オールNBAチームの選出以上に難しいことはない。
NBAにはかつてないほどタレントがそろっており、選手たちは歴史的な活躍を見せている。現在もスキルのレベルは見事なまでに上がり続けているところだ。
だからこそ、NBA最高の15選手を選ぶのは不可能に近い。惜しくも選外となる選手や、昨季の候補と比べて新たな顔も少なくないはずだ。
新たに受賞には出場65試合という条件が加わったため、多くの選手がこのリストから外れることになった。ジョエル・エンビードやドノバン・ミッチェル、ジミー・バトラー、ジャマール・マレー、カイリー・アービングといった選手たちだ。
もうひとつ、注目すべき重要なルール変更は、オールNBA選出にポジションが関係なくなったことだ。投票者が15人ともガードにしたければ、NBAはそれを認める。
ここでは、真のトップ選手15人をピックアップした。
オールNBAファーストチーム予想
- シェイ・ギルジャス・アレクサンダー
- ルカ・ドンチッチ
- ヤニス・アデトクンボ
- ジェイソン・テイタム
- ニコラ・ヨキッチ
ギルジャス・アレクサンダー、ドンチッチ、アデトクンボ、そしてヨキッチの4人は他を抜きんでている。彼らはそれぞれ、MVP投票でもそれぞれ名前があげられるべき選手たちだ。
ヨキッチは昨季の優勝までの道のりで、すでにリーグ最高の選手であることを証明した。歴史に残る素晴らしいタッチのフローターで止めることが不可能なスコアラーだ。最高のパサーでもあり、終盤が厳しい試合ではナゲッツのチートコードとなる。3回目のMVPを競うべき選手だ。
ギルジャス・アレクサンダーはリーグ最高級のドライバーだ。また、卓越したディフェンダーにもなった。リーグで2番目に若いチームであるサンダーは、彼のおかげで予定よりもはるかに先をいくことができている。
ドンチッチは本当に守ることが不可能な選手だ。ステップバックジャンパーは改善され、1on1のスコアラーとして、相手がヘルプをしてこなければ破壊的な活躍を見せる。例えばアトランタ・ホークス戦の73得点だ。また、正確なパスでダブルチームも崩してしまう。
最後の一枠に入れたのはテイタムだ。得点力を保ち、堅実な守備をして、レギュラーシーズンで最高だったチームのベストプレイヤーだった。
オールNBAセカンドチーム予想
- アンソニー・エドワーズ
- ジェイレン・ブランソン
- カワイ・レナード
- ケビン・デュラント
- アンソニー・デイビス
エドワーズというスター選手の飛躍なしに、ウルブズが昨季の42勝から今季の50勝超に上昇することはなかった。その並外れた得点力はもちろんだが、エドワーズは試合終盤にどんなタフな仕事も引き受け、大事な時に活躍する。
ブランソンは厳しいシーズンを通じてニックスをけん引してきた。手薄になった攻撃においてチームを引っ張り、激しい守備のプレッシャーに対処した。守備では常に自らの体を投げ出すこともいとわず、テイクチャージで2位につけている。
レナードは攻守両面で調子を取り戻した。相手からボールを奪う「クロウ」(爪)が戻ってきたのだ。比較的健康も保ち、3ポイントショット成功率が40%超と、ショットも自身最高のシーズンのひとつだった。
デイビスは今季、平均2.4ブロックを記録し、フロア全体でスイッチするなど、リーグ五指に入るディフェンダーだった。攻撃でも平均3.1オフェンシブリバウンド、フィールドゴール成功率55.4%と有数の出来だ。
35歳という年齢でも、デュラントは特別な選手だ。平均27.4得点はリーグ5位、3P成功率は41.8%とリーグ最高級。守備やウィークサイドのリムプロテクションも健在だ。
オールNBAサードチーム予想
- ステフィン・カリー
- タイリース・ハリバートン
- ディアロン・フォックス
- レブロン・ジェームズ
- ビクター・ウェンバンヤマ
カリーは昨季ほどの出来ではなかった。得点、ショット、パスがごくわずかだが落ちている。それでも、リーグで最も影響力のある選手のひとりで、試合終盤にボールを託したい選手であることは変わらない。年間最優秀クラッチ選手賞に選ばれる可能性が高い。
ハリバートンは以前の先入観に影響されるかもしれない。シーズン後半戦よりも前半戦のほうがずっと良かったからだ。バディー・ヒールドの不在や、ハムストリングの負傷でペースダウンした。だが、健康だった時の彼がトップ10に入る選手だったことを忘れてはいけない。そのプルアップジャンパーやスピード、パスは特別だ。
サクラメント・キングスはこのリストに選手を輩出するにふさわしい。ドマンタス・サボニスを外すのは非常につらかったが、フォックスを選出した。信頼できるガードで、あらゆる面を向上させている。そのひとつが、成功率36.5%と大きく向上した電光石火のスピードを補完する3Pだ。
39歳という年齢でジェームズがまだこれだけ効果的な存在であるのは驚きだ。調子が良い時はまだエリート級の守備が可能で、攻撃では常に素晴らしいショットをつくり出す。
サンアントニオ・スパーズの出来を考えれば、ウェンバンヤマを選ぶのは議論を呼ぶかもしれない。だが、個人のプレイに基づいての選出とした。リーグ最高ディフェンダーの候補として騒がれ、攻撃力も分単位では素晴らしい。毎日のように、誰も夢にすら思わなかったようなことを成し遂げている。
オールNBA予想
ファーストチーム | セカンドチーム | サードチーム |
---|---|---|
ルカ・ドンチッチ | ジェイレン・ブランソン | タイリース・ハリバートン |
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー | アンソニー・エドワーズ | ステフィン・カリー |
ジェイソン・テイタム | カワイ・レナード | ディアロン・フォックス |
ヤニス・アデトクンボ | ケビン・デュラント | レブロン・ジェームズ |
ニコラ・ヨキッチ | アンソニー・デイビス | ビクター・ウェンバンヤマ |
次点:デビン・ブッカー、ドマンタス・サボニス、ポール・ジョージ、ジェイレン・ブラウン、バム・アデバヨ、ルディ・ゴベア、タイリース・マクシー、クリスタプス・ポルジンギス、ザイオン・ウィリアムソン、ブランドン・イングラム、デマー・デローザン、デイミアン・リラード
原文:All-NBA Teams 2024: Expert picks from TSN's Steph Noh include Victor Wembanyama, LeBron James(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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