デンバー・ナゲッツとフェニックス・サンズのウェスタン・カンファレンスのプレイオフ準決勝シリーズは、表面的にはオフェンスの対決だ。サンズのデビン・ブッカーとケビン・デュラント、ナゲッツのニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーは、いずれも40点以上の得点力を持つ。
しかし、この対戦の行方は、ディフェンス面でロールプレイヤーがどう活躍するかに大きく左右される可能性がある。
2度のMVPに輝くヨキッチに対するディアンドレ・エイトンのディフェンスが、第1シードと第4シードの激戦の鍵を握るかもしれない。サンズのビッグマンのエイトンは、典型的なセンターよりもヨキッチの働きを制限できるかもしれないと思える根拠があるのだ。
過去にヨキッチをしっかり守っていたエイトン
ヨキッチほどの選手を完全にシャットダウンする方法はない。彼はとにかくオフェンスに長けていて、複数の方法でゲームに影響を与えることができる。
しかし、エイトンは少なくとも、ヨキッチに簡単に得点させないようにすることができることを証明している。2021年の西地区準決勝でサンズと対戦したとき、ヨキッチは1試合平均25.0得点、13.3リバウンド、5.8アシストを記録したが、フィールドゴール成功率47.7%、3ポイントショット成功率27.8%と、自身のシーズンとキャリアの数字を大きく下回った。
NBA.comのトラッキングデータによると、このシリーズでヨキッチはFG試投数64本のうち27本を決めたが(成功率42.2%)、エイトンと直接マッチアップしたときには3P試投数12本のうち成功したのはわずか2本だった(成功率16.7%)。
7フィート(約211cm)、250ポンド(約113kg)のエイトンは、ポストをしっかり守れるだけのサイズがあるが、同時にヨキッチがドリブルでドライブしたりカットしたりするのに対応できる運動能力も備えている。
ヨキッチはその年、エイトンのディフェンス面での努力を認め、「最も苦労させられたセンターだった」とまで言っていた。
しかし、2020-21シーズンのヨキッチがプレイしていたのは必ずしもオールスターチームではなかったことは言っておくべきだろう。ナゲッツは、ファクンド・カンパッソ、モンテ・モリス、オースティン・リバーズといった控えのガードにかなりのプレイタイムを与えなくてはならない状況で、最終的にシリーズ4戦のうち3試合でサンズに二桁得点差をつけられて準決勝敗退となった。
今回は、ヨキッチの周りにはより優秀な選手たちが揃う。そのことをサンズが考慮する必要があるため、結果は変わる可能性がある。
ヨキッチはエイトンとのマッチアップの答えを見出したのか
そのシリーズ以降のレギュラーシーズンの3試合では、エイトンと対戦したときのヨキッチの個人の数字はずっと良くなっている。NBA.comによると、彼はFG33本のうち21本を決め(成功率63.6%)、17アシストを記録している。
デンバーで行われたサンズとのクリスマスゲームでは、ヨキッチは44分間の出場で、41得点、15リバウンド、15アシストを記録してチームの勝利に貢献した。ACL(膝前十字靭帯)損傷のために2021年のプレイオフと2021-22シーズンを欠場したジャマール・マレーが復帰した恩恵を大きく受けた結果でもある。
マレーや他のチームメートとの間に良いケミストリーを築いていること、そして、過去のロスターと比べてチームメイトが注意を引きつけてくれることもあり、ヨキッチがエイトン絡みで以前のような苦戦を強いられることはないだろう。
しかし、一方のエイトンは、彼の成功がまぐれではなかったことを証明する強いモチベーションを持ってこのラウンドに臨むはずだ。それが、この戦いを魅力的なものにするだろう。
「楽しくなるだろうね」と、エイトンは言う。
「ナゲッツはベストのチームだ。僕らはサンズのバスケットボールをして、競い合ってベストチームのを打ち負かしたい。それを楽しみにしているんだ。簡単じゃないことは分かっているけど、真っ向勝負の素晴らしいシリーズになるだろうね」
原文:Can Suns' Deandre Ayton slow down Nuggets' Nikola Jokic? How matchup could determine NBA Playoff series
翻訳:YOKO B Twiter:@yoko_okc
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