全豪OPエントリー発表…大坂、錦織が出場、ジョコビッチの名も

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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現地時間12月8日、テニスの四大大会の初戦となる、2022年1月17日開幕の全豪オープン(メルボルン)は、男女シングルスのエントリー選手を発表した。大会のワクチン接種義務化で、出場が危ぶまれていたノバク・ジョコビッチ(セルビア)の名があったほか、日本勢は女子シングルス前年度覇者の大坂なおみや男子の錦織圭らが出場する。

同じオーストラリアで行われるATPカップ(シドニー)出場が明らかになり、全豪OPへの出場も濃厚となっていたジョコビッチの名がエントリーリストに載った。しかし、現時点で義務化された新型コロナウイルスのワクチン接種の状況について開示を拒否しており、ジョコビッチが接種したのか、あるいはいつするのかは不明だ。

当初、WTA(女子テニス協会)の選手評議会名義で、未接種(陰性証明の上での14日間隔離のみ)での出場が認められるという憶測を伝えるメールがリークし、ジョコビッチらのマネージャーらも条件緩和に動いていた。オーストラリアテニス協会もその方向で国や大会主催者と協議していた。

しかし、同大会のディレクター、クレイグ・タイリー氏や大会開催地のビクトリア州の関係者がワクチン接種について「いかなる特例もない」と明言しており、ジョコビッチも今後どこかの時点で接種するか、すでに済ませている可能性がある。

とはいえ、ジョコビッチが頑なに摂取状況を明かしてこなかった状況から、英紙『The Guardian』や『Express』などが、ここにきて"抜け穴"を見つけたのではないかと報じた。オーストラリアの地元紙である『Herald Sun』や『7 News Melbourne』などが「ジョコビッチが医学的理由(体質や持病などの理由でワクチン接種を忌避する必要がある場合)でワクチン接種を回避し、オーストラリアに入国するための特例的免除を申請したのではないか」と現地筋の話を伝えていた。

手助けしているとされたオーストラリアテニス協会はこれらの報道を否定したが、ジョコビッチ自身が未だ摂取状況を開示しないことから、この疑惑はまだ終わりが見えないようだ。

一方、全豪OPでの復帰を目指していたビッグスリーのひとり、ラファエル・ナダル(スペイン)は第6シードでエントリーした。右脚のケガの治療のため、8月上旬のATPワシントン大会後、今季を終えていた。

もうひとりのビッグスリー、男子のロジャー・フェデラー(スイス)の名はなく、11月中旬、コーチのイラン・リュビチッチ氏がメディアの取材に対し、「膝の再手術後の回復に時間をかけており、全豪OP出場は現実的ではない」としていた。

女子のセリーナ・ウィリアムズ(米国)もケガの回復が間に合わず、出場を回避した。セリーナは今年のウィンブルドン選手権で右脚を痛め、全米オープンを太もも裏のケガの名目で欠場し、東京五輪にも出場できなかった。2019年の全米OP覇者のビアンカ・アンドレースク(カナダ)も精神的な回復のため全豪OPを欠場する。

 

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。