4年ぶりウィンブルドン初戦突破のアンディ・マリー、引退の話題を一蹴

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アンディ・マリーがウィンブルドン選手権での1回戦(現地時間6月28日)で、男子シングルス世界28位で第24シードのニコロス・バシラシヴィリ(ジョージア)を下し、2017年以来の初戦突破を果たした。試合後には囁かれる引退説を一蹴した。

4大大会3度優勝、ロンドン五輪・リオデジャネイロ五輪の男子シングルスで2大会連続金メダル獲得を経て、世界1位に登り詰めた2016年、マレーはノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダルに次ぐ存在となった。

だが、翌2017年、股関節の故障による不調で世界1位から陥落。手術後、2018年6月に復帰したものの、完治には至らず不調が続いた。2019年1月、一度引退を示唆したが、再手術を受け事実上撤回。ダブルスで調整を続ける中、シングルスでも復調を見せ、ヨーロピアン・オープンを制した。ところがそれもつかの間、同年11月に股関節の痛みが再発、ちょうどその頃、世界的にもコロナ禍に入った。

コロナ禍の影響でツアー開始が遅れた2020年、8月のATPマスターズ1000シンシナティではラウンド16まで勝ち進むも、同年の全米OPは2回戦敗退、全仏OPは1回戦敗退と低調に終わっている。2021年は、2月に全豪OPの裏で行われていたチャレンジャーツアーのイタリア大会決勝で、当時世界212位のイリヤ・マルチェンコ(ウクライナ)に敗れた上、3月に入って鼠径部の痛みを発症する不運に見舞われる。とにかく怪我に苦しんだ4年間だった。

全豪に続き全米、全仏を欠場したこともあって引退説も加速する中、地元英国ウィンブルドンに戻ってきたマレー。マレーを待っていた英国のファンから大きな歓声が起こった。

現在世界118位のマレーは、第1(6-4)、第2セット(6-3)を連取。第3セット、一時は5-0で圧倒しながらもそこからバシラシヴィリに7ゲームまくられてしまう。しかし、休憩を挟んだ第4セット、ラリー戦を制したマレーが6-3で勝利。2017年以来のウィンブルドン初戦突破となった。

2013年、2016年に優勝しているウィンブルドンには思い入れも強く、「(オールイングランドクラブの)センターコートで再びプレー出来たことに感激している」と話した。

地元英国ファンからの熱烈な歓迎と祝福を受けたことについても「試合全体も良い雰囲気になった。感謝したい」と述べている。

ここまでの日々が非常に困難だったことも語ったマレーだが、同時に今年のウィンブルドンが引退試合になるのではないかという世間の声に対しても率直に答えている。

「何故それ(引退)について尋ねられ続けるのか、私にはわからないよ。これからも(テニスを)プレーしていきたいんだ。楽しんでいるし、最高のレベルでプレーできるんだ」

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