ヒューストン・ロケッツは7月、クリス・ポールをオクラホマシティ・サンダーに放出し、元MVPのラッセル・ウェストブルックが元MVPのジェームズ・ハーデンと再びチームメイトになった。
オーナーのティルマン・フェティータは「我々はより良いチームになったと思う」と話した。
「歴代でも有数のスコアラーと、もっとも運動能力の高いひとりが一緒だなんて、これ以上ないほどにワクワクする。本当に興奮しているよ。がっかりさせないでほしいね」。
ダリル・モーリーGMは、オールスターコンビが「本当に特別になるかもしれない」と述べている。
「正直、ハーデンはわたしが見た中で最高のハーフコートプレイヤーだから、ワクワクするよ。それに、ラッセルはトランジションで最高の選手だ。歴代有数だよ。その彼らが一緒になれば、我々にはチャンスがあると思う。本当に特別だ」。
それぞれボールを支配するスターで、自分たちのショーを披露するのに慣れている彼らだが、サンダー時代にチームメイトだったケンドリック・パーキンスは、『NBA.com』で「ともにまだ全盛期にある。うまくいかないはずがない」と、両選手のことを信じている。
「優勝すると保証したりはしない。だが、NBAの歴史でも有数のダイナミックなバックコートになるかもしれないと信じている。これほどのポイントガードとシューティングガードが同じチームだなんて、これまで見たことがないんじゃないか。わたしは、うまくいくと思っている」。
ハーデンはウェストブルックが「球団全体を引っ張る重圧を心配したり、そのストレスを感じる必要がない」と話した。責任は分かち合うからだ。ウェストブルックも「双方にとって良いと思う」と話す。
「同じチームになり、大切なのは、お互いに頼れて、犠牲を払えること。多くをやらなくても試合にインパクトを残せるようになることだ。バスケ以外で僕たちの仲が良いのはあまり知られていないと思う。僕らは互いに理解し、コミュニケーションをとれると思うよ。試合になれば、簡単なはずだ」。
2018-19シーズン、ウェストブルックとハーデンはともにユーセージ率が15位以内だった。だが、ハーデンは「彼がいく時に僕はどうすると思う?」と、譲る姿勢を見せている。
「引いて、ショーを見るのさ。そしてお互いにそうすることになる。『前半は彼がボールを持つから、後半は自分が』とかじゃないんだ」。
昨季、ハーデンの1試合平均プレイ時間は36.8分とリーグ3位。ウェストブルックは36.0分で4位だった。パーキンスは、スタイルが求める肉体的負担を考えれば、ハーデンが別のだれかに譲る機会を歓迎するはずと考えている。
パーキンスは「ハーデンは時々自分が目立たなくなるように、別のだれかが出てくるのを望んでいるんだ」と話した。
「昨年のウェストブルックは、ポール・ジョージに多く譲っていた。彼は成熟したんだよ。自分がより良いリーダーになれるということを見せ始めているんだ。子どもができ、家族ができれば、考え方が全体的に変わるのさ。ウェストブルックは成熟したと思う。それは疑いない。わたしは、もっとも重圧がかかるのは、マイク・ダントーニ・ヘッドコーチだと思うな」。
そのダントーニHCは、ハーデンとウェストブルックのシーズンを通じたプレイ時間の調整を検討している。1試合平均でハーデンが13分、ウェストブルックが16分休むとみられる。
東京で行なわれたプレシーズンマッチ初戦、トロント・ラプターズに129-134と敗れた一戦で、ウェストブルックは20分間プレイし、13得点、2リバウンド、6アシストを記録した。
ダントーニHCは「だれかにあれをしろ、これをしろと言う必要はない。一緒に解決していく。我々は良い状態にあるよ。今は素晴らしい状態だ。今はタイトル獲得だけを目指している」と述べている。
だれもが、ウェストブルックにプレイスタイルの変更を求めることはないと言っている。それは、ダントーニHCにとってのプレッシャーとなる。
パーキンスは「ウェストブルック加入でシステムを変えなければいけない。彼の武器のひとつは中距離からのプルアップジャンパーだからだ」と述べた。
「ダントーニHCにとってはプレッシャーだよ。プレイスタイルを変える必要があるか?そうだね。ウェストブルックがウェストブルックであるために、変えなければいけないだろう。彼が3ポイントシューターでないことは周知のとおりだ」
「サンダー時代の彼らは、自分たちがどんな選手かを見出そうとしていた。でも、今はまったく違う。彼らは自分たちが何者か分かっている。これだけの賛辞を浴びるだけのことをしてきた。彼らが実現していないのは、優勝だけだ。ロケッツにはすべての選手がそろっている」。
原文:James Harden-Russell Westbrook duo ready to do something 'really special' by Michael C. Wright/NBA.com(抄訳)