エル・クラシコ前夜:リオネル・メッシの物語(前編)

Mike DeCourcy

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来年、ロシアで開催されるワールドカップ。その大会のどこかで、あの偉大な選手メッシが、ベンチに座っている姿など誰に想像できよう。

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メッシ自身も想像していないはずだ。現在アルゼンチン最高の選手である彼は、自国のチームをロシアW杯に出場させるべく、できる精一杯のことをした。そして、あらゆることを成し遂げた。ワールドカップ南米予選では、W杯出場をかけたアウェーの最終戦で見せたハットトリックによって、過去12年間負け続けたエクアドルに勝利したのだ。

「選手が自国をW杯に導くという大きなプレッシャーを背負ってスタジアムに進む姿を見るのは、気が遠くなるようなことだ」。ラジオ「カウンターアタック」の司会者ブライアン・ダンセスはスポーティングニュースに対しこう述べた。「リオネル・メッシとアルゼンチン代表のいないW杯を想像するなんて、実に恐ろしいことだ」。

「リオネル・メッシが過去の偉大な選手と同様に認められるには、W杯で優勝しなければならない。偏った見方のように思えるけれど、特にペレやマラドーナと並ぶにはね。いまとなっては、これはだいぶ現実的な話になってきた」。

あの夜、エクアドルに勝利した例の試合がなければ、自身とサッカー界のレジェンドたちとの間にそびえ立つ壁を取り除きたいというメッシの希望は、崩れ去ったことだろう。だが、現在30歳のメッシの実力が衰えることはなかった。スペインにとっても、その他の国にとっても、喜ばしくないニュースであったろう。

FCバルセロナがデポルティーボ・ラ・コルーニャと対戦し、クリスマスイブ前夜の対レアル・マドリード戦「エル・クラシコ」について考えないようにしている間にも、メッシは14ゴールを決め、2位に4ゴール以上の差をつけてラ・リーガで首位に立った。これによりバルサは勝ち点39で、続くチームとの差は5点となった。

これらはすべて、新監督エルネスト・バルベルデの下、シーズン開幕の数週間前にパリのサンジェルマンに移籍したフォワードのスター選手ネイマールを欠いた状態で、成し遂げたことだった。バルベルデ監督にはメッシがいて、そしてそのメッシが期待に応えることで、チームが効果的に機能している。

「シンプルな切り返しと、リオネル・メッシをゴールに十分に近づけることが、彼の戦略のひとつです」。ビーイン・スポーツのケビン・イーガンは述べた。「彼は去年よりもたくさんシュートを放っている。そしてメッシがゴール前にいれば、ミスをすることはない。シュートを打つという単純なことが、とても大きいことなのです」。

メッシは、キャリアがスタートした14年前から今まで、ラ・リーガでは363ゴールを、全出場試合では通算525ゴールを決めている。

後編へ続く)

Mike DeCourcy

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Mike DeCourcy has been the college basketball columnist at The Sporting News since 1995. Starting with newspapers in Pittsburgh, Memphis and Cincinnati, he has written about the game for 35 years and covered 32 Final Fours. He is a member of the United States Basketball Writers Hall of Fame and is a studio analyst at the Big Ten Network and NCAA Tournament Bracket analyst for Fox Sports. He also writes frequently for TSN about soccer and the NFL. Mike was born in Pittsburgh, raised there during the City of Champions decade and graduated from Point Park University.