なぜマーベリックスのティム・ハーダウェイJr.はNBAファイナル2024で出場していないのか?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ティム・ハーダウェイJr.はルカ・ドンチッチ、カイリー・アービングに続き、ダラス・マーベリックスで3番目に高額なサラリーを手にしている選手だ。今季は1試合平均14.4得点を記録し、シックスマン賞の投票で9位に入った。

では、なぜ、そのハーダウェイJr.がNBAプレイオフであまりプレイしていないのだろうか。

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ハーダウェイJr.はNBAファイナル第1戦の前半で7分42秒間しか出場していない。2本のショットは決まらず、後半はベンチに座った。そして第2戦は1分も出場していない。ウェスタン・カンファレンス・ファイナル最後の3試合も出場していなかった。

ハーダウェイJr.の出場時間が少ない理由はケガではない。シーズンが進むにつれて、効果がなくなっていったからだ。

なぜティム・ハーダウェイJr.はマーベリックスで出場していないのか?

ベストの状態だったハーダウェイJr.は、マーベリックスの得点源だった。もともと彼は、クリスタプス・ポルジンギスのトレードの一環でマーベリックスに加入した選手だ。ニューヨーク・ニックスが契約最後の2年に約4000万ドル(約62億8000万円/1ドル=157円換算)を支払うことを望まなかった。だが、トレード後の活躍で、マーベリックスとは4年7500万ドル(約117億7500万円)という契約を結んだ。

当初は良い取引だと思われた。ハーダウェイJr.はマーベリックスでのフルシーズン最初の2年で3ポイントショット成功率40%近くを記録。2021年のシックスマン賞投票で5位に入った。だが、今季のオールスターブレイク以降は3P成功率31.8%とショットがスランプ状態だ。

ハーダウェイJr.は守備が素晴らしい選手ではない。リバウンドやプレイメークの観点からも、あまり多くをもたらす選手ではない。ショットが決まらなければ、チームに貢献できないのだ。

がっかりさせるプレイにもかかわらず、ジェイソン・キッド・ヘッドコーチはシーズンを通じてハーダウェイJr.をのびのびとさせてきた。輝きを放った時もある。1月15日(日本時間16日)の試合では、ドンチッチ不在の中で41得点をあげ、勝利に貢献した。オクラホマシティ・サンダーとのカンファレンス・セミファイナル第2戦でも17得点をマークしている。だが、レギュラーシーズンまでさかのぼり、ここ21試合で二桁得点は3回だけだ。

こうして、ハーダウェイJr.はローテーションでジョシュ・グリーン、ダンテ・エクサム、ジェイデン・ハーディーの後塵を拝すようになった。

NBAファイナルでティム・ハーダウェイJr.は出場するか?

ハーダウェイJr.が一定の出場時間を得る可能性はまだ残っている。マーベリックスには得点源となるような選手が必要だ。ファイナルを通じ、マーベリックスは3Pが不調。最初の2試合で平均93.5得点にとどまっている。

ハーダウェイJr.がオープンな3Pを決めることができるか見るために、消去法で彼が投入される可能性はある。ここまでは、誰もそれができなかったのだから、彼を試さない理由はない。ドンチッチを除くマーベリックスの選手たちは、最初の2試合で3P32本中5本成功にとどまっている。

前回プレイオフを戦った3年前、ハーダウェイJr.は3P成功率40.4%を記録した。ただ、今の彼は当時と同じ選手に見えない。今プレイオフでの3P成功率は30.8%だ。

もしもハーダウェイJr.がショットの自信を取り戻せば、彼はシリーズを変えることができるかもしれない。そうすれば、マーベリックスが彼を活用する可能性があるのは確かだ。

原文:Why is Tim Hardaway Jr. not playing for Mavericks in NBA Finals? Shooting slump has guard out of Dallas rotation(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。