ロサンゼルス・レイカーズがゴールデンステイト・ウォリアーズに勝利したウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦で活躍したのが、アンソニー・デイビスだ。
レブロン・ジェームズ、ディアンジェロ・ラッセル、デニス・シュルーダーが堅実な試合をしたレイカーズだが、けん引したのはゲーム最多の30得点と23リバウンド、5アシスト、4ブロックを記録したデイビスだ。プレイオフにおける30得点&20リバウンド超は、レイカーズで5人目の記録だった。
ほかにこの記録を達成したのは、シャキール・オニール、ウィルト・チェンバレン、カリーム・アブドゥル・ジャバー、エルジン・ベイラー。これだけの素晴らしい偉人たちの仲間入りを果たしたのだ。
歴史的なパフォーマンスだったが、すぐに注目されたのが、デイビスがこれだけの出来を繰り返せるかどうかだ。レイカーズがウォリアーズを沈めてカンファレンス・ファイナルに勝ち進むには、デイビスがさらに3試合でビッグゲームを見せる必要がある。
それが可能かを理解すべく、第1戦でデイビスがいかにウォリアーズを苦しめたかを振り返ろう。
ウォリアーズとの第1戦を支配したアンソニー・デイビス
デイビスは11本のフィールドゴールを決めて30得点をあげたが、そのうち9本がアシストされたものだった。
レギュラーシーズン中のポストアップからの1試合平均得点で、デイビス(4.1)はニコラ・ヨキッチ(6.4)とジョエル・エンビード(5.2)に続く3位だった。だが、ウォリアーズとの第1戦でローブロックからのショット試投は2本と今季最少部類に入る。
ケボン・ルーニー、ドレイモンド・グリーンと、堅実なディフェンダーをひとりではなくふたり擁するウォリアーズを相手に、レイカーズはポストでデイビスにボールを持たせるより、スクリーナーやカッターとして動かした。
その相棒はラッセルだったり、
ジェームズだったり、
八村塁の時もあった。
レイカーズはうまくデイビスのディフェンダーを彼から引き離し、得点できる位置につかせたのだ。何本かジャンプショットも沈めたが、デイビスは何よりもレイアップ、ダンク、フローターのコンビネーションでペイント内からウォリアーズにダメージを与えたのである。
試合後、デイビスは「みんなが正しいスポットでボールを持たせてくれた」と話している。
「ピック&ロールやポストアップ、オフェンシブリバウンドからね。(ボールを)キャッチしたら、とにかくアグレッシブになり、得点や味方のためのプレイを狙った」
特にレイカーズがうまく生かしたひとつが、デイビスがコーナーにいる時にガードがスクリーンをかけたプレイだ。これにより、デイビスのディフェンダーはスクリーンをかいくぐろうとしなければならなくなった。スイッチをすれば、クレイ・トンプソンのような選手がデイビスを守らなければいけなくなるからだ。
デイビスの第1戦最初のバスケットもそういったプレイから生まれている。
グリーンのファウルを誘い、判定へのリアクションからグリーンにテクニカルファウルの笛が吹かれ、レイカーズが3本のフリースローを手にする場面もあった。
以下の場面は得点に至らなかったが、デイビスがバスケット付近で得点できるような、レイカーズが望むかたちをつくっている。
デイビスの存在は興味深い。ルーニーとグリーンがコートにいれば、ウォリアーズはデイビスを守るためのサイズを手にする。だが、それによってデイビスがディフェンダーとして動き回り、ステフィン・カリーやその他の選手たちのためのスペーシングを阻むことができる。
第1戦でデイビスは4ブロックを記録しており、彼がコンテストしたウォリアーズのショットは17本中4本成功にとどまった。デイビスは守備でも見事なパフォーマンスを見せたのだ。
ウォリアーズがルーニーとグリーンのどちらかだけを起用すれば、スペーシングは改善される。だが、デイビスのサイズとオフェンシブリバウンドに対してもろくなる。
ルーニーとグリーンがともに長くプレイした第1戦ですら、デイビスは4オフェンシブリバウンドをマークした。
ウォリアーズはデイビスによる支配的なプレイを知らないわけではない。だが、第1戦でのパフォーマンスは、シリーズをタイにしようと狙うスティーブ・カー・ヘッドコーチとウォリアーズのコーチングスタッフに多くの仕事を与えるだろう。
原文:Anthony Davis stats: How Lakers star dominated the Warriors in Game 1 — and how he can do it again(抄訳)