全仏オープンでは長期戦が延々と続く可能性も…順延された錦織の4回戦はどうなる?

Sporting News Japan Staff

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長期戦になりがち? グランドスラム大会唯一の伝統ルールを守る全仏OP

ブノワ・ペール, 全仏オープン2019

米『Yahoo Sports』が、全仏オープンにおける“伝統的なルール”について伝えている。それは、2019年現在、全仏オープンがファイナルセットにタイブレークを採用しない唯一のグランドスラムである、ということだ。

ブノワ・ペールは、今大会の2回戦で同郷フランスのピエール=ユーグ・エルベールを今大会最長の4時間33分で退けている。フルセットの末、ファイナルセットを11-9で勝利した。このマラソンマッチでエルベールは体調不良に追い込まれたが、変わり者のペールは「これぞテニスだ」と力を込めて語った。

「9-9、10-10と続いていく。これぞテニスの魅力、美しさというやつだよ。観衆がここ(会場)にいるのは、こういった瞬間を味わうためだよ。そしてそれは私たちテニスプレーヤーがプレーするときの感情と同じさ。“タイブレーク”はそういう瞬間を台無しにするだけさ」

タイブレークは、7ポイント先取、あるいは6ポイント同士になってから2ポイント差をつけた方が勝つルール。そして近年は、最終セットにおけるタイブレークを10点先取制にすることで、長期戦を防ぎ、選手の負担を軽減する取り組みがなされる大会が増えている。ペールのいう「タイブレーク」とはこの10点先取制を指す。

しかし、全仏オープンでは、最終セットで先に2ポイント差をつけた方が勝つ従来のルール(アドバンテージセット)を採用している。確かにペールが言うように、スリリングで見応えのある試合展開になるが、選手にとっては大きなダメージとなり、のちの試合のパフォーマンスに響くのが現実だ。

実際、アドバンテージセットを採用していた全豪オープン、ウィンブルドン選手権もそれぞれ若干異なるものの、今年から10点先取制タイブレーク・ルールに変更された。とくにウィンブルドンにおいては、昨年、過酷な長期戦が相次いだことから、選手サイドからルール変更を求めた結果、この20年の戦況を鑑みて変更されたという。

 

異次元レベルの長期戦記録を持つジョン・イスナー

ジョン・イスナー, 2010年ウィンブルドン

昨年のウィンブルドン準決勝のジョン・イスナー vs. ケヴィン・アンダーソンは、6-7(6), 7-6(5), 7-6(9), 4-6の末、ファイナルセットは24-26となり、歴代2位の6時間36分の死闘だった。ノバク・ジョコビッチも長期戦を強いられ、1日で準決勝、決勝をプレーするはめになった。

実はイスナーは史上最長の記録も持っている。舞台はやはりウィンブルドン。イスナーは、2010年大会の1回戦でニコラス・マハットを相手に、ファイナルセット70-68で勝利したが、ゲーム数にして138、連日の日没中断により3日間かけられ、プレー時間は前代未聞の11時間5分に達した。テニス史上最長のロングマッチだった。

もっとも、ボールのコントロールが難しくラリーが続き難いクレーコートの全仏オープンと、一貫したショットを打ちやすいハードコートのウィンブルドンでは、長期戦の規模が違うという。それでも、4時間半超えの試合は選手にとっては厳しいものであることには違いない。

 

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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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「※」は提携サイト『Goal』の記事です

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。