MLBパワーランキング:異例尽くしの2021年シーズン開幕。順当なものはドジャースだけか

Joe Rivera

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野球とはまったく奇妙なスポーツだ。

上は下になり、黒は白になり、左は右になったのが、2021年MLBシーズンの序盤戦だ。ニューヨーク・ヤンキース、アトランタ・ブレーブス、ミネソタ・ツインズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ、カンザスシティ・ロイヤルズ、そしてシアトル・マリナーズ。この中で勝率5割を越えているのは僅かに3チームだけだ。そしてその3チームはあなたの予想とはたぶん異なっているだろう。

通常、我々は5月末の戦没将兵追悼記念日あたりから各チームの現実的な順位を追い始める。それはまだ1か月以上も先の話だ。そして、ここまでは上位に予想されていたチームが軒並み下位に沈んでいる。ワシントン・ナショナルズ、シカゴ・カブス、ヤンキース、そしてブレーブスのどれもが不本意なスタートを切った。そうなると単純な疑問が浮かんでくる。一体全体、何が起きているのか。

早い段階での野球はいつでも変だ。まださほど心配することはない。ただ面白がっていればいいのだ。

考えすぎることはない。怒ることもない。これはもっとも重要なことではあるが、私たちに抗議のメールを送らないでほしい。

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スポーティング・ニュースが2021年初めて送るMLBパワーランキングは以下の通り。

トップ10

1. ロサンゼルス・ドジャース

数少ない順当な例のひとつだ。ドジャースはもっとも強いチームのままで、2020年のワールドシリーズ制覇はミッキーマウスが起こした奇跡ではなかったことを証明するかのように勝ち続けている。

サンディエゴ・パドレスとの最初のシリーズは見応えがあった。ナショナル・リーグのトップに位置するこの2チームが激しく争う場面を2021年シーズンに何回も見られることを祈る。

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2. サンディエゴ・パドレス

予想通り、パドレスの投手陣は好調だ。そしてドジャースとの最初のシリーズはこの両チームの争いが今シーズンの大きな楽しみとなることを証明した。

パドレスは序盤戦からフェルナンド・タティス・ジュニアを欠くことになった。このスーパースター遊撃手は肩の故障を抱えたままで今シーズンの残りに臨むことになる。タティスの腕がしっかり肩についていることを期待したい。そしてパドレスが同地区のドジャースの背後についていくことも。

3. ボストン・レッドソックス

レッドソックスは崩壊したか?まだのようだ。

レッドソックスはアレックス・コーラ監督が今シーズンから復帰した。J.D.マルティネスとラファエル・デバースら打撃陣が奮闘するなか、投手陣も昨年からの不調を脱しつつある。ネイサン・イオバルディは先発ローテーション1番目の役割を安定して担えそうだ。クリス・セールもシーズン終盤には復帰するだろう。この好調は持続するだろうか。先のことは誰にも分からないが、今のところは上手くいっている。

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4. シンシナティ・レッズ

2年前のことを覚えているだろうか。その頃のレッズは球界最高レベルの投手陣を有する一方で、打撃陣は球界最低レベルだったが、ニコラス・カステヤノスとマイク・ムスターカスが昨シーズンからチームに加わったことで、その状況は改善された。今シーズンここまでのレッズは1ゲーム平均で6点以上を挙げ、打撃成績はMLBでもトップレベルだ。

5. シカゴ・ホワイトソックス

カルロス・ロドンは好不調の波が激しく、完成されているとは言い難い投手だ。だが、それでもノーヒットノーランを達成したことは偉業に他ならない。

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現在のところホワイトソックスは地区でトップに立っているわけではない。だがベテラン打者たちが調子を取り戻してくると、このチームは順位を上げてくるはずだ。そしてアメリカン・リーグ中地区で覇権を争う相手はミネソタ・ツインズになるだろう。同地区で現在トップのカンザスシティ・ロイヤルズはゲームストップ社の株価のように急落すると思われる。

6. ミルウォーキー・ブリュワーズ

コービン・バーンズに注目していた人はいるだろうか?

バーンズの今シーズンここまでの成績は素晴らし過ぎて、ほぼ非現実的と言ってもいい。ブリュワーズが先発投手としてバーンズを信頼してきたことが、ここになって実を結んだ感がある。なにしろ4月18日までに3試合に先発登板し、18回1/3を投げて、僅かに1失点しか許していないのだ。

ブリュワーズはクリスチャン・イエリッチを故障で欠いた穴を埋めることが緊急の懸案ではあるが、激戦が予想されるナショナル・リーグ中地区でも注目されるべきチームだ。

7. ニューヨーク・メッツ

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ジェイコブ・デグロムはやはり凄い選手だ。4月17日のコロラド・ロッキーズ戦で見せたデグロムのピッチングはまさに歴史的な快投だった。MLB記録にあと1つと迫る9者連続、ロッキーズ打線の全打者から三振を奪ってみせたのだ。そしてデグロムはまだ余力を残しているようにさえ見えた。

何試合かが延期され、不規則な日程になったことが、ジェフ・マクニール、ピート・アロンソ、フランシスコ・リンドーアらのスター打者たちが不調である原因になっているかもしれない。

8. タンパベイ・レイズ

レイズが今シーズンで地区優勝を現実的な目標とするのであれば、先発投手陣のテコ入れが必要だ。だが、同地区ライバルのヤンキースにここまで5勝1敗と幸先の良いスタートを切った。

チャーリー・モートンとブレイク・スネルを失ったことを考えると、レイズは今まで以上に厳しい戦いを余儀なくされている。長い間期待の星だったブレント・ハニーウェルがメジャーに昇格し、無難に初先発登板をはたしたことはレイズにとってこの上ない好材料と言えるだろう。

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9. ロサンゼルス・エンゼルス

投手陣が手薄なエンゼルスは今シーズンもせいぜい勝率5割ぐらいだろうと思われる。しかし、大谷翔平とマイク・トラウトを擁する打撃陣はここまで好調であるし、今シーズンへの期待はさらに大きい。

最大の疑問は先発ローテーションが大崩れしたときに(多分そのときはやって来る)、このチームがどう盛り返すことができるかだ。目を離さないでいよう。

10. トロント・ブルージェイズ

驚くべきごとに、柳賢振とスティーブン・マッツが2人とも今シーズンここまで防御率2点以下の活躍を見せている。ジョージ・スプリンガーがブルージェイズでのデビューを果たす頃には打撃陣もパワーアップするだろう。

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このまま先発投手陣と打撃陣が好調を維持する限り、ブルージェイズはアメリカン・リーグ東地区でトップを狙えるチームだ。ブラディミール・ゲレーロ・ジュニアも序盤戦に大爆発している。

中間グループ

11. ミネソタ・ツインズ

ツインズのすっきりしないスタートはさほど心配するには及ばない。バイロン・バクストンは相手チームの投手たちにとって脅威だ。心配すべきは救援投手陣だ。

12. フィラデルフィア・フィリーズ

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AからZまで:アーロン・ノラ (Aaron Nola)、ザック・エフリン(Zach Eflin)、ザック・ウィーラー(Zack Wheeler)の3人は今までのところ好調だ。救援投手陣も問題はない。得点率を上げることができれば、フィリーズはナショナル・リーグ東地区で無視できない存在になる。そうなることを期待しよう。

13. ヒューストン・アストロズ

アストロズの打撃陣は今でも最高レベルであるが、ザック・グレインキー以外の先発投手陣にはあまり期待できないし、そのことは今シーズン中にはこのままで変わらないだろう。

14. クリーブランド・インディアンス

インディアンスの先発投手陣は素晴らしいが、今シーズンは打撃陣が最低レベルにある。ここまでの調子は悪くはないが、その状況は変わらないだろう。

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15. カンザスシティ・ロイヤルズ

ロイヤルズのファンは開幕後2週間を大喜びで迎えただろう。このままロイヤルズがアメリカン・リーグ中地区のトップに留まることは多分ないと思われる。しかし、サルバドール・ペレスとウィット・メリフィールドの2人が見せた打撃好調ぶりは大きな期待を抱かせるには十分だった。

16. ニューヨーク・ヤンキース

ヤンキースはここまで苦しんでいる。打撃陣と先発投手陣の不調ぶりが最大の懸案事項だ。ゲリット・コール以外の先発投手が現れない限りは、ヤンキースが浮上することはないだろう。

17. アトランタ・ブレーブス

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ロナルド・アクーニャ・ジュニアが期待された通りの活躍を見せている。だが今のところブレーブスにはアクーニャ以外に見るべき打者が1人もいない。パブロ・サンドバルはまだチームにいるのであるが。次回のパワーランキング発表時にはブレーブスが順位を大きく上げてくることを期待したい。

18. セントルイス・カージナルス

ノーラン・アレナドはどんどんカージナルスの赤いユニフォームに馴染んできているようだ。未だにその姿に違和感を覚える人が多いようだが。

19. サンフランシスコ・ジャイアンツ

ジャイアンツの先発投手陣は好調で、それがチームの好成績を支えている。もっともここまでは対戦相手に恵まれていたという側面もある。

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20. シカゴ・カブス

クリス・ブライアント、アンソニー・リゾ、ハビアー・バエズ、そしてウィルソン・コントレラスを擁する打撃陣は悪くないはずだ。だが彼らの調子は良くない。それに加えて、カブスはリーグでも最悪の残塁率を残している。長い目で見て、この打撃陣が調子を上げることは予想しにくい。

下位3分の1グループ

21. ワシントン・ナショナルズ

ナショナルズの打撃成績は悪くはない。それなのに得点には結びついていない。チーム打率ではナショナル・リーグのトップレベルであるのに、1試合平均の得点は3.54で、こちらはリーグ最低レベルだ。加えて、パトリック・コービンの調子が最悪だ。

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22. オークランド・アスレチックス

アスレチックスは苦しい時期に入ろうとしている。もしアメリカン・リーグ西地区でアスレチックスにチャンスがあるとすれば、シーズンを通してアストロズとエンゼルスという強敵と争うことになる。

23. テキサス・レンジャース

レンジャースは6試合で5点以上の得点を挙げた。9試合では得点は5点以下で、そのうち3試合は完封負けだった。打撃陣は期待された通りの仕事をしているとは言い難い。

24. シアトル・マリナーズ

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ここまでの15試合で、マリナーズの戦績は9勝6敗だ。2019年は13勝2敗のスタートを切った。そしてその後どうなったかは周知の通りだ。

25. マイアミ・マーリンズ

もしジャズ・チザムがあなたの好きな選手でなかったら、きっとそのうちそうなるだろう。今シーズンのマーリンズは再建中ではあるが、見る分には楽しいチームだ。

26. デトロイト・タイガース

アキル・バドゥーは良い選手だ。タイガースは良くない。マシュー・ボイドも良い。ボイドはここまでは2020年の不振を克服したようだ。

27. ボルティモア・オリオールズ

オリオールズはアメリカン・リーグ東地区でやっかいな存在になり得るが、ジョン・ミーンズ以外の先発投手陣には信頼性が欠けている。

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28. アリゾナ・ダイヤモンドバックス

マディソン・バンガーナーを大金で獲得した価値はあったかどうかを考えるべきときが来たようだ。2020年シーズンは不調であったし、2021年シーズンもここまでは不調のままだ。

29. コロラド・ロッキーズ

ロッキーズはリーグでも最悪の開幕スタートを切った。それはドジャースを相手にしなくてはいけなかったからでもあるが、今シーズンのロッキーズにはあまり大きな期待はできない。

30. ピッツバーグ・パイレーツ

ケブライアン・ヘイズが故障で離脱した。つまり、今シーズンのパイレーツには見るべきものはあまりないということだ。ファンにとっては残念なことではあるが。

(翻訳:角谷剛)

Joe Rivera