井上尚弥が11回TKOでアジア人初の4団体統一王者に! スーパーバンタム級転向へ|試合経過・ハイライト・結果

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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12月13日(火)有明アリーナで行われた、WBA・WBC・IBF・WBO 世界バンタム級王座統一戦は、井上尚弥が11回TKOで勝利。バンタム級初、日本人・アジア人初の4団体統一王者となった。井上は今後スーパーバンタム級に転向し、4階級制覇と男子史上初の2階級4団体統一王者という新たな伝説の樹立を目指す。

スポーティングニュースはその歴史的偉業の模様をライブ速報で伝えた。

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井上尚弥が歴史的偉業を達成、スーパーバンタム級転向を改めて宣言

『モンスター』のバンタム級ラストマッチは、意外な試合展開となった。

戦前、多くのファンや元対戦者、識者、そしてプロモーターたちが井上の早期KO決着を予想していた。多くの海外ブックメーカーは、井上が圧倒的優位、バトラーにはハムスターがヘビに挑むようなものとして圧倒的不利のオッズだった。試合を受けたこと自体が自殺行為だとまで表現する意見もあった。

だが、井上自身はバトラー戦が長引くことを想定。ドネアよりも難しい相手ではないかという言葉も発していた。運命の試合が始まってみると、確かにバトラーはこれまで井上が対戦してきたファイターとは違った。

ファーストラウンド、井上は最初からギアを上げ、バトラーをコーナーに押し込み、ガードの上から強打を浴びせた。バトラーのガードは堅いが、時間の問題だろうという感触だった。しかし、試合が進むにつれてバトラーの徹底的な守りのアウトボクシングが、井上の強打をミートさせるポイントを作らせない。

井上は、ガードを堅めて手を出してこないバトラーを崩すために様々なアクションを試みる。ただ、焦りは見えず、6回のノーガード戦法からの不敵な笑みを浮かべてからの奇襲や、ロイ・ジョーンズ・ジュニアの代名詞的な後手に顔を突き出す煽り(バトラーは手を出さなかったが)など、どことなく楽しんでいるようだったが、試合後の会見では、バトラーの「勝つ気が無い」とも取れる戦術に若干のいらだちを示唆した。

なかなか捕まえきれない井上だったが、フルラウンドの終わりが見え始める11回。再びギアを上げ、左ボディから右ストレートという必殺コンビネーションが決まった。ここまで踏ん張っていたバトラーの脚を止めると、さらなる連打でトドメ。

観衆を11回までハラハラさせながらも、TKOでしっかり勝つという横綱相撲といっていい勝利で、バンタム級4団体統一を達成した。日本人・アジア人初、なおかつバンタム級は初、1本ずつの4団体統一も史上初の偉業だ。まさしく歴史的な一戦だったが、平日の昼間からの開催という集客的にも難しいイベントながら、場内は満員御礼。偉業達成に相応しい舞台となった。

試合後、井上は自身4階級目となる、スーパーバンタム級への挑戦を改めて宣言し、WBC・WBO王者スティーブン・フルトン、WBAスーパー・IBF王者ムロジョン・アフマダリエフの間に割って入りたいと語った。『モンスター』としての実力を改めて証明した井上が、2023年も世界を驚かせてくれそうだ。

井上尚弥 vs バトラー 4団体統一戦:ライブ速報・試合経過

(すべて日本時間、要手動更新)

20:58 井上は観客からシュプレヒコールを浴びながら退場。

20:48 井上が引き続き勝利者インタビュー。統一戦を受けてくれたバトラー陣営に感謝。「スーパーバンタム級には強豪がひしめている。今2団体王者が2人(スティーブン・フルトン、ムロジョン・アフマダリエフ)いるので、そこに割って入っていきたい」

20:48 井上が勝利者インタビュー。「4団体統一王者やりました!」「バンタム級最終章、楽ではないなか目標に向かって成し遂げることができたことで、スーパーバンタム級への転向を考えています」「史上9人目の4団体統一王者になり、最高の日になりました」

20:46 井上が日本人・アジア人初の4団体統一王者に。バンタム級は初、1本ずつの統一も史上初の偉業を達成!

20:43 11回、井上の左ボディから右フックが炸裂。バトラーが少しバランスを崩して立ち直るも、さらに続け様のパンチを浴びてダウン!レフリーが試合を止めて井上の11回TKO勝ち!

20:41 10回終了、ラウンド序盤には展開にじれ始めた観客から「尚弥」コールが起こる。井上は常に優位だが、バトラーの狙いがつかめず、攻めどころを絞れない。

20:38 9回終了、細かく打ち返しては脚を使うバトラー。捕まえられない井上の様相。

20:35 9回の長丁場に突入。バトラーは逃げつつも、脚が止まる井上のボディを狙う。

20:34 8回終了、井上は無駄撃ちをせず、しっかりバトラーを見ながら右ボディ、左フックといったコンビネーション。バトラーは井上のパンチに慣れつつあるのか、距離の取り方が上手くなる。

20:30 7回終了、少し打ち返すようになったバトラーだが、怖さがあるのか踏み込みきれない。

20:28 7回、なかなかガードを下げないバトラー。井上は右のボディストレートを振りながら、冷静にバトラーの仕掛けを誘う。

20:25 6回、両腕を下げてノーガード戦法の井上。不敵な笑みを浮かべて強襲を狙うが、バトラーは警戒して効果なし。

20:23 6回、井上はガードを下げてバトラーの攻めを誘うが、バトラーは乗らず、詰めてきた井上にワンツーを当てる。

20:22 5回終了、手は出ないが高いディフェンススキルを見せるバトラー。井上は焦ることなくそのガードを削る。

20:18 4回終了、井上はこのラウンドで無理にまとめようとせず、ペースを維持。バトラーは耐えるのみだった。

20:15 4回、余裕の井上は両腕を振るアクション。どっしり構える井上に対して、カウンターを狙うバトラーだが、ガード上から打ち込まれ反撃の手が出ない。

20:14 3回終了、井上はコーナーに押し込んだバトラーのガードの上から強烈な右ストレート。ポジショニングを測る井上にバトラーの左ボディがヒット。井上は動じずパワーショットを続ける。

20:10 2回終了間際にも井上の左ボディがヒット。バトラーのコンビネーションは当たりが浅い。

20:08 2回、井上がバトラーをロープに押し込み、コンビネーション。バトラーは左ボディをさばききれない。

20:06 1回終了、井上はポーカーフェイス。バトラーはやや被弾で額に赤みが。

20:05 1回、バトラーが距離を取るが、井上に詰められ、ロープ際まで度々押し込まれる。井上はガードの上から強烈なワンツーを叩き込む。左のボディも放たれる。

20:02 メインイベント、WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界バンタム級4団体統一戦の開始ゴング!

19:59 コミッショナーが宣言を経て、4団体統一王座戦を認定。ジミー・レノン・ジュニア氏が名調子で試合をアナウンス。

19:55 日本国歌斉唱。井上は目を開き、静かに聞き入る。

19:54 英国国歌斉唱。バトラーは歩き回りながら耳を傾ける。

19:52 WBAスーパー・WBC・IBF王者の井上尚弥がリングイン。テーマ曲はお馴染みの「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」(布袋寅泰)。

19:49 WBO王者ポール・バトラーがリングイン。

19:46 煽りVTRを経て、有明アリーナ場内をレーザービームがうねりあげる。

19:37 メインイベントのセレモニー開始バンタム級世界4団体統一王座戦を見届ける、WBA、WBC、IBF、WBOの各団体スーパーバイザーが紹介される。実況席で解説を務めるレジェンド、長谷川穂積氏、山中慎介氏の紹介も。

19:30 ポール・バトラーの控室でバンテージを巻き終わりグローブを装着する模様が。

19:19 控室で井上がミット打ちなどウォーミングアップする姿が。

19:09 『dTV』で前日計量の密着ドキュメント映像が配信。計量秤の変更によってわずかにオーバーした井上がガムを噛んでつばを出したり、トイレに入ったりしながら調整する模様が明らかに。再計量パス後、「パンツは脱げねぇよ」とぼやきつつも、500mlの水を飲み、「(水が)うまい。順調に仕上がった。良いイメージ」と意気込み。計量後の「戻し」の食事となるスッポンスープ、雑炊、うどんなどを摂る貴重なシーンも公開された。

18:52 平岡の勝利者インタビュー。「今年4試合やって、来年海外で試合をしたい気持ちで練習してきた」「(トレーナーの父に対し)いつもありがとう。こういう場でしか言えないけど、親父のおかげで強く慣れたしがんばれている」「来年も応援よろしくお願いします」

18:50 8回、ジュンの右ボディがヒット。もみ合いのなかで平岡の左アッパーがクリーンヒットし、ジュンがダウン。ジュンが立ち、再開後まもなくコンビネーションからの左フックが炸裂。8回2分6秒、平岡のTKO勝利でタイトル防衛。

18:46 7回、平岡がジャブを散らしつつ距離を詰める。左のアッパーが着弾。ジュンは組み付いて嫌がる仕草。

18:42 6回終了、平岡が優位に進める。

18:39 6回、平岡の左アッパーがジュンへのローブローとなり試合がストップ。試合は続行。

18:37 5回終了、ジュンが右のストレート、右フックなど強打をみせる。平岡はカウンターやフェイントからの左ストレートを効果的に打ち込む。

18:33 4回終了、お互い距離感が遠く、それぞれ強打にはつながらない。

18:30 3回終了、平岡がプレッシャーをかけながら距離を詰める。

18:25 2回終了、ジャブの差し合い。脚を使うジュンだが、平岡のリーチを警戒し、強打を打ち込むポジションに入れない。

18:22 1回終了、独特なスタンスと軽快なフットワークで様子を見るジュン、平岡も間合いを測りながら様子見。

18:18 セミファイナル・第5試合、WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ(12回戦)、開始ゴング。

18:10 平岡アンディと誼敏虎(ジュン・ミンホ)の入場へ。

18:03 WBO世界バンタム級王者ポール・バトラーがトレーナーとともにリングの感触を確認。

17:59 武居が勝利者インタビュー。「パッとした試合をしようと思ったんですけど、もっと強くなって戻ってきます」「(試合後、タリモに頭を下げた理由は)すごく強くて、リスペクトを込めて頭を下げせて貰いました」「(トレーナーの)八重樫さんは優しいから丸をくれると思うが、古川会長には怒られる(試合内容だ)と思う」

17:56 11回、離れる武居、追うタリモの様相。しかし、タリモの右目の傷を確認したレフリーが試合続行不可能と判断。武居が11回2分17秒、TKO勝利でタイトル防衛。

17:51 10回終了、武居は脚を使って得意の距離を維持し、効果的にパンチを刺し込む。武居に余裕が見える。

17:47 9回終了、変わらず前に出るタリモ。武居はカウンターの左ボディなど冷静に反撃。

17:45 8回、タリモの傷のチェックが入るも試合続行。ラウンド終了後のオープンスコアは3-0で武居優位。

17:42 8回、タリモは部族のフェイスペイントと見紛うような量のワセリンを顔面に塗りたくり、一旦レフリーが拭き取りを命じる。タリモが武居をコーナーに押し込んでラッシュ。

17:39 7回終了、タリモが度々組み付いて削る。乱戦で武居は消耗。タリモは右目上を武居のヒッティングでカットのアナウンス。

17:36 6回終了、武居のパンチに慣れたタリモが再び強気に距離を詰める。

17:31 5回終了、武居が引き続きペースキープも、お互い大きな手は出ず。

17:27 4回終了、タリモにやや疲れ。武居の脚を使った得意な距離でのペース作りが成功し始める。

17:23 3回終了、武居は右アッパーなど強打を決めるもタリモの勢いは衰えず。

17:18 2回、執拗に詰めてくるタリモに距離を取る武居。やりにくさ感じる。

17:14 1回、開始間もなく王者武居がバッティングで左目上をカット。武居はダウンを奪うが、再度のバッティング。確認の上、試合続行。

17:11 第4試合、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ(12回戦)開始ゴング。

17:08 元K1王者からボクシング転向後、5戦5KO勝利の武居由樹がリングイン。

17:05 第4試合、武居由樹 vs. ブルーノ・タリモ、両者入場へ。

17:00 イベント後半開幕に合わせ、再びサイバージャパンダンサーズによるパフォーマンス。

16:50 インターミッション中。『dTV』中継では井上尚弥密着ドキュメント映像を配信。

16:34 井上拓真が試合後インタビュー。「思ったよりラウンドがかかってしまった。世界王者になって(兄が今日勝って手放すであろうバンタム級のベルトを)ひとつひとつ集めていきたい」。

16:30 8回2分48秒、ボルネアの左目上の出血量の再チェック、レフリーは試合終了の判断。井上拓真の8回TKO勝利。

16:29 8回前半、ボルネアの左目上の出血量のチェックも試合続行。

16:26 7回、ボルネアの攻勢に井上拓真は下がりながらも反撃。

16:19 5回、ボルネアが左目上をカット(ヒッティングによる)。

16:14 井上拓真がここまで優勢気味に進め、4回終了。

15:58 第3試合、井上拓真 vs. ジェイク・ボルネア(10回戦)が開始ゴング。

15:33 レオンが第3ラウンド開始前に棄権。清水が2回TKO勝利。

15:24 第2試合、清水聡 vs. ランディ・クリス・レオン(8回戦)が開始ゴング。

15:10 マクレールが2回2分TKO勝利。

15:03 第1試合、ピーター・マクレール vs. 三宅寛典(8回戦)が開始ゴング。

14:53 リング上でサイバージャパンダンサーズによるオープニングショーがスタート。

14:45 ランディ・クリス・レオン、ジェイク・ボルネアの前日計量超過の発表。

14:40 有明アリーナ現地でも入場開始。

14:30 イベント開始。dTVでの配信が開場。

14:15 イベント開始15分前。

試合前 決戦の舞台は、2021年夏の東京オリンピックの会場として使用された有明アリーナ(最大収容15000人)。ボクシングの大会開催は初となる。

(すべて日本時間、要手動更新)

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井上尚弥 vs. バトラー 4団体統一戦:予定対戦カード・試合結果

  • メインイベント:WBA・WBC・IBF・WBO世界バンタム級4団体統一王座戦12回戦
    • 井上尚弥(WBA・WBC・IBF世界バンタム級王者、大橋)◯[11回、TKO]✕ポール・バトラー(WBO世界バンタム級王者)
  • セミファイナル:WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ12回戦
    • 平岡アンディ(WBCアジアパフィシック・スーパーライト級王者、大橋)◯[8回2分6秒、TKO]✕誼敏虎(ジュン・ミンホ、WBCアジア・ウエルター王者、韓国)
  • 第4試合:OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
    • 武居由樹(OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者、大橋)◯[11回2分17秒、TKO]✕ブルーノ・タリモ(同級14位、IBF世界スーパーバンタム級7位)
  • 第3試合:フェザー級(55.5キロ契約)10回戦
    • 井上拓真(元WBC世界バンタム級暫定王者、大橋)[8回2分48秒、TKO(5回のヒッティングによる左目上のカットで)]ジェイク・ボルネア(元WBFインターコンチネンタル・スーパーフライ級王者)
  • 第2試合:スーパーフェザー級(58.0kg契約)8回戦
    • 清水聡(OPBF東洋太平洋フェザー級チャンピオン、大橋)◯[2回、TKO(2回終了後棄権)]✕ランディ・クリス・レオン
  • 第1試合:スーパーバンタム級8回戦
    • ピーター・マクレール(東京五輪イギリス代表)◯[2回2分、TKO]✕ 三宅寛典(ビッグアーム)

※上記対戦カードは、選手の体調やケガなどにより変更される場合がある。

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『井上尚弥 vs. バトラー 4団体統一戦』:配信情報

dTV』における『井上尚弥 vs. バトラー 4団体統一戦』配信は、12月13日(火)14:30からの配信開始。メインイベントは各試合がフルラウンド想定で21:30頃となるが、おそらくそれよりも早い時間になる(現在のイベント進行状況的に19時台に開始か)。


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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。