EURO(欧州選手権)で複数回優勝している選手たち EURO2024で可能性があるのは?

Dom Farrell

坂東実藍 Miran Bando

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ウクライナ代表との緊迫した一戦で0-0と引き分け、イタリア代表はドイツで開催されるEURO2024への出場を決めた。

アッズーリ(イタリアの愛称)は2021年にウェンブリーでPK戦の末にイングランドを下した前回大会王者だ。だが、連覇がいかに難しいかは歴史が示している。

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ヨーロッパにはエリートクラスの強豪国がひしめく。それだけに、様々な国が大きな大会を制覇しているのも驚きではないだろう。EURO(欧州選手権)を複数回制したことがある選手は13人しかいない。そして下記のリストが示すように、特定のチームに偏っている。

『スポーティングニュース』では、その詳細をまとめた。

EURO(欧州選手権)で複数回優勝している選手たち

選手 優勝年
ラウール・アルビオル スペイン 2008, 2012
シャビ・アロンソ スペイン 2008, 2012
アルバロ・アルベロア スペイン 2008, 2012
ライナー・ボンホフ ドイツ 1972, 1980
イケル・カシージャス スペイン 2008, 2012
サンティ・カソルラ スペイン 2008, 2012
セスク・ファブレガス スペイン 2008, 2012
アンドレス・イニエスタ スペイン 2008, 2012
セルヒオ・ラモス スペイン 2008, 2012
ペペ・レイナ スペイン 2008, 2012
ダビド・シルバ スペイン 2008, 2012
フェルナンド・トーレス スペイン 2008, 2012
シャビ スペイン 2008, 2012

EUROで連覇を達成した国はスペインのみ。2010年のワールドカップでも栄光を手にしており、当時黄金期だったスペインは主要大会で3大会連続優勝を達成している。

その最初が、オーストリアとスイスで共催されたEURO2008。ドイツとの決勝でフェルナンド・トーレスが試合唯一のゴールを決めて優勝を飾った。当時のスペインの議論の余地もないの強さを考えれば、この時期を通じて大半が同じメンバーだったことも驚きではない。

かつてアトレティコ・マドリー、リバプール、チェルシーに在籍したF・トーレスは、ウクライナとポーランドで開催されたEURO2012のイタリアとのキーウでの決勝でも、途中出場からネットを揺らした。EURO2008とEURO2012の両決勝には、スペインからF・トーレスのほかにシャビ・アロンソ、イケル・カシージャス、セスク・ファブレガス、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ラモス、ダビド・シルバ、シャビが出場している。

サンティ・カソルラはEURO2008決勝で後半に途中出場したが、EURO2012決勝では起用されなかった。この試合では、それまで4年をベンチで過ごしたアルバロ・アルベロアが右サイドバックで先発出場している。

控え守護神ペペ・レイナとDFラウール・アルビオルは、どちらの決勝にも出場していない。これは、上記のリストで唯一、スペイン以外から名を連ねた人物との共通点だ。

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EURO優勝2回のライナー・ボンホフとは?

ボンホフは1970年代に当時黄金期だったボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)で活躍したミッドフィルダーで、フリーキックのスペシャリストだった。

クラブではブンデスリーガで優勝4回を達成。1972-1973シーズンのDFBポカールや1974-1975シーズンのUEFAカップを制している。

ボルシアMGがトウェンテとのセカンドレグで5-1と快勝した当時のUEFAカップ決勝までに、ボンホフは代表レベルで欧州の頂点に立っていた。1972年のEUROだ。

当時のEUROは予選を突破した4チームによるトーナメントで、準決勝の2試合と3位決定戦、決勝が行われていた。

ボンホフは20歳の誕生日の2か月前、ソビエト連邦に4-1で勝利した大会前の試合で西ドイツ代表デビューを飾り、EUROのメンバーにも選出された。だが、ベルギーに2-1で勝利した準決勝も、ソ連を3-0と沈めた決勝も、いずれも出場機会はなかった。

当時のボンホフは西ドイツ代表の最年少選手で、その後同代表で中心的な存在として地位を確立。実際、EURO連覇にも近づいた。

EURO1978でボンホフはドイツの6得点のうち4得点をお膳立てした。だが、ドイツは決勝でチェコスロバキアに敗れている。アントニン・パネンカで有名なPK戦の末の敗北だ。

ボンホフは1978年のワールドカップで全試合に出場した。だが、西ドイツは2次リーグでオーストリアに2-3と敗れ、センセーショナルな敗退に終わっている。

この大会後、ボンホフはラ・リーガのバレンシアに移籍した。この移籍は、ドイツサッカー連盟が国外を拠点とする選手の招集を解禁するきっかけのひとつにもなった。

ボンホフはバレンシアで1978-1979シーズンのコパ・デル・レイと1979-1980シーズンのUEFAカップウィナーズカップを制覇。出場国が8チームに拡大した1980年のEUROでは、西ドイツの予選突破において重要な役割を担ったが、ケガのため本大会は出場できなかった。

翌年、ボンホフは53キャップで西ドイツ代表でのキャリアを終えた。通算9得点をあげている。

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EURO2024で複数回優勝の可能性があるのは誰?

イタリアはキャプテンを務めていたジョルジョ・キエッリーニが代表から引退。ユベントスでチームメイトだったレオナルド・ボヌッチは、大会までに37歳となることもあり、EURO2024出場が難しいかもしれない。

だが、EURO2020を制したイタリアには多くの若手もいた。それだけに、ルチアーノ・スパレッティ現監督がチームをうまく奮い立たせることができれば、連覇を達成する可能性を秘めた選手たちも少なくない。フェデリコ・キエーザ、ジャンルイジ・ドンナルンマ、マルコ・ヴェッラッティといった選手たちは、再びイタリア代表の中心となるはずだ。

さらに少しさかのぼれば、ポルトガルがEURO2016で優勝している。代表で得点を量産し続けているだけに、クリスティアーノ・ロナウドの存在も見えてくるだろう。

そのロナウドのベテランのチームメイト、ペペもまだ国際舞台で健在。また、ウィリアム・カルバーリョ、ジョアン・マリオ、ラファエル・ゲレイロといった選手たちも、EURO2016を制したポルトガル代表メンバーで、最近の予選でもロベルト・マルティネス監督の下で戦っている。

原文:Players to win multiple European Championships: All-time list of men's footballers to win more than one Euros(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Dom Farrell

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Dom is the senior content producer for Sporting News UK. He previously worked as fan brands editor for Manchester City at Reach Plc. Prior to that, he built more than a decade of experience in the sports journalism industry, primarily for the Stats Perform and Press Association news agencies. Dom has covered major football events on location, including the entirety of Euro 2016 and the 2018 World Cup in Paris and St Petersburg respectively, along with numerous high-profile Premier League, Champions League and England international matches. Cricket and boxing are his other major sporting passions and he has covered the likes of Anthony Joshua, Tyson Fury, Wladimir Klitschko, Gennadiy Golovkin and Vasyl Lomachenko live from ringside.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。