ワクチン接種義務化が濃厚な全豪OP…ドミニク・ティームは新ワクチン早期承認に期待

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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来年1月17日開幕予定のプロテニス4大大会(グランドスラム)のひとつである全豪オープンの出場条件として、新型コロナウイルスのワクチン接種が義務化される見通しだ。現在負傷欠場中のドミニク・ティームは新ワクチンに期待し、接種する方向だと、英国紙『Express』などが伝えた。

全豪OPの会場となる首都メルボルンのあるオーストラリア・ビクトリア州では、先日、プロスポーツ選手に対して完全なワクチン接種を義務化。対象となる選手は10月15日までにまず第1回目の接種を済ませることが規定されている。さらにこの対象を州外および国外の選手にも適用することが協議されており、来年1月開催の全豪OPもその範囲に含まれる見込みだ。

国やオーストラリアテニス協会と協議中ではあるものの、州自治体関係者は「選手たちへの私たちからの最善のアドバイスは(2度の)ワクチンを接種することです」と明言している。ATPとWTAはツアー参加選手のワクチン接種状況について、全米オープン前の段階で50%だと報告した。

テニス界でワクチン未接種者として認識される、男子シングルス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は早くから"ワクチン拒否"を表明し、現在もその立場を変えていない。大会通算10勝目および4連覇とグランドスラム通算21勝到達に黄色信号が灯っている。

一方、右手首の治療のため今シーズンを終えて欠場中の同8位ドミニク・ティーム(オーストリア)は、ワクチン接種を受ける方向にあると『Express』が報じた。

ティームは10月5日に自身のInstagramに動画を投稿して右手首の回復状態は良好だと報告していたが、13日には「コートに戻ってこれて嬉しい」と練習する画像を投稿。来季開幕復帰へポジティブなメッセージを示していた。

そんな中、『Express』は全豪OPに先んじてワクチンを接種することを認めたと報じている。ティームは現在、米バイオ医薬品企業ノババックス社の新たなワクチンの早期承認を期待しているという。

同社のワクチンは、新型コロナウイルス用と季節性インフルエンザ用の混合型ワクチン(NVX-CoV2373)で、欧州、アジア一部諸国で事前販売承認を申請しており、日本では9月7日に武田薬品工業による製造販売承認取得を条件に、厚労省が1億5000万回分の購入契約を締結したと発表されている。

「医師が良いワクチンだと言っていた」と話したティームは、この新ワクチンを待っているようだ。

しかし、同社のリリースによると9月から始まったオーストラリアにおける試験の結果は2022年前半に出る予定とされている。日本国内でも2022年初頭からの供給を予定しているが、米国においては緊急使用許可(EUA)の申請が度々遅延。結局、第4四半期まで延期するなど、生産体制に苦戦している経緯がある。

ティームは同社のワクチンを全豪OPまでに接種できない場合、別の会社のワクチンを接種するという。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。