八村塁「日本人初、初のトーナメントで、初タイトル。初、初ですよね」|ペイサーズとの決勝戦後一問一答(12月10日/現地9日)

宮地陽子 Yoko Miyaji

八村塁「日本人初、初のトーナメントで、初タイトル。初、初ですよね」|ペイサーズとの決勝戦後一問一答(12月10日/現地9日) image

ロサンゼルス・レイカーズの八村塁が、12月10日(現地9日)にネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われたNBAインシーズン・トーナメント決勝でインディアナ・ペイサーズを下し自身初となるNBAタイトルを獲得したのちに、メディアの取材に応じた。

この試合でベンチから出場した八村は、8分37秒をプレイし、フィールドゴール1本中成功なしの0得点、2リバウンドをマーク。試合はレイカーズが終始リードを保つ形で、123-109の勝利でNBAインシーズン・トーナメント初代王者に輝いた

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以下、八村の試合後の一問一答(日本語での質疑応答。質問は要約)。


日本人初、初のトーナメントで、初タイトル。初、初ですよね。

――優勝の感想。

八村:初めてできた大会だったんですけど、こういうふうに勝てたっていうことで僕らもすごい嬉しいですし、これがこれからのシーズンに繋がっていくんじゃないかなと思うので、良かったです。

――シーズン序盤での優勝が今後にどう繋がると思うか。

八村:こういう気持ち、優勝する嬉しさがわかったっていうことで、また6月に向けてやっていけると思うので、そこはすごい良いんじゃないかなと思います。

――NBA5年目で自身初優勝、日本人NBA選手としても初優勝の感想。

八村:初だらけですよね。日本人初、初のトーナメントで、初タイトル。初、初ですよね、本当に。嬉しいです。

――優勝自体が大学3年のマウイ・インビテーショナル以来初となる。

八村:僕、NBAに入るまではずっと勝ち続けてきたので、初のトーナメントなんですけど、こうやって勝てることができて良かったなと思います。これが6月にも繋がると思うので、すごい経験だったんじゃないかなと思います。

――試合終盤には、ベンチでジャンプして喜びを表現していた。

八村:もう、結構チームとしても気合が入ってたので、このトーナメントは。良かったなと思います。

試合前に僕がちゃんとADに気合を入れた。

――以前からレブロン・ジェームズのために勝ちたいと言っていた。

八村:そうですね。やっぱり彼のレジュメ(経歴)にも入るってことで。このトーナメントもあと何年後かにすごく大きくなるんじゃないかなと思います。

――MVP受賞したレブロンのトーナメント中のプレイについて。

八村:素晴らしかったですね。オフェンスだけじゃなくてディフェンスでもそうですし、色んなところで活躍していたので、そういうところがこのチームの勝ちに繋がってると思います。

――今日の決勝ではアンソニー・デイビスもすごかった。

八村:そうですね。試合前に僕がちゃんとADに気合を入れたんで。「AD、絶対に遊ぶな」「最初から行け」と。こうやってチームとしても勢いに乗れて。ま、今日僕は全然活躍できなかったんですけれど、そういうなかでもチームが勝てるってことがすごい良いことだと思う。お互いをかばい合ってやってるんで、そこが良いんじゃないかなと思います。

――NBA初の試みとなったインシーズン・トーナメントについて。

八村:良いと思います。チームのケミストリーもすごい上がると思いますし、良いことだと思いますね。

――個人としてこの経験をどう生かしていきたいか。

八村:チームとしても、こういう優勝というのは、勝つってことが大事だと思うので、そういうところでもっとモチベーションになるんじゃないかなと。そこは感じたいなと思います。

――このトーナメントでチームが成長できたと感じるか。

八村:なってます。絶対そういう感じになりましたね。

――勝てるチームでやるのはやはり楽しい?

八村:そうですね。やっぱり勝ちチームでやるっていうことが、僕としてもずっと望んだことですし。こうやって色んなことがあって──トレードされて、プレイオフとか色んなことがあってここまで来たので、そういうなかでこういう勝ちができたってことは僕としても嬉しいです。

(Yoko Miyaji)

賞金、日本円だったら8000万ぐらいいきますよね。どうするんですかね。

――決勝で対戦したペイサーズについて。

八村:彼らもこのトーナメントに対してすごいモチベーションがあったと思う。状況は僕らとは違うと思うんですけれど、2ウェイプレイヤーとかミニマムプレイヤーが多いチームだったので、そういう中ですごいモチベーションになっていたんじゃないかなと思います。

(※ペイサーズは2ウェイ契約選手が3人、ルーキー契約が残っている選手が多数おり、サラリーの低い選手が多い)

――レギュラーシーズン約4分の1が終わった。残りのシーズンに向けて。

八村:そうですね。僕も、今手術後の残り(コンディショニング不良)がある。身体にも結構影響が残っているので、そこはまたしっかり調子を戻してリズムに合わせていきたいなと思います。

――優勝賞金は何に使いたいか。

八村:賞金、日本円だったら8000万ぐらいいきますよね。もう1億ぐらいですよ。どうするんですかね。わかんないですね。(と一度言ってから、改めて考えて)僕の妹たちのカレッジテュイション(大学学費)ですね。

――大谷翔平のドジャーズ契約について。

八村:(ニュース)見ました。素晴らしいですね。昨日、トロント(・ブルージェイズ)に行くみたいな噂があったんですよね。それで僕、「あぁ」と(残念に)思ってたんすけど、パッて変わってドジャーズになって。僕としてもすごい嬉しいですし、日本人としてこうやってバスケとか野球、大きい(人気ある)スポーツがこうやってLA(ロサンゼルス)でまた日本人として2人でできることはすごい嬉しいです。今度機会があれば、また色々話ができたら良いなと思います。

取材・一問一答構成:宮地陽子


レイカーズは次戦、13日午前9時半(現地12日)、アウェイでダラス・マーベリックスと対戦する。

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宮地陽子 Yoko Miyaji

宮地陽子 Yoko Miyaji Photo

東京都出身。ロサンゼルスを拠点とするスポーツライター。バスケットボールを専門とし、NBAやアメリカで活動する日本人選手、国際大会等を取材し、複数の媒体に寄稿。著書に「The Man ~ マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編」(日本文化出版)、「スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ」(集英社)、編書に田臥勇太著「Never Too Late 今からでも遅くない」(日本文化出版)