UEFAチャンピオンズリーグは世界で最も注目が集まるクラブサッカー大会であるため、大会の方式、日程、出場資格などに関するわずかな変化が、たくさんの人々に影響することになる。
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今シーズンはレアル・マドリードが歴史上最多となる15度目の優勝を記録して幕を閉じた。だが来シーズンからは大会の方式を全面的に見直した改革が予定されており、それに合わせて日程や出場資格も変化する。リーグやクラブ、選手たちはその改革によって、各々の試合を調整しなければならなくなるだろう。
今回新たに採用される『スイス方式』によって、我々はチャンピオンズリーグに対する考え方を変える必要が出てくるかもしれない。
スポーティングニュースは、『スイス方式』の詳細やそれがもたらす影響、また来シーズンからのチャンピオンズリーグがどう変化するのかについて解説する。
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新たに採用される『スイス方式』とは? グループステージ廃止でリーグフェーズ導入へ
従来のチャンピオンズリーグでは、32チームが4チームずつ8組に分かれて総当たり戦のグループステージを行い、各グループの上位2チーム、計16チームが勝ち残りとなる決勝トーナメントに進出していた。
しかし2024年8月に始まる来シーズンから、より緊張度が高く注目度も上がる試合を行うために、全く新しい方式が採用される。これによって、グループステージの最後で度々見受けられた無意味な試合がなくなることが見込まれている。
まず、新たに採用される『スイス方式』では、出場チーム数が32から36に拡大する。そしてその36チームがグループステージの代わりとなるリーグフェーズで戦い、1つの大きな順位表に編成される。各チームは異なる相手と8試合を行い、これまで通り勝利チームには勝ち点3、引き分けチームには勝ち点1、敗北チームには勝ち点0が配分される。
リーグフェーズ参加の36チームはUEFAクラブランキングに従って9チームずつ4つのポットに分けられ、各ポットから抽選で選ばれた2チームずつ、計8チームと1度ずつ対戦する。
8試合を終えた時点で順位表の上位8チームはラウンド16に駒を進め、9位から24位までのチームはホーム&アウェイのプレーオフに回る。
プレーオフで勝利した8チームはラウンド16に進み、敗北した8チームは大会から姿を消す。
そしてそこからは、従来通り16チームによる勝ち残りの決勝トーナメントが行われる。要点をまとめると以下の通りだ。
- 36チームが1つの順位表に編成されるリーグフェーズ
- 4つのポットから各2チームずつを抽選で決め、計8試合戦う
- リーグフェーズの上位8チームはラウンド16に進出
- 9位から24位のチームはホーム&アウェイのプレーオフへ
- プレーオフで勝利した8チームはラウンド16に進出
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チャンピオンズリーグの形式が変わるのはいつから?
現行のチャンピオンズリーグである、32チームが4チームずつ8組に分かれて総当たり戦のグループステージを行い、各グループの上位2チーム、計16チームが勝ち残りとなる決勝トーナメントに進出していた方式が見られるのは、今シーズンが最後であった。来シーズンから新たな方式が採用されるのだ。
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なぜチャンピオンズリーグは方式変更に踏み切ったのか?
チャンピオンズリーグが方式変更に踏み切ったのには、複数の理由がある。新たに採用される『スイス方式』はチェス、バドミントン、Eスポーツ、カードゲーム(マジック・ザ・ギャザリング、ポケモン、遊戯王、グウェント)などといった他の競技でも使用されているものだ。
まず、この新方式はより多くの試合を提供し、より多くの試合を提供することはより多くの放映権料が得られることを意味する。従来のグループステージでは、決勝トーナメントに進出する16チームを決めるため、32チームによる96の試合が行われていた。
しかし新方式では、36チームがリーグフェーズで144の試合を行い、プレーオフでさらなる16試合、計160試合が行われることになる。現行の方式より64試合も多く、66.7%という大幅な増加である。
大会の規模は、1年を通して125試合から225試合と、ほぼ倍増する。しかし、試合数が大幅に増えることは、国内のリーグ戦やカップ戦、国際大会によってすでに疲弊しているクラブや選手たちにとってさらなる負担となるだろう。
そして、新方式ではチャンピオンズリーグの出場枠が増えるため、より多くのビッグクラブが参戦することになる。競争上の観点からは議論の余地が残るものの、それはより多くのファン層を取り込み視聴数を増やすことに繋がるため、世界中に販売する放映権の増収が見込まれる。
チャンピオンズリーグは拡大しているのか?
2024-2025シーズン以降、予選から決勝まで全てを含めてチャンピオンズリーグの規模は拡大する。
最も注目すべきは、参加チーム数が32から36に増え、4枠が追加される点だ。1つ目の枠は、UEFA係数ランキングにおける5位のリーグに与えられ、現時点ではフランスのリーグ・アンとなる見込みである。
2つ目の枠は、小国のチャンピオンたちが通る「チャンピオンズ・パス」に与えられ、従来の4チームから5チームに出場枠が増える。
そして最も物議を醸しているのが、残りの2枠だ。これらは他の方法で出場権を得られなかったチームのうち、UEFAクラブランキングの上位2つに与えられる。これはヨーロッパリーグまたはヨーロッパカンファレンスリーグの出場権を獲得したチームのみに適用されるもので、ヨーロッパ大会への切符を掴めなかったチームがチャンピオンズリーグに昇格することはない。
これはUEFAが直接的にビッグクラブに迎合した結果であり、彼らは欧州スーパーリーグ(※)構想に前向きなクラブを引き留めようと必死なようだ。
※チャンピオンズリーグに取って代わる大会として計画されたリーグ戦。2021年4月に欧州各国の強豪12クラブによって創設されたが、FIFAやUEFA、各国サッカー協会からの激しい反対によって事実上頓挫した。
原文:What is the Swiss Model in Champions League? UEFA's new UCL format to replace group stage explained
翻訳:山下晴輝(スポーティングニュース日本版)
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