1巡目指名を終えての注目ポイント:レイカーズやイディーら|NBAドラフト2024

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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6月26日(日本時間27日)、NBAドラフト2024の初日が終わった。2巡目指名は27日(同28日)に行われる。だが、すでに大きな動きがあっただけに、公平に評価できるだろう。

うまくいったチームもあれば、首をかしげるような動きをしたチームもある。ここでは、NBAドラフト2024の1巡目指名を終えての注目ポイントをまとめた。

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NBAドラフト2024の1巡目指名を終えての注目ポイント

ザカリー・リザシェイとアトランタ・ホークス

誰かがことしのドラフトで全体1位指名されなければならなかった。その栄誉を授かったのがリザシェイだ。

ことしのドラフトは久しぶりに上位の指名がどうなるか分からなかった。リザシェイ、アレックス・サー、ドノバン・クリンガン、リード・シェパードといった選手たちが候補とされていた。

ホークスは無難にリザシェイを選んだ。またショットクリエイションはないが、優れた3&D(3ポイントショットと守備を得意とする選手)になることが期待される。二コラ・バトゥームのようなタイプの選手は、どのチームにも必要なのだ。他の一部の有望株と比べて上り坂ではないかもしれない。ことしのドラフトで最高の選手とはならないかもしれない。だが、長年にわたってホークスにとって優れたスターターとなるだろう。

ワシントン・ウィザーズ

ことしのドラフトで最も伸びしろがあるとの声が多かった選手はサーだ。ウィザーズは、そんな守備を支えられるビッグマンを全体2位で指名した。

サーはペリメーターでの機動力が素晴らしく、ショットブロックも優れている。ただ、攻撃スキルのレベルには疑問符がつくだろう。ジャンプショットは浮き沈みがあり、プラスのクリエイターではない。

しかし、上向きな指名だった。

ミネソタ・ティンバーウルブズ

ウルブズはサンアントニオ・スパーズとのトレードで、2030年のドラフト指名権交換権と2031年のドラフト1巡目指名権と引き換えに、全体8位指名のロブ・ディリングハムを獲得して周囲を驚かせた。

ディリングハムは19歳と非常に若い。だが、すぐに偉大なチームで貢献しなければならなくなる。ただ、アンソニー・エドワーズがすべてをこなすことに頼りすぎのウルブズにとって、得点力を持つディリングハムは大きく理にかなう選手だ。

ディリングハムには素晴らしいスピードとショット力がある。ウルブズマイク・コンリーを支える選手が必要だった。ディリングハムはその役割にフィットするはずだ。

Zach Edey
(Getty Images)

ザック・イディー

ことしのドラフトでイディーほど株が上がり下がりした選手はいない。シーズンの最初は2巡目指名されるかどうかと見なされていたが、その後様々なモックドラフトで最高9位指名と予想されていた。

そして実際にその9位で、イディーはメンフィス・グリズリーズに指名された。今後、彼のNBAにおける将来は最も興味深い問題のひとつとなるだろう。大学で支配的な選手だったが、ポストアップや足さばきの遅さは今後どうなっていくのか。

彼が成功できるかどうか、重要になるのがフィット感だ。グリズリーズは彼にとって良いチームだろう。バックアップの役割で使うことができる。周囲に優れたディフェンダーたちがおり、サイズやエリート級のオフェンシブリバウンドを駆使して、相手のセカンドユニットを苦しめられる。ジャ・モラントとのピック&ロールの攻撃は、とても楽しいものとなるはずだ。

ロサンゼルス・レイカーズ

レイカーズはドラフトに臨む上で得点力とショット力を必要としていた。全体17位で示したダルトン・コネクトは掘り出し物だ。

コネクトはロッタリー評価を受けるほどの才能で、大学では得点を量産した。ダンカーとして素晴らしく、3P成功率も39.7%だ。ミッドレンジからのショットも良く、シューターとしての動きも優れている。JJ・レディック・ヘッドコーチとうまく仕事できるだろう。

レイカーズにはNBAでプレイする準備が整った選手が必要だった。コネクトはことしのドラフトでベストの選手だ。おそらく、レイカーズはこの順位まで彼が指名されていないとは思っていなかっただろう。彼らにとっては素晴らしい勝利となった。

ポートランド・トレイルブレイザーズ

ブレイザーズはドラフトの1時間前に動いた。マルコム・ブログドン、2024年ドラフトの全体14位指名権、そして2029年のドラフト指名権と引き換えに、ウィザーズからデニ・アブディヤを獲得したのだ。

来季のブレイザーズはプレイオフチームになると見られておらず、それだけにやや奇妙なトレードだった。だが、アブディヤは4年5500万ドル(約88億円/1ドル=160円換算)の契約を始めるところで、まだ23歳だ。注目されていなかった中でウィザーズではブレイクのシーズンとし、優れたウィングディフェンダーとなった。3P成功率37.4%を記録している。

また、このトレードでブレイザーズはラグジュアリータックス(ぜいたく税)を免れる。大金を節約できるのだ。2つのドラフト1巡目指名権は高い代償だったが、アブディヤは優れたウィングで、これからそれ以上のリターンとなるかもしれない。

ロン・ホランド

ドラフトが始まる前から、ホランドは指名順位が下がるのではないかと言われていた。だが、新体制となったデトロイト・ピストンズから全体5位で指名されている。

ホランドはGリーグでショットがうまくいかなかった。だが、ポテンシャルは高い。バスケットにたどり着き、コートビジョンが良くて、守備がタフだ。

トレイジャン・ラングドンによる大胆な動きで、ピストンズが大きなことを目指していることを示す。

Ron Holland, Matas Buzelis 09162023
(NBA Getty Images)

ニコラ・トピッチ

トピッチはことしのドラフト組でベストプレイヤーとなる可能性も十分にある選手だ。最悪のタイミングで前十字じん帯の部分断裂に見舞われたことが株価を下げた。

そのケガをするまでのトピッチは、バスケットに向かう活気から、ことしのドラフト組でも有数の選手だった。上位予想も多かった。ジャンプショットは素晴らしくないものの、チップ・イングランドという伝説的なシューティングコーチの指導を受けるチャンスを得る。

オクラホマシティ・サンダーはドラフトで抜け目ない。全体12位でトピッチを獲得したのは、掘り出し物となるかもしれない。トピッチ本人にとってはうれしくない転落だったが、選手育成に定評のある球団だけに最高の新天地だろう。

マタス・ブゼリス

スポーティングニュース』のモックドラフトでは5位予想だった。だが、実際は11位指名となっている。地元のシカゴ・ブルズから選ばれた。

ブルズでフィットするかは分からない。ショット力を必要としているブルズだが、ブゼリスはGリーグ・イグナイトで3P成功率26%、フリースロー成功率70%だった。ただ、イグナイトではどの選手もあまり数字が良くなかった。

ブゼリスは驚くような優れたリムプロテクションを見せており、シーズンが始まる前は全体1位指名候補と考えられるほどのポテンシャルだった。周囲が間違えていることを証明する機会はこれからたくさんあるだろう。

原文:NBA Draft 2024 winners & losers: Lakers, Zach Edey, Timberwolves hit big; Matas Buzelis falls outside top 10(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。