先発投手とともにDHも交代、ピッチャプレートを後ろに…MLBが実験中の2つの新たな野球ルール

Joe Rivera

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Major “Lab”(実験室)Baseballがまたも新たなテストデータを集め始めている。

アメリカ東海岸地方を拠点とする独立リーグの1つ、アトランティック・リーグ(以下ALPB)はここ数年MLBが新たなルールを実験する場となっている。同リーグがこれまでに行った実験には、物議を醸した延長戦のタイブレーク方式やストライクゾーンのロボット判定などが含まれ、野球原理主義者たちを驚かせ、そして怒りを誘ってきた。

そして野球原理主義者たちにとっては残念なことに、MLBとALPBはもう一度新たな試みを行おうとしている。今シーズンのALPBでは現在進行中の実験に加えて(ストライクゾーンのロボット判定を含む)、2つの興味深い実験ルールが導入される。

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表面上はまったく悪くはないように見える。野球というスポーツは進化し、改良され続けなくてはいけないものだからだ。それはいつでもいことだった。しかし、これもいつものことながら、新たな試みは常に大きな抵抗にあうことを予期しなくてはいけない。

MLBとALPBが試そうとしていることは以下の通りだ。

MLBの実験ルールとは何か?

「ダブル・フック」ルール

この実験ルールはとてもシンプルで、少なくとも興味深いアイデアではある。先発投手が試合から離れるとき、そのチームの指名打者(DH)も同時に離れなくてはいけないというものだ。つまり、そのチームはDH選手に代打を送るか、あるいは救援投手がDHの代わりに打席に立たなくてはいけなくなる。

ALPBはこの新ルールがアメリカン・リーグとナショナル・リーグとの間の妥協案になり得るとしている。客観的に見ると、その通りだろう。悪くないアイデアではあるし、野球というゲームに新たなレベルの戦略をもたらすことにもなるだろう。

陳述:もっとも投手たちにとっては危険を伴うルールである。ALPBのレポートによると、2020年シーズンでは先発投手の90%は6イニング以下でマウンドを降りている。このルールの目的の1つは先発投手らがもっと多くのイニングを投げるよう「促進する」ことにある。このルールは先発投手を長くマウンドに留めることとそのリスク戦略にあらたな灰色部分を足すことになるだろう。あるいは過激に過ぎるかもしれないが、将来においては検討されるべきルールである。

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ピッチャープレートを後ろに下げる

このアイデアは数年前に実験ルールが初めて導入されたときから検討されていたが、他の実験の後回しになっていた。

ALPBは今シーズン後半からピッチャープレートを現在の60フィート6インチ(18.44メートル)から61フィート6インチ(18.75メートル)へと後ろへ下げる予定だ。このアイデアは打者にボールに対してより多くの反応時間を与えることで、理論的には野球と言うゲームがより多くの攻撃面が増やされることになる。

陳述:このルールではいつも健康面が疑問視されるが、それは問題にならないかもしれない。米国スポーツ医学研究所の調査を引用して、投手は63フィート8インチ(19.4メートル)の距離まではフォームを変える必要はないとALPBは主張している。投手たちの健康と安全が守られるのであれば、攻撃面をより増やしていくことは歓迎されるべきことだ。特に2021年シーズンになってから、投手たちがより良く、より速く、そしてより強くなっているところを見ると尚更だ。

(翻訳:角谷剛)

Joe Rivera