【インタビュー】マジックの昨季新人王バンケロが語る2年目の成長

Steve Aschburner, NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

【インタビュー】マジックの昨季新人王バンケロが語る2年目の成長 image

オーランド・マジックのパオロ・バンケロは、浮き沈みのあったルーキーシーズンに絶えず注目された。2年目の今季、もう彼に注意を払わないなどあるだろうか?

バンケロは上昇中のマジックにおける若きリーダーだ。新人王に輝いた昨季から全般的に向上している。数字はそれほどではないが、シューターとして、そしてディフェンダーとして成長した。

[AD] NBA見るならWOWOW!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

今季のバンケロは平均19.4得点、6.4リバウンド、4.3アシスト、フィールドゴール成功率47.7%、3ポイントショット成功率45.5%を記録している。得点、FGと3Pの成功率は、2022年組のトップだ。

マジックにとってより重要なことに、バンケロはクラッチタイムの重要な局面で活躍するようになった。21歳になって3日後の先日、敵地でのシカゴ・ブルズ戦では、終盤に決勝点をあげている。11月21日(日本時間22日)のデンバー・ナゲッツ戦では23得点をあげており、王者を相手に残り1分49秒でマジックをリードに導く3Pを沈めた。

マジックは10勝5敗で4チームが並ぶイースタン・カンファレンスの2位タイにつけている。ブラックフライデーの24日(同25日)には、フロリダ州オーランドの本拠地アムウェイ・センターで東地区首位ボストン・セルティックスと対戦だ。インシーズン・トーナメントの一戦で、マジックは勝てばイーストのグループC首位に浮上する。

先日のシカゴ遠征時に、『NBA.com』のインタビューでバンケロが話してくれた。


――今季はいくつかの点を改善してシーズンに臨もうとした?

もちろんさ。高校から大学まで、毎年オフシーズンになると、もっと向上させたいことがあるものだ。2年目に向けて改善したいことのリストがあった。

――ジャマール・モズリー・ヘッドコーチはそのひとつに守備をあげていた。

間違いない。夏にかなり映像を見たよ。守備には自分でいら立っていたんだ。すべての試合じゃないけど、もっとうまくやれたはずという試合や場面があった。プロでは本当にみんなすごい。守備に取り組むことはできる。でも、大きいのはより良い状態でいることなんだ。それからポジショニングを理解すること。自分がコートのどこにいるべきかということだ。それは映像を見て分かるんだよ。試合を研究するんだ。

――ディフェンダーとしてどれくらいになりたいのか。いつかオールディフェンシブチーム入りも?

いずれね。自分に限界をもうける理由はないと思う。僕にはフィジカルの武器があり、それをやれるだけのアタマもある。試合ごとに、攻撃同様に守備でもうまくやろうとする心構えが必要だ。今季は向上できたと思うけど、引き続き学んでいるところだよ。

――特定のスキルに絞ったのは良かった。改善点を聞くと「全部」と答え、どれについても少ししか伸びないという選手もいる。

僕はずっとそうだった。いつも万能で、コート上のことをいろいろできた。自分が得意ではないことを見つけ、改善させようとしてきたんだ。ショットだろうが、守備だろうが、ニュアンスとか、ある種の読みだったり、(ショットの)スポットを手にしたりとか。それをさらに向上させようとしている。

――何も見つけられなくなったら、心配ごとは終わりということだね。

「その日がくるといいね(笑)」

――では、ショットが良くなっている理由は?

僕がずっと優先してきたことだ。ショットを向上させ、より安定させること。夏にかなり取り組んだ。映像もたくさん見たよ。ルーキーイヤーでショットがより良かった時期と、不調の時期の映像を見て、何が違い、何を調整できるか考えた。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

――マジックは11選手が24歳以下で、NBA経験が3シーズン以下という最も若いチームのひとつだ。昨季からどんなところが成熟したと思う?

全員、真剣さや取り組み方のレベルが上がったと思う。昨季がそうじゃなかったという意味じゃない。でも、みんな健康に戻ってきて、プレイオフ進出や東地区で競っていきたいというモチベーションを持っている。危機感のようなものが高まっているのが感じられるんだ。ここまではうまくいっており、戦えている。もちろん改善点はあるけど、毎日努力していると思う。

――ビッグマンのウェンデル・カーターJr.が手の手術を受けて離脱したが、短期的な課題は?

大きな挑戦だね。彼は攻守両面でチームにとても多くをもたらしてくれる。たくさんのことを改善し、多くの選手がカバーしなければいけない。お互いに助けようとしなければならない。彼がいない時の僕らが良くないのは明らかだ。でも、それでも僕らは効果的になり、試合に勝つことができる。

――今月、メキシコシティでの試合ではアトランタ・ホークスに119-120で敗れた。どうだった?

面白かったよ。メキシコは初めてだったんだ。超エキサイティングな試合だった。観客が素晴らしかったよ。雰囲気がすごかった。でも、標高は本当にキツかった。試合の日までそのことはあまり知らなかったんだ。デンバーより4000フィート(約1219メートル)とか高いんだよね(※デンバーの5280フィート/1609メートルに対して7349フィート/2240メートル)。それを感じるんだ。試合を通じて足が泥にはまったような感じだった。でも、それでも僕らには勝つチャンスもあったよ。

――インシーズン・トーナメントについてはどう思った?

ちょっと違うね。両チームに激しさがあると思う。コートも違うし、少し異なる感じだ。それほど(プレイに)違いが出るほどとは言わないけど、違いを感じるのは確かだよ。

――昨季の新人王として、びビクター・ウェンバンヤマとチェット・ホルムグレンのここまでの印象は?

まだどちらとも対戦していないけど、それぞれ良いスタートを切っているね。オクラホマシティ・サンダーは本当に良いプレイをしているし、同じ年のドラフトだったから、チェットのことは以前から知っている。彼がああやって成功しているのを見られて良かった。

――昨季の彼は試合に出なかったが、ずっとチームといた。それが役立ったと思う?

それは100%だね。だから彼がこんなに良いスタートなんだと思う。1年学び、遠くから見て、そこから吸収したんだ。練習、試合、移動とね。そうやってこの実際に試合に出るようになった1年目に調整してきたんだ。彼が上位指名だったのには理由がある。だから、彼がうまくやるのは分かっていた。今の彼はそれを証明している。

――ウェンバンヤマは?

ラスベガスで会ったけど、最初は本当に背が高くてびっくりした。圧巻だよ。あのサイズで彼がすることをいくつか見たけど、唯一無二だ。7フィート(約213センチ)超でああいう動きができるのは、彼とチェット、ボル・ボルしか見たことがない。そして彼はほかの2人よりも高いんだ。

――このシカゴ遠征では3日滞在で2試合、12月にはボストンで2試合連続だ。こういった遠征にどう対処している?

今季は、この序盤戦で、チームメイトとか友人とか、誰かしらともっと出かけるようにしてきた。街にいる家族とかね。とにかくホテルから出て、夕食に行ったり、観光をしたり、映画を観たり、ショッピングをしたりするんだ。昨季はずっと部屋に閉じこもっていた。みんなと交流しないとキツくなる時もある。今季はそれをなくしたい。

ここには祖母や親友のひとりがいる。祖母はシアトルで暮らしているけど、シカゴに住む友達がいるんだ。だから、この試合を見に来たがったんだよ。オーランドでのホームゲームを見るにはすごく遠い。だからこれなら友達に会い、僕の試合も見に来ることができるんだ。

原文:Q&A: Young Magic star Paolo Banchero continues to grow in 2nd season(抄訳)
翻訳:坂東実藍

[AD] NBA見るならWOWOW!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

Steve Aschburner, NBA.com

Steve Aschburner, NBA.com Photo

NBA.com

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。