なぜピストンズはモンティ・ウィリアムズHCを解任したのか？ 歴史的契約からわずか1年

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デトロイト・ピストンズは、2023年のオフシーズンにモンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチを招へいしたことが、球団の方向性を変える役に立つことを願っていた。

だが、球団は6月19日（日本時間20日）、モンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチの退任を発表した。

ウィリアムズ体制の1年目にピストンズは苦しんだ。リーグ最下位となる14勝68敗という成績に終わり、得失点差はリーグワースト3位。ケイド・カニングハムやジェイデン・アイビーといった若手は、勝者になるために必要だった活躍を見せられなかった。

また、ピストンズは長期にわたるスランプからの脱却を目指し、フロントオフィスの変更も行った。ピストンズは2015-2016シーズン以降に勝ち越しておらず、ここ15年でプレイオフ進出は2回にとどまっている。

ここでは、ウィリアムズ体制に別れを告げたピストンズの決定についてまとめる。

なぜピストンズはモンティ・ウィリアムズHCを解任したのか？

ピストンズがウィリアムズを解任したのは、再びリーグ最低成績に終わったからだ。

2022-2023シーズンのピストンズは、カニングハム不在の中、ドウェイン・ケイシー元HCの下で17勝65敗という成績だった。ウィリアムズはここからの向上を期待されていたのだ。だが、カニングハムが62試合に出場し、アイビーやジェイレン・デューレンといった若いタレントがほかにもいたにもかかわらず、ウィリアムズ体制でピストンズは14勝にとどまったのである。

ピストンズは得失点差がリーグワースト3位で、ディフェンシブレーティング（119）はリーグワースト6位。2023年のオフシーズンに7850万ドル（約124億300万円／1ドル＝158円換算）を投じたにもかかわらず、ピストンズがウィリアムズ体制に別れを告げることを考えるには十分だった。

また、昨年ウィリアムズを招へいしたゼネラルマネージャーのトロイ・ウィーバーが6月1日（同2日）に退任したことも、指揮官の助けにならなかった。後を継いだ元ニューオーリンズ・ペリカンズのアシスタントGMだったトレイジャン・ラングフォードが、ウィリアムズの今後を疑問視したのだ。

マーク・スタイン記者によると、もともとピストンズはウィリアムズを続投させると見られていた。だが、ラングフォードは自分が選んだ指揮官に自分の未来を賭けることを決めたのだ。そしてウィリアムズと別れを告げることにつながったのである。

モンティ・ウィリアムズHCの契約

ピストンズは2023年のオフシーズンにウィリアムズと6年7850万ドルの契約を結んだ。

当時、ウィリアムズの契約はNBAコーチ史上最高額だった。その後、エリック・スポールストラHCがマイアミ・ヒートと8年1億2000万ドル（約189億6000万円）の契約を結んでいる。それでも、『Sports Illustrated』によると、ウィリアムズの平均年俸約1310万ドル（約20億6980円）はNBAでトップ5に入る。

ピストンズは6年契約を結んだウィリアムズを1年で解任したことで、6500万ドル（約102億7000万円）超を費やすことになる。

モンティ・ウィリアムズの指導歴

ウィリアムズはNBAコーチとして10シーズンで通算381勝404敗を記録している。最初の5シーズンはペリカンズで指揮をとり、次にフェニックス・サンズで4年を過ごし、昨年からピストンズを率いた。

NBAでのウィリアムズのシーズンごとの成績は以下のとおりだ。

ウィリアムズが指揮したチームは10シーズンのうち5シーズンでポストシーズンに進出している。サンズではウェスタン・カンファレンスを制したが、指揮官としてNBA優勝を達成したことはない。

原文：Why did the Pistons fire Monty Williams? Detroit dismisses coach one year after historic contract（抄訳）
翻訳：坂東実藍

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