ジョコビッチがBNPパリバOP出場断念…マイアミOPも欠場へ

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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現地時間3月10日開幕のBNPパリバ・オープン(米カリフォルニア州インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)への出場を予定していた男子シングルス世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、開催地・米国入りを断念し、同大会を欠場することになった。米国入国は現在も新型コロナウイルスのワクチン接種証明が必須となっており、ジョコビッチは接種なしでの入国を模索していた。

同8日に主催者から発表されたドロー(トーナメント対戦組合せ)において、ジョコビッチは第2シードとして、現地時間12日に同71位のダビド・ゴファン(ベルギー)と同78位ジョーダン・トンプソン(オーストラリア)の勝者との対戦が予定されていた。

しかし、この時点でワクチン未接種のジョコビッチの同大会出場は確定しておらず、陣営と主催者は米疾病対策センター(CDC)から入国許可を得ようと模索していたが、結果としてCDCはワクチン接種証明の回避する特例は認めなかったようだ。

全豪オープンの際のオーストラリアにおけるビザ取り消し騒動は、2度の裁判の末、ジョコビッチの国外退去という形で大きな騒動となったが、米国では門前払いの形になった。

ただ、ジョコビッチ自身は、2月に英国営メディア『BBC』から受けたインタビューのなかで、個人の選択としてワクチン接種をしないことを表明し、今後もワクチンが大会出場の壁になる場合は欠場をいとわないと発言している。同9日、ジョコビッチは自身のSNSに、米国入りを断念したことを公表した。

「(保証される大会出場権の関係で)自動的にドローに名前が入りましたが、渡米することはできないと思っていました。CDCが規則を変更しないことを確認したため、私は米国でプレーすることができません。素晴らしい大会でプレーする人々の健闘を祈ります」

主催者は、欠場のジョコビッチに代わり、同35位で第33シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)がドローにスライドしたことを発表した。繰り上げとなったディミトロフのドローにはラッキールーザーが収まることになった。

ジョコビッチはBNPパリバOPに続き、同23日から米国で開幕するマイアミ・オープン(フロリダ州マイアミ、ハード、ATP1000)も欠場となる見込みだ。

自身の信念を貫くジョコビッチだが、自動車大手のプジョーがスポンサー契約打ち切り方針を示したことに加え、最大のスポンサーだった衣類大手のラコステも2025年までの契約期限を残しながら早期打ち切りで動いているという。2社分だけでもジョコビッチが失う契約金は3000万ユーロ(約38億円)を超える可能性があるとされ、世界ランキングだけでなく収入額でも降下を余儀なくされそうだ。

次の出場大会についての発表はないが、ロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ公国モンテカルロ、クレー、ATP1000、4月10日開幕)で始まる欧州クレーシーズンから復帰が想定される。グランドスラム大会は、5月の全仏オープン、6月のウィンブルドン選手権への出場を見込んでいる。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。