『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、JJ・レディックがロサンゼルス・レイカーズの新ヘッドコーチ就任に向かっている。
レディックにはNBAで指揮をとった経験がない。だが、この数年でバスケットボール界有数の識者としての地位を確立した。選手としてNBAで15年プレイした経験に加え、ポッドキャスト『The Old Man and the Three』、ESPNでのアナリストとしての仕事、レブロン・ジェームズとの共同ポッドキャスト『Mind the Game』を通じて経歴を築き、自身の知識を磨いている。
レディックは初の指揮官としての仕事への準備ができているのだろうか?
なぜレイカーズはJJ・レディックを新ヘッドコーチに選んだ?
NBAで指導した経験がないにもかかわらず、レイカーズはレディックが適した人材と考えた。
友人であり、一緒にポッドキャストをしているジェームズが一役買ったという見方は多い。だが、ジェームズのエージェントである「Klutch Sports」のリッチ・ポールCEOは5月24日(日本時間25日)、『Bleacher Report』のクリス・ヘインズ記者のインタビューで「レブロンは関係していない。レイカーズの決定だ」と否定した。
「JJは友人だ。我々はJJをリスペクトしている。レブロンとJJがポッドキャストをやっているのは知っているよ。だが、それだけで…レイカーズは今、そして今後に向けた決断を下さなければならない。どんな決定でも、それは球団の決定だ。単純なことだよ」
レイカーズはレディックのバスケットボールに関する知識、そして人材を管理する能力、ジェームズとアンソニー・デイビスのようなスーパースターを擁するロスターをけん引する力を信頼している。
『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者とヨバン・ブーハ記者は5月21日(同22日)、「リーグ情報筋によると、レイカーズはレディックのポテンシャルに夢中だ。短期間で球団を助けつつ、長年率いていけるような、パット・ライリーのような指導者になる展望があると見ている」と報じた。
レイカーズにとっては、2人連続で新人ヘッドコーチを招へいするかたちとなる。ただ、ダービン・ハムにはNBAで11年にわたってアシスタントコーチを務めた経験があった。
JJ・レディックの年齢
1984年6月24日生まれのレディックは現在39歳だ。NBAで最初の指揮をとる時までに40歳になる。
オフシーズンのそのほかの動きにもよるが、現時点でレディックはNBAで6番目に若いヘッドコーチとなる。
レディックより若いのはボストン・セルティックスのジョー・マズーラ(35)、ユタ・ジャズのウィル・ハーディー(36)、オクラホマシティ・サンダーのマーク・デイグノート(39)、メンフィス・グリズリーズのテイラー・ジェンキンズ(39)、シャーロット・ホーネッツのチャールズ・リー(39)だ。
JJ・レディックが現役時代にプレイしたNBAチーム
デューク大学で伝説的なキャリアを過ごし、全米最優秀選手などに選ばれたレディックは、NBAドラフト2006でオーランド・マジックに全体11位で指名された。
15年にわたるNBAキャリアで、レディックは6チームに在籍した。マジックで最初の6シーズン半を過ごし、ミルウォーキー・バックスにトレード。シーズンを終えるとロサンゼルス・クリッパーズにトレードされ、4年を過ごしている。
キャリアの終盤にはフィラデルフィア・76ersで2シーズン、ニューオーリンズ・ペリカンズで1シーズン半、ダラス・マーベリックスで半シーズンをプレイした。
- マジック:2006~2013年
- バックス:2013年
- クリッパーズ:2013~2017年
- 76ers:2017~2019年
- ペリカンズ:2019~2021年
- マーベリックス:2021年
JJ・レディックのキャリアスタッツ
レディックは15年のキャリアで通算平均12.8得点、2.0リバウンド、2.0アシストを記録した。全盛期は2013年から2020年。平均15.0得点をあげている。
クリッパーズ在籍時の2015-2016シーズンには、NBAトップとなる3ポイントショット成功率を記録。平均2.7本成功で47.5%をマークし、平均16.3得点をあげた。自己最多平均得点は、76ersに所属していた2018-2019シーズンに記録した18.1得点だ。
レディックの通算3P成功率41.5%はNBA歴代18位。クレイ・トンプソン(41.3%)、レイ・アレン(40.0%)といった選手たちを上回る。
原文:Why did Lakers hire JJ Redick? Inside rookie coach's 'Pat Riley-like' potential, relationship with LeBron James(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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