エル・クラシコ前夜:リオネル・メッシの物語(後編)

Mike DeCourcy

エル・クラシコ前夜:リオネル・メッシの物語(後編) image

イーガンの説明によると、メッシは左サイドバックのジョルディ・アルバと「信じられないほどの連携」を構築してきた。アルバは過去数年に渡り、ネイマールの後方でプレーしてきた選手だ。ネイマールがパリのチームに移籍した後も、このアルバの前進力によって、バルセロナは高い頻度でメッシをサイドに配置することができるようになった。

MORE: 今なら無料視聴可。スポーツを見るならDAZN(ダ・ゾーン)に!

「メッシとアルバは、ラ・リーガにおいて、ゴール&アシストとして最高のコンビだ」イーガンは述べた。「メッシがわずかに深いところにボールを落とし、ボールを拾って、左のスペースにいるアルバを確認する場面を目にするでしょう。それからアルバは真っすぐメッシのところにボールを戻して、メッシはペナルティーボックス内へと急ぐ。そして得点を決める。メッシのゲームはネイマールなしでは苦戦するかもしれない、と多くの人が感じていたかもしれない。でも実際は、その逆だったんです」。

30歳を迎えるというマイナス面から、メッシの選手としての輝きに陰りが出るかもしれないという懸念は、少なくとも先送りされた。例えばNFLで、ニューイングランド(ペイトリオッツ)のトム・ブレイディが、これからさらに10年もの間、最も信頼できる選手として期待されるのに対し、サッカー選手の引退までの期間は比較的短いと思われがちだ。

リバプールの元スーパースター選手で、2001年にバロンドールを受賞したマイケル・オーウェンについて考えてみてほしい。彼は先日38歳になった。彼が試合から離れて、5年が経つ。

8月以降、メッシはスペイン・スーパーカップでホームとアウェーの計4試合に出場、チャンピオンズリーグでは4回、ラ・リーガでは現在まで全15試合に出場し、さらにアルゼンチン代表としては予選に4度出場している。衰えの兆候など見られない。彼は4-4-2のダイアモンドフォーメーションでのポジション変更にもすぐに馴染んで、ストライカーのルイス・スアレスの後ろにつき、いつも通り良い調子でプレーしている。

が、ブライアン・ダンセスは言う。「彼は報道陣からだけでなく、クラブチームと国の両方からの不満を耳にしていると思います。スペースを作ることができるように、もう少しボールから離れるプレーをしろというものです。ネイマールが去り、1人欠けることへの脅威を把握しつつ調整してこなければならなかったのはわかるが、未だにアルゼンチン代表とのプレーで慣れ親しんだいつもの感覚に戻ってしまうのだと、私は思います」。

ラ・リーガのシーズンが終了した時(チャンピオンズリーグの決勝戦の後でも)、自分が快適だと思えるプレーを、自国の代表チームでも実践できるかどうかは難しいところだ。メッシは、自身3回目となるW杯の準備のため、アルゼンチンに帰還する。

「結局、リオネル・メッシはどんな対戦相手にとっても最初の標的となるはずだ。相手チームはできる限りメッシの力を抑える方法を見つけることが必要になるだろう」ダンセスは述べた。

原文: El Clasico Christmas: Barca's great Lionel Messi not slowed by old age, new responsibilities

翻訳:Ayako Hayashi

Mike DeCourcy

Mike DeCourcy Photo

Mike DeCourcy has been the college basketball columnist at The Sporting News since 1995. Starting with newspapers in Pittsburgh, Memphis and Cincinnati, he has written about the game for 35 years and covered 32 Final Fours. He is a member of the United States Basketball Writers Hall of Fame and is a studio analyst at the Big Ten Network and NCAA Tournament Bracket analyst for Fox Sports. He also writes frequently for TSN about soccer and the NFL. Mike was born in Pittsburgh, raised there during the City of Champions decade and graduated from Point Park University.