2つだ。

The Lakers were extremely intriguing to Thompson, but the financial savings from living in Texas over California and the fact that the Mavericks came within three victories of an NBA championship were big factors in his decision, sources said.

まずは、選手の契約を評価する際にファンがあまり考慮しないことだ。所得税率は、選手がプレイしたいと望む場所に影響する。

トンプソンの場合、所得税がないテキサス州と、『Tax Foundation』によれば所得税率13.3%のカリフォルニア州との選択だった。後者では、レイカーズから受け取ったオファーの真の価値が下がることになる。

実際、レイカーズのオファーがアンソニー・アーウィン記者報道の年俸2000万ドル(約32億4000万円)だった場合、税引き後の金額はテキサス州での報酬にかなり近づく。

NBA選手は訪れた州や市に「ジョックタックス」を一定額支払わなければならない。だがそれでも、ロサンゼルスよりダラスに住んだほうが、トンプソンは支払う総額を抑えられる。

チーム報道平均年俸所得税率税引き後金額
レイカーズ2000万ドル13.3%1734万ドル
マーベリックス1667万ドル0%1667万ドル

それでも、報じられたレイカーズのオファーは、マーベリックスを上回るだろう。だが、そこでポイントになるのが2つ目の理由だ。マーベリックスは2023-2024シーズンのNBAファイナルに進出したことから、レイカーズよりもタイトル争いに近いと見られている。

ルカ・ドンチッチとカイリー・アービング以外に3番手のスターや安定したスコアラーがいなかったにもかかわらず、マーベリックスはウェスタン・カンファレンスを制した。トンプソンはそういった存在になることができる。ポストシーズンにローテーションから外れたティム・ハーダウェイJr.よりも、トンプソンは安定した得点力をチームにもたらせるだろう。

それと比べ、レイカーズは47勝35敗という立派な成績でレギュラーシーズンを終えたものの、NBAプレイオフではファーストラウンドでデンバー・ナゲッツに敗退させられた。レブロン・ジェームズは引き続きレイカーズのベストプレイヤーだが、12月には40歳になる。そしてシンプルに、2020年にバブルで優勝して以降、レイカーズはジェームズの周囲に質の高いシューターを十分にそろえられていない。

トンプソンは質の高い3ポイントシューターとなるだろう。だが、レイカーズには若いスター選手がいない。それだけに、ジェームズがいずれスローダウンした場合、チームは後退する可能性がある。そのため、25歳のドンチッチが全盛期に差しかかっているマーベリックスよりも、レイカーズはトンプソンにとって危険な新天地となるかもしれない

このため、理論上は、トンプソンがレイカーズよりマーベリックスを選ぶのは理にかなっている。マーベリックスは昨季が偶然でないことを証明する必要があるだろう。だが、それができれば、トンプソンは優勝を競う可能性を高めるはずだ。

クレイ・トンプソンのトレード

トンプソンの移籍を巡るトレード内容は以下のとおり。

マーベリックス獲得:

  • クレイ・トンプソン

ゴールデンステイト・ウォリアーズ獲得:

  • 2025年ドラフト2巡目指名権(ナゲッツないしフィラデルフィア・76ersの下位指名権)
  • 2031年ドラフト2巡目指名権(マーベリックス)

シャーロット・ホーネッツ獲得:

  • ジョシュ・グリーン

原文:Why did Klay Thompson choose Mavericks over LeBron James, Lakers? Two factors lead former Warriors star to Dallas(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Jacob Camenker first joined The Sporting News as a fantasy football intern in 2018 after his graduation from UMass. He became a full-time employee with TSN in 2021 and now serves as a senior content producer with a particular focus on the NFL. Jacob worked at NBC Sports Boston as a content producer from 2019 to 2021. He is an avid fan of the NFL Draft and ranked 10th in FantasyPros’ Mock Draft Accuracy metric in both 2021 and 2022.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。