5月18日(日本時間19日早朝)に英グラスゴーでワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)準決勝を控える、WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)とIBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)。同カードは日本での盛り上がりをよそに、欧米での注目はさほど高くないままだが、ある専門家は“モンスター”井上だけでなく、ロドリゲスの実力にも注目する。
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— DAZN USA (@DAZN_USA) 2019年5月15日
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評価されるべきプエルトリコの若き戦士ロドリゲス
ボクシング界はエマヌエル・ロドリゲス、通称”Manny”に適切な評価を与えているだろうか?
このハンサムな26歳のプエルトリコ人は、才能に溢れた世界チャンピオンであり、同国出身の他のボクサーと同じような賞賛を受けるべきである。確かに現在のロドリゲスに対する評価は、ウィルフレド・ゴメス、フェリックス・トリニダード、そしてミゲール・コットらには遠く及ばないが、もしロドリゲスがボクシング界で最も危険な相手に打ち勝つことがあれば、その状況も一変するだろう。
今週の土曜の夜、笑顔を絶やさないプエルトリコ人と、恐れを知らないアジア人が全てをかけてスコットランド最大の都市グラスコーにおいて対戦する。ロドリゲス vs. 井上戦の勝者が、WBA世界バンタム級王座とIBFの同級王座を手にし、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝戦で、フィリピンの英雄ノニト・ドネアと戦う切符を手にすることになる。
ロドリゲスにとっては、昨年トニー・ベリュー vs. デビッド・ヘイ戦の前座試合で前世界王座のポール・バトラーを破って以来、2度目のイギリスとなる。だが、今回のイギリス行きが持つ意味は全く異なる。
もっと評価されるべき"モンスター"井上尚弥
ロドリゲスの対戦相手である井上に至っては、2018年10月のWBSS一回戦におけるファン・カルロス・パヤノ戦での戦慄の70秒KO劇で世界に衝撃を与えながらも、まだボクシング界は、彼の能力は正当に評価できていない。そういった意味で、井上はボクシング界で最も過小に評価されているファイターであると言えるだろう。
「パウンド・フォー・パウンドは誰か」とは結論の出ない議論ではあるが、その議論にもっとも相応しく、かつ無視され続けているのが井上だ。世界3階級制覇王者であり、ボクシング界で最も破壊力のあるパンチャーでもある井上が最初に世界のベルトを獲得したのは、2014年のアドリアン・エルナンデス戦で、それは僅かデビュー後6戦目のことだった。その2戦後には、井上は長年王座に君臨していたオマール・ナルバエスを2Rノックアウトで破り、世界にその名が知られ始めた。
その後4年間に渡って、ライトフライ級、スーパーフライ級といった階級で井上は圧倒的な戦績を残したが、その評価が上がったのは、バンタム級に階級を上げてジェイミー・マクドネル(英)を秒殺した試合だ。その同じ年にパヤノを同様に撃破している。だが、衝撃的なKO劇で世界タイトル戦の連勝を重ねているにもかかわらず、サウル・アルバレス(通称“カネロ”)やテレンス・クロフォードに比べると、世界のボクシング界における井上の知名度はまだ低いままだ。
彼らの名前が「世界最高のボクサーは誰か」という議論に相応しい存在であることは疑う余地がないが、井上がその議論に含まれるべきなのはさらに明らかだ。5年以上の長期にわたって3階級で世界王座を守り続けているだけではなく、衝撃的なノックアウト勝ちを重ねてきた井上は、辛口のボクシングファンも唸らせる存在だ。このように井上の実力は証明済みであるが、彼の名前は不当に軽視され続けてきたと言えるだろう。
疑問が残る判定でもゲンナジー・ゴロフキンに勝つ方が、井上の圧倒的な連勝より価値があるのか? どうやらボクシング界はそう考えているらしい。
では、ホルヘ・リナレスに勝つことは、井上が2人の強力な相手を1R秒殺で破ることより大きな意味を持つのか? これもどうやらそのようだ。
クロフォードはビクトル・ポストルを破って王座を統一し、ジェフ・ホーンにも勝った。それはデビュー後8戦で世界2階級の王者になった井上より賞賛されるべきなのだろうか? 欧米のボクシング界はあまりにも井上のことを知らなすぎる。井上がアメリカやメキシコ、イギリスではなく、日本の神奈川出身であるが故に世界の目を引かないのだろう。
井上がボクシング界から無視されているように、プエルトリコもロドリゲスを軽視している。無敗の戦績を持つにもかかわらず、ロドリゲスの知名度は上に挙げたビッグネームには遠く及ばず、ファン・マヌエル・ロペスにさえ劣るレベルにある。井上の猛攻をしのぐことは現在のボクシング界ではもっとも困難な仕事であるが、もしロドリゲスがそれを実行し、かつ勝利を得ることが出来れば、そのときにはこのボクシング強国の歴史上もっとも偉大な勝利とみなされるだろう。そしてついに、ロドリゲスは毎年夏にニューヨークで行われるプエルトリコ人のパレードにおいてマジソン・スクウェア・ガーデンで輝く代表になるかもしれない。
自身を優位と評価する声に対し、井上も「そうあまくない」と語っている。
オッズもそうだか、皆んなが思ってるほど簡単な試合にはならない。ボクシングはそうあまくない。
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) 2019年5月14日
ゴングが鳴った瞬間に緊張感は最高潮に達するだろう。
この試合を想像するだけでワクワクが止まらない。。 pic.twitter.com/VOfPKi1LwP
土曜夜の戦いはともに素晴らしい戦績を持ちながら、それに相応しい評価を受けてこなかった2人の対戦となる。もし井上が無敗の若い王者をまたノックアウトで破れば、パウンド・フォー・パウンドの呼び名がさらに高くなるだろう。一方で、もしロドリゲスが勝てば、プエルトリコのボクシング界で確固たる地位を得るだろう。この週末、過小評価されてきた2人のファイターのうち少なくとも1人は、長く続いた不遇から抜け出すことになる。
原文:Inoue-Rodriguez: An underrated showdown that the boxing world should pay attention to
翻訳:角谷剛
編集:SNJ編集部
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「※」は提携サイト『Goal』の記事です