【水泳】世界水泳選手権2023福岡大会 競泳競技: 日程・日本代表・出場選手・テレビ放送・ネット配信予定|競泳日本代表は本多灯、瀬戸大也、入江陵介、大橋悠依、池江璃花子ら40名。2001年福岡大会のメダル4を上回るか?

牧野豊 Yutaka Makino

【水泳】世界水泳選手権2023福岡大会 競泳競技: 日程・日本代表・出場選手・テレビ放送・ネット配信予定|競泳日本代表は本多灯、瀬戸大也、入江陵介、大橋悠依、池江璃花子ら40名。2001年福岡大会のメダル4を上回るか? image

来年のパリ五輪の勢力図を占う世界水泳選手権(以下、世界水泳)2023福岡大会が7月14日に開幕する。世界水泳は2年に1度の周期(オリンピックの前後年)に開催されるオリンピックと並ぶ水泳界のビッグイベント。2001年以来、22年ぶり2度目の開催となる福岡大会は、新型コロナウイルスの影響により当初の予定から2年延期となっての実施となる。

世界水泳は競泳・飛込・水球・アーティスティックスイミング(以下:AS)・オープンウォータースイミング(以下:OWS)のオリンピック競技、世界水泳独自のハイダイビングの計6競技75種目で競われるが、ここでは7月23日(日)から30日(日)までの8日間にわたって行われる競泳競技の日程、日本代表、放映予定についてまとめる。

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大会名称

世界水泳選手権2023福岡大会
英名:World Aquatics Championships - Fukuoka 2023

開催日

競泳競技:2023年7月23日(日)〜30日(日)

※大会全体は2023年7月14日(金)開幕

会場

マリンメッセ福岡A館

放送予定(テレビ中継・ネット配信)

世界水泳福岡・競泳は地上波ではテレビ朝日系列、BS放送はBS朝日、CS放送はCSテレ朝チャンネルで連日放映される予定。またネット配信ではABEMA(アベマ)にて予定されている。

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18歳のポポビッチ、16歳のマッキントッシュ、21歳のマルシャン…次世代スーパースターを見逃すな!

2年前の東京五輪から世界の競泳界は世代交代が進みつつある。その流れの中、20歳未満の2人の世界記録保持者、そして長年未踏の世界記録更新に挑む21歳の世界王者の次世代スター候補3名は見逃せない。

一人目は、18歳のダビド・ポポビッチ(ルーマニア)だ。昨年の世界水泳ブダペスト大会では自由形100m・200mで49年ぶりの二冠を達成。その約2か月後、8月の欧州選手権では100m自由形の世界記録を13年ぶりに更新し、王者としての存在を確固たるものにした。これまでのスプリンターのイメージとは異なり、細長い印象を受ける体躯だが、効率よく水をかく技術で自己ベストを更新してきた。まだまだ伸び代があるポポビッチは、史上初の自由形100m・200m2冠連覇に挑む(200mは大会2日目・24日=予選・準決勝、同3日目・25日=決勝/100mは4日目・26日=予選・準決勝、5日目・27日=決勝)。

女子では16歳のサマー・マッキントッシュ(カナダ)がひときわ輝きを放つ魅力を備えている。すでに15歳で臨んだ昨年の世界水泳で400m個人メドレー、200mバタフライで2冠、400m自由形でも銀メダルを手にしていたが、その成長曲線は止まらず。今年の3月には400m自由形と400m個人メドレーで世界新記録を樹立、さらに200m個人メドレーでも世界ジュニア新記録を樹立した。福岡では日程の関係から200m個人メドレーの出場を見送る予定だが、400m自由形と400m個人メドレーでは世界記録をさらに更新した上での優勝を狙っており、加えて200mバタフライ、200m自由形、4×200mフリーリレーにも出場予定だ。日本で言えば高校1年生世代で、どのレースも最初から飛ばしに飛ばす怖いもの知らずの攻めで伸び続けている。まだ自分のスタイルを確立する前ながらも、世界を制する持ち前のスピードは、他に例を見ない。出場順(予定)は400m自由形(大会初日・23日=予選・決勝)、200m自由形(3日目・25日=予選・準決勝、4日目・26日=決勝)、200mバタフライ(4日目・26日=予選・準決勝、5日目・27日=決勝)、4×200mフリーリレー(5日目・27日=予選・決勝)、400m個人メドレー(8日目・30日=予選・決勝)となる。

そしてもう一人は来年のオリンピック開催国の主役候補、21歳のレオン・マルシャン(フランス)だ。昨年の世界水泳では個人メドレー2冠に輝き、200mバタフライでも銀メダル獲得と一気に世界に名をはせたが、度肝を抜いたのは400m個人メドレー。現在の競泳五輪種目では最も長く維持されているマイケル・フェルプスの世界記録(2008年樹立/4分03秒84)に0秒44まで迫る世界歴代2位の4分04秒28を叩き出した。今大会でマルシャンが狙うのは、「フェルプス超え」。ちなみにマルシャンは現在、アメリカのアリゾナ州立大でフェルプスを育てたボブ・ボーマンコーチから指導を受けている。今大会、エントリーはしなかったものの、200m平泳ぎでも今年の世界ランク1位の2分06秒59をマークするなど、選手としての幅広い才能を持ち合わせおり、ポポビッチ、マッキントッシュ同様にまだまだ伸び代を十分備えている。今大会は、400m個人メドレー(大会初日・23日=予選・決勝)、200mバタフライ(3日目・25日=予選・準決勝、4日目・26日=決勝)、200m個人メドレー(4日目・26日=予選・準決勝、5日目・27日=決勝)、4×200mフリーリレー(6日目・28日=予選・決勝)へのエントリーが予想されている。

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金メダルに最も近い本多灯、8大会連続出場の入江。池江は6年ぶりの出場で個人4種目にエントリー

世界水泳、オリンピックを通して過去最多の40名(男子20名、女子20名)となる今大会の競泳日本代表。個人種目(五輪種目のみ)で金メダルを獲得すればパリ五輪の代表な一定に、リレー種目で決勝3位以内に入ればパリ五輪出場権を獲得できるだけに、世界の進化に負けじと、一つでも多くの種目で上位を狙う。

各種目の情勢で、最も金メダルに近いのは、男子200mバタフライの本多灯(イトマン東京・ 日本大学4年)だ。2年前の東京五輪で2位、昨年のブダペスト世界水泳で3位と連続メダルを獲得中で、今大会は世界記録保持者のクリストフ・ミラーク(ハンガリー)が心身ともに準備が整わずに欠場。レオン・マルシャン(フランス)も侮れないが、この種目での自己ベストは本多が上回っており、優勝の可能性がより高いものになっている。

今季好調の選手では、4月に日本新記録を出した100m自由形と日本選手権初優勝を果たした100mバタフライ、得意の200m自由形にエントリーする松元克央(ミツウロコ・ 三菱養和SS)、これまでの世界水泳で8個のメダルを手にしてきた200m、400m個人メドレー出場の瀬戸大也(CHARIS & Co.)にメダル獲得を含めた上位進出が期待される。

また男子では前人未到の8大会連続出場となる入江陵介(イトマン東進)は100m背泳ぎ、4×100mメドレーリレーでは混合と男子にエントリー予定となっている。

女子では東京五輪個人メドレー2冠の大橋悠依(イトマン東進)は200m個人メドレー、6年ぶりの世界水泳出場となる池江璃花子(横浜ゴム/ルネサンス)は個人種目には50m、100m自由形、50m、100mバタフライの個人では4種目、チーム最年少の16歳、成田実生は200m、400m個人メドレーにエントリーする。

前回の2001年福岡大会では、4個のメダル(すべて銅、個人3、リレー1)を獲得した競泳日本代表。果たして今回は?

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競泳 競技日程

7月23日(日)/初日

【10:30 - 14:45】
女子 200m個人メドレー 予選
男子 400m自由形 予選
女子 100mバタフライ 予選
男子 50mバタフライ 予選
女子 400m自由形 予選
男子 100m平泳ぎ 予選
男子 400m個人メドレー 予選
女子 4x100mフリーリレー 予選
男子 4x100mフリーリレー 予選

【20:00 - 22:20】
男子 400m自由形 決勝
女子 100mバタフライ 準決勝
男子 50mバタフライ 準決勝
女子 400m自由形 決勝
男子 100m平泳ぎ 準決勝
女子 200m個人メドレー 準決勝
男子 400m個人メドレー 決勝
女子 4x100mフリーリレー 決勝
男子 4x100mフリーリレー 決勝

7月24日(月)/2日目

【10:30 - 13:15】
女子 100m背泳ぎ 予選
男子 100m背泳ぎ 予選
女子 100m平泳ぎ 予選
男子 200m自由形 予選
女子 1500m自由形 予選

【20:00 - 21:50】
男子 100m平泳ぎ 決勝
女子 100mバタフライ 決勝
男子 100m背泳ぎ 準決勝
女子 100m平泳ぎ 準決勝
男子 50mバタフライ 決勝
女子 100m背泳ぎ 準決勝
男子 200m自由形 準決勝
女子 200m個人メドレー 決勝

7月25日(火)/3日目

【10:30 - 13:15】
男子 50m平泳ぎ 予選
女子 200m自由形 予選
男子 200mバタフライ 予選
男子 800m自由形 予選

【20:00 - 22:05】
男子 200m自由形 決勝
女子 1500m自由形 決勝
男子 50m平泳ぎ 準決勝
女子 100m背泳ぎ 決勝
男子 100m背泳ぎ 決勝
女子 200m自由形 準決勝
男子 200mバタフライ 準決勝
女子 100m平泳ぎ 決勝

7月26日(水)/4日目

【10:30 - 13:30】
女子 50m背泳ぎ 予選
男子 100m自由形 予選
男子 200m個人メドレー 予選
女子 200mバタフライ 予選
混合 4X100mメドレーリレー 予選

【20:00 - 22:15】
男子 800m自由形 決勝
女子 200m自由形 決勝
男子 100m自由形 準決勝
女子 50m背泳ぎ 準決勝
男子 200mバタフライ 決勝
男子 50m平泳ぎ 決勝
女子 200mバタフライ 準決勝
男子 200m個人メドレー 準決勝
混合 4X100mメドレーリレー 決勝

7月27日(木)/5日目

【10:30 - 13:15】
女子 100m自由形 予選
男子 200m背泳ぎ 予選
女子 200m平泳ぎ 予選
男子 200m平泳ぎ 予選
女子 4x200mフリーリレー 予選

【20:00 - 22:15】
女子 200mバタフライ 決勝
女子 100m自由形 準決勝
男子 100m自由形 決勝
女子 50m背泳ぎ 決勝
男子 200m平泳ぎ 準決勝
男子 200m個人メドレー 決勝
女子 200m平泳ぎ 準決勝
男子 200m背泳ぎ 準決勝
女子 4X200mフリーリレー 決勝
  
7月28日(金)/6日目

【10:30 - 13:15】
男子 100mバタフライ 予選
女子 200m背泳ぎ 予選
男子 50m自由形 予選
女子 50mバタフライ 予選
男子 4x200mフリーリレー 予選
女子 800m自由形 予選

【20:00 - 22:10】
女子 100m自由形 決勝
男子 100mバタフライ 準決勝
女子 200m背泳ぎ 準決勝
男子 50m自由形 準決勝
女子 200m平泳ぎ 決勝
男子 200m背泳ぎ 決勝
女子 50mバタフライ 準決勝
男子 200m平泳ぎ 決勝
男子 4X200mフリーリレー 決勝

7月29日(土) /7日目

【10:30 - 13:30】
女子 50m自由形 予選
男子 50m背泳ぎ 予選
女子 50m平泳ぎ 予選
混合 4x100mフリーリレー 予選
男子 1500m自由形 予選

【20:00 - 22:15】
女子 50mバタフライ 決勝
男子 50m自由形 決勝
女子 50m自由形 準決勝
女子 50m平泳ぎ 準決勝
男子 100mバタフライ 決勝
女子 200m背泳ぎ 決勝
男子 50m背泳ぎ 準決勝
女子 800m自由形 決勝
混合 4X100mフリーリレー 決勝

7月30日(日) /8日目

【10:30 - 12:30】
女子 400m個人メドレー 予選
男子 4x100mメドレーリレー 予選
女子 4x100mメドレーリレー 予選

【20:00 - 22:30】
男子 50m背泳ぎ 決勝
女子 50m平泳ぎ 決勝
男子 1500m自由形 決勝
女子 50m自由形 決勝
女子 400m個人メドレー 決勝
男子 4X100mメドレーリレー 決勝
女子 4X100mメドレーリレー 決勝

競泳 日本代表

※年齢は2023年7月14日時点。

【男子】

種目 選手 所属 年齢
自由形  塩浦 慎理  イトマン東進 31
自由形・
バタフライ 
松元 克央  ミツウロコ・三菱養和SS 26
背泳ぎ  入江 陵介  イトマン東進 33
背泳ぎ  竹原 秀一  東洋大学1年・はるおかSS赤間 19
背泳ぎ  栁川 大樹  イトマンSS港北校・明治大学3年 21
平泳ぎ  日本 雄也  アクアティック・近大クラブ 26
平泳ぎ  渡辺 一平  トヨタ自動車 26
平泳ぎ  佐藤 翔馬  東京SC 22
バタフライ  川本 武史  トヨタ自動車 28
バタフライ  水沼 尚輝  新潟医療福祉大学職員 26
バタフライ・
個人メドレー 
本多 灯  イトマン東京・日本大学4年 21
バタフライ  森本 哲平  イトマン近大・近畿大学3年 21
個人メドレー  瀬戸 大也  CHARIS & Co. 29
個人メドレー  小方 颯  イトマンSS港北校・日本大学2年 20
フリーリレー 五味 智信  ヨコハマSC・明治大学3年 20
フリーリレー 中村 克  イトマン東進 29
フリーリレー 川根 正大  ツカサドルフィン 23
フリーリレー 眞野 秀成  セントラルスホーツ 23
フリーリレー 田中 大寛  早稲田大学4年 22
フリーリレー 吉田 冬優  三谷産業・三菱養和SS 25

 【女子】

種目 選手 所属 年齢
自由形・
バタフライ 
池江 璃花子  横浜ゴム・ルネサンス 23
自由形・
 背泳ぎ 
白井 璃緒  ミズノ 23
自由形  難波 実夢  JSS・近畿大学3年 21
自由形  小堀 倭加  あいおいニッセイ同和損害保険・湘泳会 22
自由形  森山 幸美  SWANS SPORTS CLUB 26
背泳ぎ  高橋 美紀  林テレンプ 28
背泳ぎ  弘中 花音  イトマンSS・四條畷学園高校3年 18
平泳ぎ  鈴木 聡美  ミキハウス 32
平泳ぎ  青木 玲緒樹  ミズノ 28
平泳ぎ  今井 月  バローHD・東京ドーム 22
バタフライ  相馬 あい  ミキハウス 25
バタフライ  三井 愛梨  横浜サクラSS・法政大学1年 19
バタフライ  牧野 紘子  あいおいニッセイ同和損害保険 23
個人メドレー  成田 実生  金町SC・淑徳巣鴨中学高等学校2年 16
個人メドレー  大橋 悠依  イトマン東進 27
個人メドレー  谷川 亜華葉  イトマン近大・近畿大学2年 20
フリーリレー 池本 凪沙  イトマン東京・中央大学3年 20
フリーリレー 神野 ゆめ  中京大学3年 20
フリーリレー 五十嵐 千尋  テイクアンドギヴ・ニーズ 28
フリーリレー 望月 絹子  鈴与 24

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牧野豊 Yutaka Makino

牧野豊 Yutaka Makino Photo

東京・神田生まれの神田育ち。上智大学卒。1993年から約30年間、スポーツ専門出版社で雑誌・書籍・ウェブ媒体の取材・原稿執筆・編集全般に携わる。その間、バスケットボール(NBA含む)、アメフト(NFL含む)のムック、水泳競技、陸上競技の月刊定期誌の編集長を歴任。各競技の国内主要大会をはじめ、アジア大会、世界選手権、オリンピック等、国際大会の現地取材を経験。