タイガー・ウッズがマスターズで優勝する可能性が低い理由

Alec Brzezinski

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タイガー・ウッズは再びPGAツアーに戻ってきたが、今年のマスターズに勝利することはないだろう。優勝候補のリストに彼の名を連ねるべきではない。

2014年以来4度目の手術から復帰し、驚くほどキレを戻しているウッズだが、まだメジャー大会で優勝する準備は整っていない。実際、他の大会でも勝てることを証明できていない。2013年、ウッズはPGAツアーで5勝を飾ったが、その後、トップ10に入ったのは3大会のみだった。この成績では、今シーズン初のメジャー大会に臨むことはできない。

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いくつかの理由から、ウッズを今大会の優勝候補と見なすべきではない。1つ目は、オーガスタ・ナショナルで優勝する準備が整った選手は、他にたくさんいるということだ。2度マスターズを制しているバッバ・ワトソンは、今シーズン2勝を挙げ、調子を取り戻してきている。フィル・ミケルソンも最近は、4戦連続で1勝を含むトップ6フィニッシュを記録している。

オーガスタのドッグレッグは全て右から左へ曲がっているため、左利きの選手に有利とされている。2014年大会の13番パー5で、ワトソンは、350ヤードのフェードボールで2オンに成功し、右利きの選手では狙えない角度に達することを証明した。ワトソンとミケルソンの2選手が、今年のマスターズ優勝候補の筆頭である。

ダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイ、ジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピース、松山英樹などの選手たちは、ウッズよりもずっと優勝の可能性が高い。トーマスは、2016年シーズン以降7勝を挙げているし、スピースは既にオーガスタで優勝と準優勝を果たしている。デイと松山もオーガスタでは常に脅威であるし、ジョンソンは世界ランク1位だ。

ロリー・マキロイの存在も忘れてはならない。2018年シーズンは、欧州ツアーで2度のトップ3フィニッシュで幕開けとなったが、その後、彼はPGAツアーへの移行に苦しんだ。しかし、アーノルド・パーマー招待で勝利したことで、2015年から彼を悩ませていたパッティングの苦しみから、多少立ち直ることができた。マキロイは、キャリア・グランドスラムを達成したいと願う心の中の葛藤と向き合う必要があるが、遅かれ早かれ、それを達成する準備はできている。

若い世代の選手たちは、ウッズが実戦に復帰し、リーダーボードのトップに近づき始めたのを見て、大きな衝撃を受けたようだが、そこから立ち直ってきている。ウッズは、以前よりのびのびとプレーする、20代、30代の挑戦者たちと立ち向かわなければならない。

ウッズがマスターズで勝つための2つ目の課題は、その年齢だ。マスターズ勝者の平均年齢は、32.5歳を少し上回る程度である。ジャック・ニクラウスは、46歳の時に自身6度目のマスターズ勝利を挙げているが、それは例外である。メジャー大会の勝者は、総じて32歳より下であり、42歳のウッズは、平均的なラインをはるかに超えている。

ウッズは通例を覆してきた実績があるし、年齢なんて関係ないと言う人もいるが、彼が2008年の全米オープン以降、メジャー大会で勝利を挙げていないことを忘れてはいけない。

今週のオーガスタでのウッズの優勝を阻む最大の要因は、年齢ではないかもしれないが、他の選手が、誰もが欲しがっているグリーンジャケットを着ている可能性を考えるべきである。

ウッズの優勝を阻む最後の要因は、コースそのものである。14度メジャー大会を制したウッズだが、2005年以降マスターズで勝っていない。ウッズがオーガスタを最後に制してから、10名の選手が優勝を果たした。コースの改修が施され、特定の選手ではなく、他の選手たちに適したコースとなった。ウッズは、2006年から2013年まで、オーガスタで常に脅威であったが、優勝は果たしていない。

最後のマスターズ勝利から10年以上遠ざかっているウッズが、3年ぶりの出場となる今年のマスターズで、他の選手を破って15度目のメジャー制覇を果たす可能性は低いと言えるだろう。

原文:The Masters 2018 Why Tiger Woods is a long shot, not the favorite, at Augusta National
翻訳:Atsuko Sawada

Alec Brzezinski