現地時間6月29日、元女子シングルス世界1位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)が、ウィンブルドン選手権1回戦で転倒し、途中棄権した。男子でもロジャー・フェデラー(スイス)と対戦したエイドリアン・マナリノ(フランス)が同様に途中棄権している。会場となるオールイングランドクラブの特性にあるようだ。
セリーナ・ウィリアムズは、アリアクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)との1回戦の第1セット、3-1でリードする中、第5ゲームで脚を滑らせ、脚を引きずり始めた。タイムアウトを取って右太ももに大きなサポーターを着けてコートに戻った。だが、痛みのせいか涙を浮かべながらプレーを続けるも、第7ゲームで途中棄権となった。
We're heartbroken for you, Serena.
— Wimbledon (@Wimbledon) June 29, 2021
Our seven-time singles champion is forced to retire from The Championships 2021 through injury#Wimbledon pic.twitter.com/vpcW1UN78s
同日、その前の時間帯に行われたマナリノがフェデラーとの1回戦では、第4セット・第7ゲームの最中、マナリノが転倒。このセットは凌いだものの、第5セットに入ったところでマナリノが途中棄権を申し入れている。
Our heart goes out to you, @AdrianMannarino - it was a performance to be proud of and we wish you a speedy recovery#Wimbledon pic.twitter.com/0uREBcRcrc
— Wimbledon (@Wimbledon) June 29, 2021
28日のウィンブルドン選手権本戦開幕以来、連日降雨による影響を受けており、この10年で最も降雨量が高かったため、特に初日は20試合以上がキャンセルされている。会場のオールイングランドクラブのサーフェスはグラス(芝)で、言うまでもなく水滴を含むと滑りやすくなり、選手のプレーに大きな影響を与えしまう。オールイングランドクラブではセンターコートと第1コートは、可動式の屋根を展開し、雨粒を防ぐようにしている。
しかし、同施設の可動式屋根は、半透明になっている影響で温室効果を生み、場内の気温上昇により芝が湿気を帯びてしまう。また、夜間は雨避けシートでコート全体を覆うため、午前中は朝露で芝が湿っている。特にコート外側が滑りやすいようで、マナリノとセリーナもベースライン付近で脚を滑らせていた。英国国営メディア『BBC』では、サスノビッチも「とても滑りやすかった。走ることができなかった」という証言を紹介している。
フェデラーは大きな影響を感じなかったと話すが、ウィンブルドン5度制覇の経験故だろう。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)も初日に話したように、滑りやすい芝への対応もウィンブルドンでの"挑戦"の一部だという。
フェデラーが「大会が進むにつれて芝がかたくなって動きやすくなる」と指摘している通り、日が差して水気が飛ぶ午後になっていく程、プレーしやすくなるという。ただ、屋根を展開したセンターコートでは、それが後ろにズレてくるということだろう。ウィンブルドン2度制覇のアンディ・マレー(英国)はTwitterで「センターコートは非常に滑りやすい」とツイートしている。
Brutal for @serenawilliams but centre court is extremely slippy out there. Not easy to move out there.
— Andy Murray (@andy_murray) June 29, 2021
2日目以降も会場周辺の天気は不安定で、引き続き選手たちは芝との戦いにも集中しなくてはならないようだ。
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