復活カリー&衰え知らずレブロン活躍で逆転勝利 アメリカの準決勝注目ポイント|パリ五輪2024

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坂東実藍 Miran Bando

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パリオリンピック2024男子バスケットボール準決勝で、アメリカ代表はセルビア代表をやすやすと下すかに思われたが、そうはならなかった。アメリカは最大17点のビハインドを背負ったのだ。しかし、最後は第4クォーターの猛攻で逆転勝利を収めた。

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最後の最後まで、驚きのアップセットになるかと思われた。第1Qで23-31と8点のビハインドを背負ったアメリカは、ハーフタイムまでに43-54とリードを広げられる。第3Q終盤に6点差まで追い上げたが、再び13点差とされて第4Qを迎えることになったのだ。

だが、その第4Qでアメリカは反撃。3ポイントショットを立て続けに決め、第4Q中盤にジョエル・エンビードが連続7得点をあげる。残り3分39秒にレブロン・ジェームズのレイアップでタイスコアとすると、アメリカはそのまま勢いに乗った。

ここでは、歴史的なアメリカの逆転劇の注目ポイントをまとめる。

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ステフィン・カリーのショット復活

カリーは準決勝の前まで3P成功率わずか25%と、大会を通じてひどいスランプに陥っていた。それがセルビア戦では第1Qに3P5本成功の17得点と不振を見事に抜け出す。

最終的にカリーは3P14本中9本成功で試合最多の36得点をあげた。あと1本、3Pを沈めていたら、カーメロ・アンソニーが持つオリンピックでのアメリカ代表最多記録に並んでいたところだ。

準決勝のカリーは彼らしい価値を示した。いつもの3Pや長距離砲を見せ、フロアのあちこちで踊っていた。チームメイトにもお膳立てし、フィリップ・ペトゥルセフをクロスオーバーでかわして、アンソニ-・デイビスのフリースローにつなげた場面もあった。

昨季のNBAで年間最優秀クラッチ選手賞を受賞したカリーは、終盤にもいくつかベストプレイを披露。残り3分を切った中で、3Pを沈め、コースト・トゥ・コーストでレイアップを沈めた。最後は残り8秒に2本のFTを決め、リードを4点としてアメリカの勝利を確かとしている。

 

スーパーマンであり続けるレブロン・ジェームズ

ジェームズはアメリカを試合に戻すためにあらゆることをした。16得点、10アシスト、12リバウンドを記録している。依然として世界最高の選手だと思わせるプレイを披露した見事な場面もあった。

第2Qにセルビアに引き離されていた際、ジェームズはタイムアウト後にプルアップから3Pを成功。さらに守備でもスティールからジョエル・エンビードのダンクにつなげた。自分より小さいセルビアの選手たちに圧力をかけ続け、前半終了間際にポストでボグダン・ボグダノビッチ相手にエンドワンを獲得したのもそのひとつだ。

パサーとしてもいつものように見事だった。味方の選手に3Pを決めさせ、第2Qには守備の隙を突き、デビン・ブッカーに美しいパスを通して、ワイドオープンのレイアップにつなげた場面もあった。

終盤に2本のレイアップを決めるなど、トランジションでも力を発揮。終盤を意のままとしている。

39歳という年齢にもかかわらず、ジェームズは勢いづけばいまだ止められないことを示したのだ。

 

ターンオーバーやセルビアのショット好調を乗り越えたアメリカ

セルビアは3Pをことごとく決め、リードを広げていった。だが、後半は落ち着き、最終的には3P39本中15本成功の成功率38%となっている。

前半の3Pの多くは、アメリカがスティールを狙ってギャンブルに失敗し、ワイドオープンにしたところから決めたものだった。セルビアは卓越したボールの動かし方で、22アシストから33回の得点を記録している。ボグダノビッチは20得点をあげ、何度かタフショットを決め、サイドラインにいたカーメロ・アンソニーを驚かせた。そしてニコラ・ヨキッチはいつものように頼れる存在で、17得点、11アシストをマークしている。

しかし、終盤に向かってアメリカは守備のプレッシャーを高め、セルビアに良いショットを打たせないようにした。

アメリカはリバウンドの問題を抱え、セルビアに9オフェンシブリバウンドを許した。特に痛手だったのは、エンビードがボックスアウトに失敗し、セルビアに3回のチャンスを許して、ヨキッチに得点をあげられた場面だ。フランスとの決勝でアメリカはこういった点をなくさなければならない。フランスにはサイズがあり、さらに難しい任務となるはずだ。

しかし、アメリカはそういったミスを隠せるほどに、試合を通じてショットを決めた。3Pは32本中16本成功だ。その大半がカリーによるものだったが、ブッカーやケビン・デュラント、ジェームズ、エンビード、ドリュー・ホリデーも貢献している。

原文:USA basketball takeaways from Serbia thriller: Stephen Curry finds touch, LeBron James defies Father Time once again(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。