「プレイオフ・ジミー」が再び伝説 バトラーが自己最多&球団記録更新|NBAプレイオフ2023

Kyle Irving

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「プレイオフ・ジミー」がまたもやってのけた。

4月24日(日本時間25日)に行われたイースタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンド第4戦、ミルウォーキー・バックス対マイアミ・ヒートの一戦で試合前に注目されていたのは、シリーズをタイに戻したいバックスのヤニス・アデトクンボが腰の負傷から復帰できるかどうかだった。だが、ヒートのジミー・バトラーは誰と対戦するかを気にすることなく、球団のプレイオフ史上有数のパフォーマンスでチームを勝利に導いたのだ。

バトラーが見せてくれたことを言葉で表現するのは難しい。第4クォーターに完全に支配し、ヒートをシリーズ3勝1敗と導く、けた外れの活躍だった。

第4戦のバトラーのパフォーマンスは、NBAと球団のプレイオフ史に残るものとなった。第1シードのバックスをファーストラウンド敗退寸前に追いやったバトラーの爆発ぶりを見てみよう。

バックスとの第4戦を支配した「プレイオフ・ジミー」

バトラーは第4戦ですぐに勢いに乗り、第1Qにフィールドゴール10本中9本成功というほぼ完ぺきなショットで球団新記録となる22得点をあげる。

試合開始から完全に支配したバトラーは、バックスが引き離すかと思われるたび、ヒートを僅差にとどめた。

第2Qと第3Qはそれぞれ2得点、11得点と比較的静かだった。だが、第4Qにバトラーはギアを上げ、英雄的なパフォーマンスを見せる。

残り6分で12点を追っていたヒートだが、バトラーに負けるつもりはなかった。終盤でヒートにリードをもたらした連続ジャンプショットを含め、第4Qだけで21得点をマークしたのだ。ひとりでバックス全体の26得点を上回るかの活躍だった。

最終的に、バトラーはチャールズ・バークリーやウィルト・チェンバレン、マイケル・ジョーダンと並ぶNBAプレイオフ歴代4位タイの56得点を記録している。

これまで、ヒートでプレイオフにこの数字を達成した選手はいなかった。レブロン・ジェームズも、ドウェイン・ウェイドも達成していない。NBA全体でも、この記録を上回るのは、ジョーダン(63得点)、エルジン・ベイラー(61)、ドノバン・ミッチェル(57)だけだ。

なぜジミー・バトラーは「プレイオフ・ジミー」と呼ばれるのか?

我々が「プレイオフ・ジミー」を見るのは、これが初めてではない。

ヒート在籍時に全盛期のジェームズやウェイドが相手チームを脅かしてきたことを考えれば、ヒートのプレイオフの歴史において、バトラーは3番手だと思うかもしれない。

『Basketball-Reference』のゲームスコア(ひとつの試合における選手の生産性を大まかに測定)で、ヒートのプレイオフ史上ベスト10のうち、バトラーは7つを占めている。

そしてそれは、球団新記録となる56得点をあげたこの日の試合よりも前のことだ。

その一部が以下のパフォーマンスである。

  • 2022年東地区ファイナル第6戦(対セルティックス): 47得点、9リバウンド、8アシスト、4スティール、1ブロック
  • 2020年NBAファイナル第3戦(対レイカーズ): 40得点、13アシスト、11リバウンド、2スティール、2ブロック
  • 2020年NBAファイナル第5戦(対レイカーズ): 35得点、12リバウンド、11アシスト、5スティール、1ブロック

ジェームズ擁するレイカーズとのNBAファイナルで、史上3回目となった40得点を含むトリプルダブルを達成した「プレイオフ・ジミー」を思い出そう。この伝説的なミームは、NBAツイッターの殿堂入りとなるはずだ。

今夜の56得点を受け、このミームもNBAツイッターの殿堂入りとなるかもしれない。

NBA最大の舞台でバトラーがそのプレイを昇華させるのは明白だ。だが、この日の試合後会見で、バトラーは「プレイオフ・ジミー」を否定している。

バトラーは笑顔で「違うよ。そうじゃない。僕はただバスケットボールをしているだけだ」と述べた。

本人が認めるかどうかによらず、バトラーはこの時代で最も危険なプレイオフ選手のひとりだ。それは否定しようがない。

原文:'Playoff Jimmy' Butler adds to legendary list of best playoff games with career-high, Heat record(抄訳)

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Kyle Irving

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.