日本時間7月24日から8月1日に開催予定の東京オリンピック・テニス競技に、男子シングルス世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、同8位のロジャー・フェデラー(スイス)の出場が決まった。一方、同じくシングルス、ダブルスで出場予定の錦織圭(日清)は、現地時間1日に行われたウィンブルドン選手権(以下、全英)2回戦敗退後、イップスの懸念を口にした。
東京五輪のテニス競技シングルス種目には、男女各々64人が出場する。シングルス各世界ランキングの上位(300位以内)から1カ国最大4人が出場可能で、全仏オープン直後となる6月14日付の順位で出場権が決まった。各大陸競技会優勝者も出場権を獲得できる。ただし、権利を得ていても、コロナ禍での開催やコンディション面で出場を辞退するケースもある。
男子初の年間4大大会全優勝と五輪金メダルの"ゴールデンスラム"を狙うジョコビッチは、予定通りエントリー。すでに全豪オープン、全仏オープンを制しており、現在開催中のウィンブルドン選手権、東京五輪、そして全米オープン(8月30日開幕)制覇を目指す。
元世界1位でグランドスラム最多優勝20回のフェデラーは、新型コロナウイルスの影響を懸念しながらも、出場に前向きなコメントを残していたが、晴れてエントリーとなった。2004年のアテネ大会以来、左膝手術で不出場となったリオ大会を抜けば、自身5度目の五輪出場。最高成績は2012年ロンドン大会の銀メダルとなっており、悲願の金メダルを狙う。
女子ではシングルス世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)、同2位の大坂なおみ(日清)、同4位アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)、同7位ビアンカ・アンドレースク(カナダ)らに加え、アメリカの新星コリ・ガウフらが出場予定だ。
出場辞退者は、男子ではラファエル・ナダル(スペイン)、ドミニク・ティーム(オーストリア)、女子では元世界女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)、元世界1位シモナ・ハレプ(ルーマニア)、リオ大会覇者モニカ・プイグ(プエルトリコ)、ソフィア・ケニン(米国)らが出場しない。多くの場合、コンディション面の不調・不安から辞退している。
また、男子シングルスおよび男子ダブルスの日本代表内定の錦織だが、7月1日の全英2回戦となるジョーダン・トンプソン(オーストラリア)に5-7,4-6,7-5,3-6で敗れた。試合後の会見で、リズムを作れずに苦しんだことを話した中、フォアハンドが入らなくなったことについて、「イップス的な感じだった」と語った。
「イップス」とは、突如自分の思い通りに身体が動かなくなる心理的症状。 テニスだけでなく、野球、ゴルフ、卓球、ダーツといったスポーツから、楽器演奏などで症例が見られる。主に心理的な症状であることから、自信を取り戻すと回復するとされ、錦織自身も試合中に治ったと話している。しかし、再発症するケースも多く、スポーツ界では厄介な症状として認識される。
錦織は相手のトンプソンのミスの無いプレーに対して、自分のリターンが酷かったと述べており、心理的に追い込まれた。「オリンピック前に仕切り直して、ベストを尽くせるようにしたい」と話した。
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