全豪オープンの開催地、豪ビクトリア州の関係者が政府と連携し、国内によらず海外選手についても新型コロナウイルス(COVID-19)の予防接種を義務化する方向で協議を進めていることがわかった。かねてから義務化の報道があったが、ワクチン未接種のノバク・ジョコビッチ(セルビア)らに全豪OP出場危機がより現実化してきた。英国スポーツ専門メディア『Sky Sports』が伝えた。
オーストラリア・ビクトリア州では、すでに州内のプロスポーツ選手に対してワクチン接種義務化を導入している。まだその範囲を他州や海外から来る選手にまで広げるには至っていないが、同州のスポーツ大臣であるマーティン・パクラ氏は、来年1月、首都メルボルンで開催予定の全豪OPを前にオーストラリアテニス協会と国の保健省との間で、接種義務拡大についてのルールを話し合っていると明かした。
“I think if I was an ATP or WTA player, I’d be getting vaccinated.” @MartinPakulaMP
— SEN 1116 (@1116sen) October 11, 2021
No guarantees unvaccinated Australian Open players will even be allowed into the country | https://t.co/G4eXGDCohP | #Tennis #AustralianOpen #AusOpen pic.twitter.com/iipjt8NbU1
パクラ大臣は地元ラジオ局の取材に対し、「もし私がATPまたはWTAプレーヤーだったら、ワクチン接種を受けるでしょうね」と話したという。全豪OP4連覇を目指すノバク・ジョコビッチはワクチン接種を拒否している。2020年4月、ジョコビッチはワクチン接種に対して「将来考えが変わるかもしれないが、誰かに無理強いされたくない」という意思を表明。現時点でその意思を覆していない。
2021年の全豪OPは、当時まだメルボルンがロックダウン中だったことから厳しい規制の中でのバブル開催となったが、、錦織圭ら一部の選手は移動に使った飛行機の同乗者に陽性者が出たことから長期間隔離を受け、その際の粗雑な扱いに一部選手が豪政府や主催者に対し、SNSで批判を展開する騒動もあった。
オーストラリアは2021年10月現在、国外居住者の受け入れを事実上凍結したままで、ワクチン未接種者が来年1月17日開幕の全豪OPまでに入国できるかも不明だ。実際、全豪OPを主催するオーストラリアテニス協会は、全豪OP出場者の手配を明らかにしていない。
同協会関係者である元ダブルス世界3位のケイシー・デラクア氏が、ワクチン未接種者にも出場の可能性があると話したという地元メディアでの発言も伝えられたが、「最善策は予防接種を受けることだ」と付け加えた点を踏まえると、ワクチン接種が既定路線であることは否めないようだ。
『Sky Sports』は、少なくとも2度ワクチン接種した選手であれば、入国後の14日間隔離期間を回避か短縮でき、豪国内で自由に活動できる可能性があるとしている。
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