大坂なおみが全米OP前哨戦で、東京五輪後初勝利…ポジティブさ取り戻す

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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現地時間8月18日、ウエスタン&サザンオープン(米シンシナティ、ハード)の女子シングルス2回戦で、WTA世界ランク2位で第2シードの大坂なおみ(日清)が、同24位のコリ・ガウフに逆転勝ち。東京五輪後、初白星となった。試合後の記者会見にも登場し、ポジティブなコメントを残した。

大会前の記者会見では地元記者からメディアとの関係性についてのシビアな質問を受け、涙ぐんだことで大きな騒動になった。メンタル面で不安視されたが、大坂は米国の新星であるガウフを相手に実力を示した。第1セットを4-6で奪われ、第2セットも押し切られ掛けたが、2度のブレークから持ち直すと、第3セットは6-4で切り抜けて逆転勝利を収めた。

記者会見に臨んだ大坂は、全仏の記者会見拒否や2日前の会見での騒動を振り返り、「何が私に影響を与えたのか…私がメディアに出たくない理由は何か。敗者としてひどい見出しを見るのが怖かったんです」と述べた。

そうした現実に対し、これまでは「私は勝者なのよ」と自らに強くあるように言い聞かせるようにしていたというが、「そう思えなくなり、その事実(成功)に感謝できないという感覚にありました」という。疑心暗鬼にあったことが読み取れたが、交友関係も遮断されるコロナ禍にあることも自身のメンタル面にストレスを与えていたという。

しかし、今現在の世界の情勢を見たとき、終わりが見えないコロナ禍、大地震や悪天候に襲われた父の故郷ハイチ、タリバン政権に掌握されたアフガニスタンの情勢を目の当たりにし、「(世界は)本当にクレイジーな状況なんだ」と感じ、冷静さを取り戻したという。そんななか世界のファンが自身のプレーを見てくれていることを実感した大坂は、「世界中の誰よりも、自分らしくありたい」と語った。事実、2回戦にはハイチの国旗を模したマスクをつけて試合に臨むなど、大坂らしいスタイルを貫いた。

大坂は、同19日(日本時間20日8:00)、ウエスタン&サザンOPの3回戦で世界ランク65位のジル・タイシュマン(スペイン)と対戦する。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。