バスケットボールにおいては、最も多くの項目をこなせる選手が最も貴重とされる傾向にある。
選手の万能性をたたえる上で、5x5ほどのスタッツはない。
トリプルダブルはかつてほど希少なものではなくなった。だが、5x5の達成は大変難しい。不思議なことではないだろう。各チームのプレイが速くなるほど、対処すべきスペースが増えるほど、5x5を達成するために必要なブロックやスティールが難しくなるからだ。
5x5とは何か。そしてNBAの歴史においてどれだけ達成されているのか。ここでまとめる。
バスケットボールにおける5x5ゲームとは?
5x5は選手がひとつの試合で5得点&5リバウンド&5アシスト&5ブロック&5スティール超を達成することだ。
NBAは1973-1974シーズンまでブロックとスティールのスタッツを集計していない。そうでなければ、ウィルト・チェンバレンやビル・ラッセルといった選手たちは、5x5の歴史に大きな名を残していたことだろう。
NBAにおいて5x5はどれほど珍しいのか?
5x5といえば、アキーム・オラジュワンだろう。
NBAの歴史において、5x5が達成されたのは21回。そのすべてがレギュラーシーズンの試合だ。オラジュワンはそのうち6回を記録している。オラジュワンのほかに5x5を複数回達成したのは、3回達成のアンドレイ・キリレンコだけだ。
それだけではない。オラジュワンはひとつの試合で5x5に加えてトリプルダブルも達成したことのある唯一の選手だ。しかも、ここでもオラジュワンは複数回達成している。5x5に加えてクアドルプルダブルの達成に迫ったこともあった。
NBAの歴史で最初に5x5を達成したのは、ジョージ・ジョンソン。最も直近で達成したのは、ユスフ・ヌルキッチだ。2024年2月22日(日本時間23日)には、サンアントニオ・スパーズのビクター・ウェンバンヤマが、19得点、13リバウンド、5スティール、5ブロックを記録したが、4アシストと5x5には1アシスト及ばなかった。
しかしその翌日、2月23日(同22日)のロサンゼルス・レイカーズ戦で、ウェンバンヤマは敗戦ながらも27得点、10リバウンド、8アシスト、5スティール、5ブロックを記録し、2020年代初の5x5達成者となった。
『Stathead』によると、NBAの歴史における5x5は以下のとおりだ。
選手 | 年 | 得点 | リバウンド | アシスト | スティール | ブロック |
ジョージ・ジョンソン | 1978 | 15 | 18 | 5 | 5 | 7 |
ジョージ・ガービン | 1979 | 21 | 5 | 6 | 5 | 5 |
ジュリアス・アービング | 1979 | 28 | 7 | 10 | 5 | 5 |
アキーム・オラジュワン | 1987 | 38 | 17 | 6 | 7 | 12 |
アキーム・オラジュワン | 1990 | 29 | 18 | 9 | 5 | 11 |
アキーム・オラジュワン | 1992 | 19 | 13 | 6 | 5 | 5 |
デイビッド・ロビンソン | 1992 | 29 | 9 | 5 | 5 | 10 |
デリック・コールマン | 1993 | 21 | 10 | 7 | 5 | 5 |
アキーム・オラジュワン | 1993 | 33 | 13 | 5 | 5 | 5 |
アキーム・オラジュワン | 1993 | 24 | 19 | 6 | 5 | 5 |
アキーム・オラジュワン | 1993 | 34 | 10 | 5 | 5 | 8 |
ブラデ・ディバッツ | 1995 | 19 | 12 | 8 | 5 | 5 |
ジャマール・ティンズリー | 2001 | 12 | 9 | 15 | 6 | 5 |
アンドレイ・キリレンコ | 2003 | 19 | 5 | 7 | 8 | 5 |
アンドレイ・キリレンコ | 2003 | 10 | 12 | 6 | 6 | 5 |
マーカス・キャンビー | 2004 | 8 | 11 | 5 | 5 | 8 |
アンドレイ・キリレンコ | 2006 | 14 | 8 | 9 | 6 | 7 |
ニコラ・バトゥーム | 2012 | 11 | 5 | 10 | 5 | 5 |
ドレイモンド・グリーン | 2015 | 24 | 11 | 8 | 5 | 5 |
アンソニー・デイビス | 2018 | 12 | 16 | 6 | 5 | 5 |
ユスフ・ヌルキッチ | 2019 | 24 | 23 | 7 | 5 | 5 |
ビクター・ウェンバンヤマ | 2024 | 27 | 10 | 8 | 5 | 5 |
原文:What is a 5x5 game in basketball? Full list of NBA players to accomplish rare statistical feat(抄訳)
翻訳:坂東実藍