プレイオフ・ファーストラウンドの5人のMVP

Michael C. Wright, NBA.com

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お気に入り選手の除外を指摘する前に、このファーストラウンドのMVPリストに含めるための主な条件を確かにしておこう。所属チームがプレイオフで勝ち残っていなければならないということだ。

例えば、ジェイソン・テイタムとヤニス・アデトクンボはこれに当てはまる。ボストン・セルティックスとミルウォーキー・バックスは、カンファレンス・セミファイナルで対戦。第1戦は5月1日(日本時間2日)にマサチューセッツ州ボストンのTDガーデンで行われる。

テイタムとアデトクンボは、ファーストラウンドでそれぞれのチームをけん引した。テイタムはブルックリン・ネッツとの第1戦で決勝ブーザービーターショットを決めた。セルティックスはケビン・デュラントを擁するネッツを4勝0敗とスウィープしている。一方、シカゴ・ブルズを4勝1敗で沈めたバックスのアデトクンボは、シリーズ突破を決めた第5戦で、33得点、9リバウンドを記録した。

以下、カンファレンス・セミファイナルを見据えつつ、ファーストラウンドの5人のMVPをアルファベット順に見ていこう。

ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)

プレイオフ平均スタッツ:28.6得点、13.4リバウンド、6.2アシスト

ポストシーズンの平均得点は、レギュラーシーズンから1.3点少なくなっている。だが、チーム2番目の得点をあげているクリス・ミドルトンが内側側副靭帯を負傷し、復帰時期未定で離脱した中で、昨季のNBAファイナルMVPを受賞したアデトクンボは、リバウンド(11.6→13.4)とアシスト(5.8→6.2)でレギュラーシーズンから数字を伸ばした。

セルティックスはアデトクンボのプレイメーク能力をよく分かっている。今季の年間最優秀守備選手賞を受賞したマーカス・スマートは、「アグレッシブさやレーンへの入り方、自分だけじゃなく味方のためのプレイもつくれることから、こういう選手は本当に大変なんだ」と話した。

「そういう選手たちは、自分たちのために大皿に盛ってくれるのを待ち構えているのさ」。

ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)

プレイオフ平均スタッツ:29.0得点、10.7リバウンド、5.7アシスト

ユタ・ジャズとのファーストラウンド最初の3試合を欠場したドンチッチだが、その後3試合のうち2試合で30得点超をマーク。優勝した2011年以来となるシリーズ突破(4勝2敗)に導いた。

ただ、ドンチッチ不在の3試合でも、ジェイレン・ブランソンが平均32得点をあげ、マーベリックスは2勝1敗という成績を残している。

ファーストラウンドのドンチッチで期待できるのは、ジャズがダブルチームを仕掛けた際に、正しい判断を下せたことだ。本人は「相手がそうしてきたら、誰かがオープンになる」と話した。

ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)

プレイオフ平均スタッツ:26.2得点、11.3リバウンド、2.3アシスト

MVP級のシーズンを過ごしたエンビードだが、ポストシーズンではケガに悩まされている。まずはトロント・ラプターズとのファーストラウンド第3戦でショットを打つ手の指の靭帯裂傷。そして4月29日(同30日)、球団は第6戦で33得点、10リバウンドを記録したエンビードが負傷し、右眼窩骨折と軽度の脳震とうと発表した。29点をリードしていた残り3分58秒のプレイで負ったケガだ。

76ersはエンビード復帰のタイムラインを定めていない。5月2日(同3日)のフロリダ州マイアミのFTXアリーナでの第1戦から第1シードのマイアミ・ヒートと対戦するだけに災難だ。球団はプレイオフ中の復帰可能性を除外していないが、エンビードは今後のシリーズを欠場する可能性がある。

クリス・ポール(フェニックス・サンズ)

プレイオフ平均スタッツ:22.3得点、4.3リバウンド、11.3アシスト

経験豊富なベテランは、彼にしかできないやり方でファーストラウンドを締めくくった。ポストシーズン新記録となるノーミスでのフィールドゴール14本成功を達成し、ニューオーリンズ・ペリカンズとのシリーズ勝利に導いたのだ。第1シードのサンズは、カンファレンス・セミファイナルでマーベリックスと対戦する。

ハムストリングの負傷でデビン・ブッカーが第3戦から第5戦まで欠場したサンズだが、その間にチームをけん引し、2勝1敗という成績に導いたのがポールだ。モンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチは、「接戦で彼があれをして勝った。特別だね」と、第6戦のポールのパフォーマンスを称賛した。

ポールはレギュラーシーズンで平均14.7得点、4.4リバウンド、10.8アシストという成績だった。そしてプレイオフでの成績は、上述したとおりだ。

ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)

プレイオフ平均スタッツ:29.5得点、4.5リバウンド、7.3アシスト

ファーストラウンドでは攻守両面でエリート級の能力を発揮し、ネッツをスウィープしたセルティックスをけん引して、正真正銘のスーパースターとしての地位に上り詰めた。

息を突かせぬ守備に加え、ファーストラウンドのテイタムのパフォーマンスで最も明るい材料となったのが、プレイメーカーとして安定していたことだ。ネッツが自身に対するプレッシャーを強めた時に、テイタムはいつも正しいプレイをしていた。

カンファレンス・セミファイナルでは、アデトクンボとバックスを相手に、それを続ける必要があるだろう。レギュラーシーズンでのバックスとの3試合で、テイタムは平均31.3得点、8.3リバウンド、3.0アシストを記録している。

バックスについて、テイタムは「彼らは王者だ。仕事を成し遂げたチームだ」と話した。

「当然、大変なチャレンジになる。楽しみだよ。面白くなるだろうね」。

原文:5 MVPs from the opening round of the 2022 NBA Playoffs(抄訳)

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