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ボクシング史上2人目の2階級4団体統一王者、井上尚弥の次の対戦相手が正式に決定した。その相手は、2018年以来日本での試合資格が無期限停止されていた『悪童』ことルイス・ネリだ。
ここでは井上vsネリ戦に対する海外の反応、試合の予想、そして著名格闘家たちの意見をここでまとめて紹介する。
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■井上尚弥vsネリの海外の反応はポジティブ
34年ぶりに東京ドームでボクシング興行が行われることになり、そのメインイベントとして井上尚弥vsネリが正式に発表され海外からの反応は、「何年もこの対戦を待ち望んでいたよ」、「ネリはメキシコ出身で私はネリを応援したいところだけど、実際のところ、相手(井上)がかなり強力で相当厳しい」、「良いカード。井上はネリに手を焼いて苦戦すると予想するが、それでも最後にはきっちり仕事をこなしてくれるだろう」と、この対戦を待ちわびていた海外ボクシングファンも多く、概ね井上有利の声が多く見られた。
★Amazonプライムビデオでのライブ配信番組情報
- 番組名:2024 4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 井上尚弥 vs ルイス・ネリ
- 配信時間:5月6日(月・祝)17:00〜(予定、ライブ配信後に見逃し配信あり)
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■ネリが予言する『東京ドームの奇跡』
アメリカのボクシング専門メディア『ボクシング・シーン』によると、ネリは井上に対して挑戦的な発言をしており、「マイク・タイソンが東京ドームで敗北したように、井上も敗れる可能性はある」と述べた。この発言は1990年にタイソンがジェームス・ダグラスに敗れた歴史的な試合を引き合いに出したものだ。2度目の東京ドームでの試合で、当時無敗のタイソンがダグラスに敗れ、世界を震撼させたボクシング史に残る出来事だった。ネリは井上との試合で同様の「奇跡」を起こすと豪語した形だ。
ただし、当時のタイソンの私生活の問題と現在の井上の健全な生活態度は異なり、井上は真剣にトレーニングを重ね、悪い習慣がないため、多くのファンがネリの見解に反論し、「井上はタイソンとは違い、軽率な行動は見られない」といった意見や「井上は真剣にトレーニングに励んでいる」といったコメントが多く寄せられていた。
■覚悟を新たにするネリを地元メキシコメディアが報道
ネリの出身国であるメキシコの放送局『TV Azteca』のスポーツ専門サイトでは、母国のスター・ネリの強い意気込みを報じており、「『無敗の日本人選手を倒す』という使命を胸に、ネリは日本に向かう。『パンテーラ(黒豹)』の異名で知られるネリは、東京ドームでの試合に向けて、これまでとは一線を画す覚悟を示している。常に規律を守ってきたわけではないが、今回の試合にはどんな展開にも柔軟に対応する」と語った。また、「ネリは対戦相手の研究を重ね、井上尚弥に対する恐れはない」と強調した。
引用元:https://www.tvazteca.com/aztecadeportes/pantera-nery-lanza-nueva-advertencia-publica-naoya-inoue
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■オッズから見る期待値
井上尚弥の圧倒的な実力が「26勝中23KO」という驚異的な戦績に表れており、これがブックメーカーのオッズにも反映されている。ベッティングオッズ比較サイト『ODDS CHECKER』によると、井上の勝利には「1/12」、ネリの勝利には「9/1」、引き分けには「40/1」と設定。これは、井上が王座を防衛する可能性が高いと広く見られていることを示している。また、具体的なラウンドでの勝利を予想する「ラウンドベット」では、井上の5、6ラウンド勝利が最も高い確率(「1/8」)で予想。ほかのラウンドでも井上の勝利オッズは「10/1」(8ラウンド)から「25/1」(12ラウンド)となっており、一方でネリがどのラウンドで勝つかのオッズは一律「125/1」と低く評価されていた。※2024/05/04時点
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■スーパーバンタム級の支配者にESPNメキシコ版が注目
スポーツ専門チャンネル『ESPN』のメキシコ版では、今年のボクシング全17階級を評価。とくにスーパーバンタム級に注目し、『モンスター』と呼ばれる31歳の井上尚弥がこの階級を席巻していると紹介した。井上は4つの異なる階級で世界王者になっており、2つの階級では圧倒的な実力を示している。『ESPN』のパウンド・フォー・パウンド・ランキングでは井上は2位に位置しており、世界中のファンが井上の偉大さを認めている。
スーパーバンタム級では井上と競うファイターたちとの間に明らかな才能の差がある。ムロジョン・アフマダリエフ、ジョンリエル・カシメロ、マーロン・タパレスなど、多くの有力選手がいるが、井上はこの階級をすでに支配している。5月6日には、経験豊富なネリとの大一番が予定されており、注目だ。また同メディアは「この階級には(メインの)肉はあるが、ポテトは残っていない。井上によって食べられてしまったからだ」とユニークな表現で、井上が同階級を支配している状況を強調した。
■国際的認知とアメリカでの試合に関する議論
米国メディアの中には、井上尚弥のこれまでのキャリアと対戦相手の実力に感銘を受けておらず、彼らは井上をテレンス・クロフォードと同等に評価すべきではないと主張する動きがあり、井上が国際的な認知を得るためにはアメリカで試合を行う必要があると述べている。そして、井上のX(旧Twitter)での「今や軽量級の本場は日本にある」というコメントに対し、元IBF世界ウェルター級王者で現ボクシングアナリストのショーン・ポーターは、「真のボクシングスターになりたいなら、アメリカで戦うべきだ」と指摘した。
これに対しては海外の多くのボクシングファンは、ポーターの批判が的外れであると反論した。そうしたファンたちは、井上がアメリカですでに試合を行い、また勝利している事実を挙げ、ポーターの偽善的な姿勢を批判したのだ。井上は日本で大きな成功を収めており、アメリカを拠点にする必要はないという意見も強調された。
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■元WBA王者・内山高志はネリを評価しつつも井上のKO勝利を予想
自身のYouTubeチャンネル『内山高志KOチャンネル』にて、内山高志が井上vsネリの試合展開について語った。内山は「(ネリは)入れない可能性がある井上のジャブで」と切り出し、ネリの得意とする変則的なパンチが出せない可能性があると述べた。勝敗の予想では、「井上のKO勝ちかなという予想はありますけど」と井上の勝利を予想。ただし、ネリについては「実力はありますよ、強いっす」と評価しつつ、計量失敗だけは避けてほしいとも付け加えた。
引用元:https://youtu.be/2VHyEdcedWM?si=MZ9IV2-bamVN4ynK
■日本人初のミドル級世界王者・竹原慎二が井上KO勝ちを予想
自身のYouTubeチャンネル『竹原テレビ』にて「5R以内にKO勝ちするんじゃないですか」と井上のKO勝利を予想し、「(ネリが)万全に仕上げてもやっぱり格が違うんじゃんないの」と実力差でも井上が勝っていると話した。
引用元:https://youtu.be/ONgUZQBSGSc?si=cDWf99D-NsTvhKMs
■世界4階級制覇王者ニエテス「井上にとっては簡単」
格闘技系YouTubeチャンネル『格闘キャスト』にゲストとして出演した際、ニエテスは井上vsネリの試合について聞かれると、「井上のスキルは素晴らしく、彼は速く、強い、優れた選手だ」と井上を評価し、試合の予想については「尚弥にとっては非常に簡単な試合になるだろう」と述べ、KOか判定についても聞かれると「8~9ラウンドで100%ノックアウトする」と答えた。
引用元:https://youtu.be/i9OvE0pRhs8?si=gXZVAwgN4Pj-QKDl
■井上の父である井上真吾トレーナーは冷静なネリ評
井上尚弥の父でありトレーナーの井上真吾氏は、ネリの公開練習を見た際、「(ネリの)ワイルドな打ち方は想定内。本気ではやっていないとは思うんですけど、パワフルさは感じたけどキレとかはそう感じなかった」とコメントした。
引用元:https://youtu.be/1R5Ppys_eSQ?si=36ZIMeqSOUKkejj2
■亀田三兄弟の父・亀田史郎が「逆張り」予想?
亀田史郎氏は、自身のYouTubeチャンネルにて、「冗談抜きでネリの勝ちですわ。(亀田家に否定的な発言をしたことがある)井上尚弥が嫌いだからとかそんなんじゃないで。俺もボクシングはド素人よりかはわかるから」と熟考の上で、ネリの勝利を強く予想したと主張。
また、多くの人がネリが井上に負けると見ていることに対して、「(ネリは)負けても勝っても引退します。捨てるものがない。負けてもお金はもらえます。ただ、あのリングでやりたいことは、たぶんネリ陣営は持っています。捨てるものがないネリは『一発喰うたろうか』と(いう捨て身の作戦では)」と話し、前回の井上vsタパレス戦を例に出し、「前回のタパレス戦もロープ際が多かった。(井上は)決してファイターが好き(得意)じゃない。ネリは正直パンチがある。左フックはバケモン(級)ですから。たぶん、やっている時に(井上は)驚くと思いますし、(ネリは)意外と器用です」と井上が負けるとする理由を解説した。
またネリの覚悟という面で「ネリは今回、捨てるものがない。とにかく勝ったらえげつないことになるというのは分かっているから。こいつは人生を全部かけてきています。だから、俺は今回、(ネリが井上を)喰うてまうんちゃうかと。俺の予想は喰うてまうで」とネリの立場になった独自の意見を展開した。
さらに史郎氏は「それと、東京ドーム。魔物が住んでいます。大きい試合は(魔物)が出てきます。」と付け加え、1990年2月に同会場でマイク・タイソンがジェームス・ダグラスに敗れた「世紀の大波乱」の再来を予想した。これまで誰もが井上勝利を予想したが、史郎氏は独自の視点でネリ側の立場から今回の試合を考察・予想した。
引用元:https://youtu.be/bIRt_XtTYkM?si=epB37q4PP3HHxcGQ
■井上戦を待望するIBFランキング1位のサム・グッドマン
海外のボクシングメディア『NO LIMIT BOXING』に出演した井上と同階級のIBF指名挑戦者グッドマンは、「2024年にターゲットにしている選手は誰ですか?」と尋ねられた際に「ベルトを持っている選手ですね。なので井上選手ですかね」と井上の名前を挙げ、ネリ戦についても「(井上から)ベルトを掴むチャンスがあれば両手で掴み取りますよ。井上がネリを倒す必要がありますが、まぁ井上が勝つでしょうね」と概ね井上勝利の予想。
試合の内容に関しては「激しい試合になるでしょう。両者ともにパワーがあり、井上のほうが技術的に優れていますが、ネリのパンチはとくに重い」とそれぞれを評価している。
引用元:https://youtu.be/UwbmmMfUfB4?si=hSbCRDwTqKujWx61
■元世界ライトフライ級王者の具志堅用高は井上苦戦予想を一笑に付す
自身のYouTubeチャンネルにて、具志堅用高氏は「(井上は)大振り(のパンチ)を食わなければ、パワーはあるからネリはね」と述べ、海外メディアでは井上は苦戦するという内容に関して尋ねられると具志堅は「それはないね」ときっぱり否定し、この試合は5R以内に勝負が付くと話した。
引用元:https://youtu.be/d3GOGglEv5Y?si=Q6mvO2JjCQKKny7w
■名門リング誌の予想企画は20人全員が井上勝利を支持
名門『The Ring』誌(リングマガジン)は、同誌の記者6人と業界識者14人による予想企画記事において、20人全員が井上の勝利を支持する内容を公開した。
同誌のダグラス・フィッシャー編集長は、ネリを危険な挑戦者を評価しつつも「運動能力に限界がある」とし、ガードを下げてパンチを振り回す癖が井上の強打の餌食になり、5ラウンド過ぎにもTKOで決まるとした。ほかの記者や識者も井上のTKO、KO勝利を予想し、わずか2名が判定勝ちを予想する内容だった。ラウンドを指定している予想は多くが6〜8Rの中、スポーツキャスターとしてエミー賞を4度受賞する大物評論家リッチ・マロッタ氏は3R決着を挙げていた。
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