豪政府がジョコビッチ以外の医学的免除取得選手のビザ審査を継続中

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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オーストラリア政府が新型コロナウイルス・ワクチン接種の医学的免除で入国しようとしたテニスの男子シングルス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)のビザを取り消した問題に関連して、別の選手についてもビザ審査を継続して行っていることがわかった。

英国営メディア『BBC』などによると、豪政府のカレン・アンドリュース内務大臣は、ジョコビッチ以外にも医学的免除を得た選手で入国要件を満たしていない個人がおり、追加調査の必要性があることを示唆したという。しかし、それが何人で誰であるのかは明かさなかった。

豪政府の対応にはジョコビッチの母国セルビアが国家をあげて批判しており、アレクサンダル・ヴッチ大統領は「政治的な魔女狩りの犠牲者」という過激な物言いで声明を出している。また、ジョコビッチはカールトンのパークホテルに移されたが、ジョコビッチの父スルジャン氏は「豪国境警備隊に息子が監禁されている」と批難。セルビア国内で息子の"解放"を求めて家族とともにデモを行った。

アンドリュース内務大臣は「ジョコビッチ氏を(国家権力によって)拘束している事実はないし、彼はいつでも自由に出国できます」と否定したが、両国間の関係は穏やかではない状況になりつつある。

今後の状況としては、ジョコビッチの担当弁護士はビザ取消に関して異議申し立てを行っており、勾留期限となる10日月曜に公聴会を予定している。

こうした流れから、ジョコビッチ以外の医学的免除で入国審査を受けている選手も、"証拠不十分"で同様の状況に陥る可能性がある。だが、全豪オープンの開幕が1月17日に迫る中、豪政府との法廷闘争を強いられるとなると、競技へのパフォーマンスにも影響が出かねないだろう。

ビッグスリーのひとりでジョコビッチの長年のライバルでもあるラファエル・ナダル(スペイン)は、この問題について「唯一明確なことはワクチンを打てば済む話だ」と所見を述べている。

オーストラリア出身のニック・キリオスも、「私は行動を起こすことが大切だと考えている。私は他の人のため、そして母の健康のために予防接種を受けたけれど、ノバクのこの状況は本当にひどいもんだ。彼は偉大なチャンピオンの一人だけど、結局、彼も人間だからね。もっとうまくやらないとな」とTwitterに投稿。暗にワクチン接種を勧めるような内容だった。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。