W杯での活躍で移籍が噂される選手たち…日本の堂安律も人気銘柄に?

Dom Farrell

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2022年ワールドカップが終わりに近づく中で、すでにクラブのサッカーに目を向ける人もいる。

準々決勝でブラジル、オランダ、ポルトガル、イングランドが敗退し、高いクオリティーを持つ選手たちがさらに帰国の途についた。彼らのクラブのファンは、国内リーグ再開に注目している。

ワールドカップほど移籍の憶測に拍車をかけるものもない。大枚をはたくつもりのチームは、カタールで印象を残した選手たちを2度の機会で狙うかもしれない。巨額が動く移籍はおそらく、2023年夏の欧州マーケットを待つ必要があるだろう。だが、あと2週間と少しで1月の市場も開く。

ここでは、ワールドカップでのパフォーマンスで価値を高め、争奪戦となるかもしれない選手たちを見ていこう。すでに地位を確立している選手に加え、シーズン半ばの市場で人気銘柄となるかもしれないブレイク中の注目選手たちも紹介する。

ジュード・ベリンガム(イングランド代表/ボルシア・ドルトムント)

今季開幕前にアーリング・ハーランドをマンチェスター・シティに売却する以前から、ドルトムントは欧州の強豪がベリンガム獲得に動く可能性に備えていた。19歳のイングランド代表がカタールで見せたパフォーマンスは、その熱を高めるばかりだ。6-2と大勝したイランとの初戦で先制点をあげたベリンガムは、大会を通じて堂々としたプレーを披露。ポール・ガスコインからスティーブン・ジェラードまで、過去30年にわたるイングランド最高のMFたちを彷彿させた。

リバプールがベリンガムを高く評価していると報じられ、「次のジェラード」を巡る騒ぎは熱を帯びた。ワールドカップで活躍したスターの獲得に慣れているレアル・マドリーも注目している。ほかには、特にベルナルド・シウバとイルカイ・ギュンドアンの去就が不透明なシティが、ドルトムントと築いてきた関係を生かすかもしれない。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…夏

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コーディ・ガクポ(オランダ代表/PSV)

ガクポは今季序盤も多くのクラブからの関心が報じられていた。マンチェスター・ユナイテッドやリーズを筆頭に、プレミアリーグの多くのクラブがPSVのFWを追っていた。カタールでオランダ代表最多の3得点をあげ、卓越した活躍を見せたことで、リーズはおそらく争奪戦から外れるだろう。エリク・テン・ハフ監督の下で足元を固めているユナイテッドは、指揮官がクリスティアーノ・ロナウドの代役獲得を望んでいる。監督が明らかに評価する選手をシーズン半ばに獲得できれば、トップ4争いでユナイテッドを押し上げるかもしれない。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…夏

ヨシュコ・グバルディオル(クロアチア代表/RBライプチヒ)

ベリンガムのようにワールドカップで目立ったブンデスリーガのもうひとりの選手だ。非常に高く評価され、その株は右肩上がり。ズラトコ・ダリッチ監督率いるクロアチアが2大会連続のベスト4進出を果たし、前回から引き続き残っていたベテラン選手たちに大きな注目が集まったが、新世代の導き手となるのはグバルディオルだ。

左利きのセンターバックであるグバルディオルは、プレーが冷静で、20歳とは思えない成熟ぶり。今後10年にわたり、欧州のトップクラスに定着すると見られている。プレミアリーグのビッグクラブたちが関心を寄せていると言われ、大きく噂になっているのがチェルシーだ。来シーズンが始まるまでに、グバルディオルが次なるサッカー史上最高額DFとなっていても驚きではない。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…夏

アゼディン・ウナヒ(モロッコ代表/アンジェ)

モロッコが歴史的なベスト4進出で人々の心を掴み、世界中のクラブがこれまで見過ごされていたタレント軍団に注目している。

決勝トーナメント1回戦でモロッコがスペインを下すと、スペイン代表を率いたルイス・エンリケ監督は、ウナヒの中盤での堂々としたパフォーマンスに「マンマミーア! 彼はどこから来たんだ?」と語った。24歳のウナヒは、エンリケ監督の古巣であるバルセロナの注目も引きつけたようだ。アンジェはすぐに資金化することを考えているかもしれない。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…1月

ゴンサロ・ラモス(ポルトガル代表/ベンフィカ)

ポルトガル代表でスタメン落ちのC・ロナウドの代わりとして先発ストライカーを務めることが、若手選手にとってどれほど大きな重圧となったかは想像もできないほどだ。だが、ゴンサロ・ラモスはそれを問題としなかった。ポルトガルがスイスを6-1と粉砕した一戦で、ハットトリックを達成したのだ。

21歳のベンフィカFWにとって、スイス戦はキャリアを変える試合となりそうだ。リバプールに移籍したダルウィン・ヌニェスの良い引き立て役だった昨季から、ラモスはゴールスコアラーとして台頭した。今季のプリメイラ・リーガでは11試合出場で9得点。ベンフィカはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出しており、評価をさらに高める機会となるかもしれない。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…夏

Goncalo Ramos of Portugal at 2022 World Cup goal vs Switzerland
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ソフィアン・アムラバト(モロッコ代表/フィオレンティーナ)

大勢の人を熱狂させたもうひとりのモロッコ代表MF。アムラバトはワリド・レグラギ監督率いるモロッコの中盤の底で揺るぎない存在感を発揮した。フィオレンティーナは、オランダ生まれの26歳に関する問い合わせに備えるべきだろう。

ユルゲン・クロップ監督はリヴァプールで中盤の選択肢の少なさに悩まされており、ゴシップメディアに軽く目をとおすだけでも、多くのMFがアンフィールド行きの噂に挙がる。直近のファビーニョの苦戦もあり、クロップが今季を乗り切ろうとする上で、アムラバトは早期の解決策となるかもしれない。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…1月

エンツォ・フェルナンデス(アルゼンチン代表/ベンフィカ)

アルゼンチンの感動的な準決勝までの熱のこもった道のりは、大体において「リオネル・メッシ・ショー」だ。だが、アルゼンチンが中盤に構造と秩序を見いだせた時、そこにはフェルナンデスがいた。

元リーベル・プレートで現在はベンフィカでプレーするフェルナンデスは、グループステージのメキシコ戦で勝利を決めるゴールをあげてスタメン入りするようになった。ジオバニ・ロ・チェルソが負傷で大会を欠場し、ロドリゴ・デ・パウルやレアンドロ・パレデスの調子が定まらなかったことで、21歳のフェルナンデスの存在が重要となったのだ。フリアン・アルバレスを輩出したのと同じユース出身で、ベンフィカからマンチェスター・シティに向かった選手が多いだけに、フェルナンデスはジョゼップ・グアルディオラ監督の選手かのようだ。だが、リバプール移籍の可能性も報じられている。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…夏

Enzo Fernandez Argentina World Cup Mundial 2022
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ハリー・サウター(オーストラリア代表/ストーク・シティ)

昨年11月にひざの前十字靭帯を断裂したサウターは、ワールドカップに出場できないと思われた。だが、ストークではルートン・タウンとの1試合に出場しただけで、キリアン・エムバペを擁するフランスとのワールドカップ初戦のスタメン入りを果たしている。

試合は1-4でオーストラリアの敗北に終わった。だが、サウターは後方からの見事なパスでクレイグ・グッドウィンの先制点の起点となっている。また、オーストラリアが1-0で勝利し、ベスト16進出を果たしたチュニジア戦でも活躍。ボールを持てば堂々とし、ボールを保持していない時は激しさを見せた。イングランドの2部でプレーするボールを扱えるセンターバックとあれば、プレミアリーグの多くのクラブにとって1月の魅力的な補強候補となるだろう。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…1月

アドリアン・ラビオ(フランス代表/ユベントス)

前回の夏の移籍市場でラビオのマンチェスター・ユナイテッド移籍が騒がれた時、全体的な反応は微妙だった。EURO2020のスイス戦でフランスが敗れた原因とされたフランスサッカー界の問題児を、ユベントスが何とか放出したがっているようだったのだ。

それから数か月。ラビオは再びマッシミリアーノ・アッレグリ監督の下でレギュラーとなった。そしてエンゴロ・カンテやポール・ポグバといった選手たちの負傷で、世界王者のチームで常時出場することになったのだ。2023年に再びラビオを巡る移籍の噂が立ち始めた時、人々が過小評価することはないだろう。今季終了後にフリーとなるだけになおさらだ。

2023年に移籍なら可能性が高いのは…夏

堂安律(日本代表/フライブルク)

日本がドイツとスペインを相手に勝利したことは、2022年ワールドカップで大きく称賛された。どちらの試合でも途中出場から同点弾をあげ、2-1の勝利に貢献したのが堂安律だ。

24歳の堂安は、今季からフライブルクに在籍している。フローニンゲン、PSV、アルミニア・ビーレフェルトといったクラブに在籍した経験を持つが、欧州でのキャリアはまだブレイクしていない。ローマが関心を寄せていると言われており、各クラブはカタールでの活躍で開花への準備を整えたエキサイティングなタレントを獲得する機会と見るかもしれない。


2023年に移籍なら可能性が高いのは…1月

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Dom Farrell

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Dom is the senior content producer for Sporting News UK. He previously worked as fan brands editor for Manchester City at Reach Plc. Prior to that, he built more than a decade of experience in the sports journalism industry, primarily for the Stats Perform and Press Association news agencies. Dom has covered major football events on location, including the entirety of Euro 2016 and the 2018 World Cup in Paris and St Petersburg respectively, along with numerous high-profile Premier League, Champions League and England international matches. Cricket and boxing are his other major sporting passions and he has covered the likes of Anthony Joshua, Tyson Fury, Wladimir Klitschko, Gennadiy Golovkin and Vasyl Lomachenko live from ringside.